2023年12月18日

「自分が世界の中心にいる」という意識

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●『NHK「100分de名著」ブックス アドラー 人生の意味の心理学 変われない? 変わりたくない?』(岸見 一郎 著)より


悩みを抱えてカウンセリングにくる人の多くは、他者のことを、隙あらば自分のことを陥れようとする怖い存在、さらにはこの世界全体を危険なところと見ています。
なぜ彼らはそんなふうに思ってしまうのでしょうか。

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他者との関係の中に入っていきたくない」という目的があるからです。


他者と関われば、必ずそこには摩擦が生まれ、憎まれたり、嫌われたり、裏切られたりといったことが生じます。
そうなって傷つくのが怖いので、「他者と関わりを持たないようにしよう」と考えるのです。
そう思うために他者を敵と見なさなければならないのです。

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対人関係を避けようとしていては、幸せになることはできません。
対人関係の悩みから逃れようと思うなら外に出るのを避けるのではなく、まずは他者に対する意味づけを変えることが必要になってきます。
他者を敵ではなく「仲間」と考えてみれば、人生は大きく変わります。

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他者を敵だと考える人の多くに共通しているのが、「自分が世界の中心にいる(いたい)」という意識です。

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広場恐怖症の人は、皆から見られることを怖れているように見えますが、実はその逆で、皆に注目されて世界の中心にいたいと思っているのです。

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【コメント】

最近のラノベやアニメは、「異世界系」「転生モノ」が多いですよね。
この慢性的絶望的な世の中と、自分が置かれている状況から逃げ出したいという心がそうさせるのでしょうかね。


アニメ「エヴァンゲリオン」が流行った頃は、「セカイ系」が流行りました。
若い男女の恋愛関係を典型とする狭小な人間関係が世界の危機や終末を左右するといった極端なファンタジーに基づく物語構造のことです。
(最終兵器彼女とかありましたね)


悩みを抱えてカウンセリングにくる人の多くは、碇シンジ君なんでしょうね。
世界の中心でおめでとうと言われたい。


若い時はまだ良いのですが、問題はそういうサブカルと不安定な社会情勢の中で生きてきた私のような就職氷河期世代ですね。
素地となる部分がそういうものですから、いくら年齢を重ねても精神的には変わりません。


他者のせいにしても何も変わらないので、自分から変えていくようにしないといけません。
なにから始めるか。
相手を見る目を変えるところからでしょうか。

Posted by kanzaki at 2023年12月18日 06:59