●『心配ごとや不安が消える 「心の整理術」を1冊にまとめてみた』(松原 正樹 著)より
私たちの日常はいつなんどきも感情とともにあり、手放すにしろ執着するにしろ、湧き上がってくる感情に対処することを繰り返しています。
つまり、私たちの心は、かき混ぜられたコップの中の泥水のように混沌としているのです。
いつも泥水のままで視界がクリアになる瞬間がなければ、自分の本心がどこにあるのか、何を大切にしたいと考えているのか、湧き上がった感情の何に反応して心が乱されているのか、わからなくて当然です。
だから、いったんコップを置き、心を鎮めることが必要なのです。
実は、このコップを置くという動作こそが、坐禅です。
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私は授業や講演の際、坐禅を身近に感じていただきたくて、坐禅の説明にこのコップの例を引き合いに出すことがよくあります。
かつてこの話を聞いた女性から、最近になり、「実はあのときコップの話を聞いてから、とても気持ちがラクになったんです」と打ち明けられました。
ふと不安がよぎったとき、イライラしたとき、悲しいとき、強い感情が押し寄せてきたときに「大丈夫。私は今、泥水の中にいるだけ」と思うことで気持ちが落ち着き、感情の暴走を防げるようになったといいます。
感情のコントロールはできる。それが真実だと教えてくれるエピソードです。
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もちろん、感謝の心で暮らしていても、瞬間的に心が荒れてしまうことがあります。
そんなときは、コップの話を思い出してください。
いったんコップを静かに置き、深く深呼吸をします。
ありがとうと深呼吸の組み合わせは、最強です。
私は人生の終わりにも「ありがとう」といえる生き方をしたいと思っています。
もし、余命の宣告を受けたら、やはり恐怖心も湧き上がってくることでしょう。
それでもなお、家族に出会えたこと、その日の出会い、口にしたもの、水の一滴、すべてに感謝をしていたいと思っています。
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【コメント】
水と泥の入ったコップを思いっきりかき混ぜると、まるでハリケーンのような状態となります。
しばらくそのコップを端に置いておく。
やがて、かき混ぜた勢いは消え、いつの間にやら泥はコップの底へ沈み、水と泥の2層に分かれます。
心の状態をうまく表現していると思います。
心がかき乱されたら、一旦止まる。
そのまま走ってもオーバーヒートしてしまい、何も良いことがないし、周りにも迷惑をかけてしまいますから。
日々の仕事は、泥水の入ったコップのようなもの。
いかに、そのコップをかき混ぜること無く、安定した状態を保つかが、結果の良し悪しになるのかなと感じます。
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