2004年06月24日

映画・下妻物語【ネタバレ無し編 その1】

随分前になるのですが、深夜、急に映画を観たくなりました。
ネットで調べたら、夜中0時から上映開始の作品があるではないですか。
その名は、「下妻物語」。
この時期で邦画と云えば「世界の中心で、 愛をさけぶ」かと思います。
私も何故か、大絶賛な訳でもないのに、事情があって2回も観てしまいました。
悪くはないのですが、既に原作を読んでいたし、テレビ・雑誌等で大宣伝をしていたせいでしょうか、どうも天邪鬼な性格が災いして、拍手喝采とまではいきませんでした。
悪くはないし、人に勧めるならば無難な作品です。
でも、何か私が求めているモノとは違う。
だから、神ナナでも感想を書くことはありませんでした。
そんな私が出会った映画「下妻物語」。
はっきしいって、今年観た映画でナンバー1ですよ。
ツボにハマッたとは、正にこういうこと。
未見の方にも是非お勧めしたいので、今回はネタバレ無しで、この映画をご紹介したいと思います。


先ほど、今年観た映画でナンバー1と書きましたが、きっとこれは、夜中で思考回路が麻痺して、更に期待もせずに見に行った為、予想を裏切る展開だったから、私の中で評価が高かったんだと思います。
でも良く考えてみれば、最近は「良い意味で裏切られた映画」って、なかなかありません。
ストーリーにしたって、どこかで観たことのある展開。絵が奇麗。
そういう安定感を狙った作品ばかりが映画界を賑わしており、「水で薄めたジュースのような味わい」です。
それに対して下妻物語は、「合成着色料が思いっきり混じった10円の粉末ジュースの粉を直接、喉に押し込めた」ような感覚です(笑)。
つまりね、「愛すべき偉大なるB級映画」なのです!

この映画はTBSが関わっている作品です。
しかし時期が悪かった。
ちょうど同時期に「世界の中心で、 愛をさけぶ」も公開された訳ですが、これもまたTBSの映画。
TBSは、世界の中心〜の宣伝、売り込みに必死になり、低予算B級映画と評価がくだされた下妻〜には、殆ど力を入れませんでした。
映画の興行収入は、宣伝費と比例する関係にあります。
当然ながら、世界の中心〜は大ヒット。
他の洋画を抑えて、かなりの健闘をしています。
一方、下妻〜と云いますと、主演の深田恭子さんが、劇中のロリータファッションに身を包み、笑っていいとも等のバエティ番組に出演して、みずから宣伝部長として活躍していました。
こうやって宣伝費用の無い映画は、地道な活動によって宣伝されたのでした。
テレビ等を観ている限り、同じく愛すべきB級映画である「キューティーハニー」より宣伝費が無いと思われます。

「それじゃあ、宣伝のされない下妻は駄目なのか?」と問われたら、そんな事はありません。
発信側が大宣伝をしなくても、もっと地道で、しかも効果抜群の方法があるじゃないですか。
それは「口コミ」です。
インターネットのおかげで、口コミの広がるスピードと範囲は、べき乗で加速しました。
ネットで口コミ効果の高いのは、掲示板だと思います。
一人一人の感想の分量は少なくとも、それがたくさん集まれば、立派な宣伝材料になります。
それだけ多くの観た人達の良い評判を聞けば、是非とも映画館へ足を運びたくなるのが人情。
あの「2ちゃんねる」にも、下妻〜のスレッドがあります。
大抵の映画は、どんなに良い作品だったとしても、宣伝費と製作費用が多ければ多いほど、アンチ(否定派)が増殖するものです。
逆にB級で、しかもツマラナイ作品だったら、誰も見向きもされない放置プレイ状態です。
その点、下妻〜のスレッドは、殆どアンチがいないのです。
みんな「面白かった」「また観に逝ってくる」などと、この映画に拍手喝采。
物凄く評判が良いのです。
あまり世間的には注目されていない映画が思いのほか面白いと「私がこの映画を発見した!」と、マイナー故に愛される傾向ってありますよね(音楽も然り)。
だから評判が良いのでしょうが、ここまでアンチが発生しない映画も珍しいですよ。
この口コミのおかげで、宣伝はされていなくても、じょじょに観客動員数を増やしていき、私の観にいった映画館では、8つ作品を公開している中で、何と売上が3位だったのです!
その映画館では館内に、下妻〜の劇中の写真とともに、実際に観た人の一口感想がたくさん貼られていました。
書き込むぐらいですから、面白かった、感動したのオンパレード。
しかし、実際に観た人の感想がこうもたくさん貼られていると、ネットの掲示板同様、物凄い宣伝効果となりますね。
評判が評判を呼び、なんと世界で公開されることになりました!

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女優深田恭子(21)の主演映画「下妻物語」(中島哲也監督)が世界公開されることが13日、分かった。
今年5月に開催されたカンヌ映画祭のマーケット試写会で見た各国の映画関係者から配給のオファーが殺到。
米国を含む7カ国で上映されることが確実となった。
現在までに6つの国際映画祭での上映も決定しており、今後も上映国は増える見込み。
深田にとって初めての欧米進出作品となる。
アイドルから本格女優に脱皮しつつある深田に朗報が届いた。
ロリータファッションに身を包んだ女子高生を演じた「下妻物語」が、米国、イタリア、スペイン、オランダ、中国、韓国、タイの映画配給会社から上映依頼が立て続けに届いた。
きっかけは今年5月にフランスで開催されたカンヌ映画祭だった。
世界各国の映画会社関係者が集まるマーケット試写会で、タイトルを「カミカゼ・ガールズ」とした英語字幕版を2日間にわたって上映。
カンヌでの上映会後に「楽しいストーリーと、ポップでインパクトのある映像が魅力的」「主演女優の存在感と個性に引きつけられた」などの高評価を得た。
この日までに7カ国での公開が確実となった。
さらに、カルロヴィヴァリ(チェコ)、ハンブルク(ドイツ)、トリノ(イタリア)、フランダース、ブリュッセル(ベルギー)、ハワイ(米国)などの国際映画祭での招待上映も決まった。
これらの映画祭での反響次第では、公開国も広がる可能性がある。
主演ドラマがアジア圏で放送されたことはあったが、欧米に主演作品が進出するのは初めてのこと。
日本では5月29日から公開中。
公開2カ月前まで40館規模の公開予定だったが作品評価が高く急きょ156館に拡大された。
座席数の少ないミニシアターを中心とした興行だが、配給する東宝は「興収10億円を目指します」と話している。

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やはり、実際に観にいった人の口コミは強いですね。
海外の公開決定だって、実際に観た人の評価が高かったからです。
久しぶりだなあ、口コミで広がっていった映画って。

次回は、主演の深田恭子さんを中心に書きたいと思います。

Posted by kanzaki at 2004年06月24日 19:00 | トラックバック (0)
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