2004年06月25日

映画・下妻物語【ネタバレ無し編 その2】

前回の続き。

今、深田恭子さんが熱い!
ここのところ、いろんなドラマや映画にひっばりダコです。
「下妻物語」「農家のヨメになりたい」そして来月より「南くんの恋人」がスタート!
下妻〜だけでなく、NHKの連ドラ「農家の〜」も非常にクオリティが高くて面白かったです。
そして、あの名作「南くんの〜」のリメイクに主演。
深田さんは作品に恵まれていますよね。
どの作品も、口コミで評判が広まった作品ばかり。
意図的な過剰宣伝がなくても、良い作品は評価されるものなんです。
深田さんは10代の頃から、アイドル・女優で活躍しています。
若い時からアイドルをやっていて、20代前半になっても主役を張っている女の子って、実は殆どいないんです。
普通は、容姿の劣化と共に人気も落ちて、あまりドラマ等に起用されなくなり、最後は「出来ちゃった結婚」で終了→離婚→細々と再開というお決まりのルートを辿ります。
しかし、深田さんは違った。
今の今まで、人気が下降したという記憶がありません。
同時期のアイドルというと広末涼子さんがいました(過去形かよ!)。
彼女はアイドルの王道をトップで突っ走っていました。
ドラマに主演しても、基本的に「広末ありき」のドラマなのです。
一方、深田さんは、主演・助演としてドラマに取り組む際は「作品ありき」だったのです。
この人は、「深田恭子」という色を出さず、作品や登場人物のイメージを自分なりに消化して演じているのです。
しかも、かなりの頑張り屋という評判が、業界から聞えてきます。
まずこの方は、現場で「疲れた」という言葉を一切云いません。
そして演じるだけでなく、監督と意見交換して、製作そのものにも関わっています。
昔から、「アイドル」というよりも「プロ」という方が相応しい人なのです。
下妻〜の主役である竜ヶ崎桃子は、女子高生だし、ヒラヒラ服のロリータですから、「松浦亜弥や小倉優子を使った方が、良かったんじゃない?」と云われるかもしれません。
でもね、私はここで反論したい訳ですよ。
確かに、見た目は合っているかもしれないけれど、「あやや・おぐゆうのファンしか観ない映画になってしまう」恐れがあります。
本当のアイドル映画になってしまう。
作品がどうのこうのでなく、そのアイドルが出ていれば良いという映画。
その点、深田さんは不思議なポジションの方でして、深田さんのファンは勿論ですが、それ以外の視聴者層も、変な色メガネなしで観てくれるんですよね。
その視聴者も幅広い。
「農家のヨメ〜」は、かなり年配の人も観ていますし、私が「下妻〜」を観に行った際も、若い子は勿論、おばさま世代まで観てました(しかも帰り際に”なかなか、面白かったわねえ”と同伴者に云ってました)。
深田さんの強みは、老若男女が抵抗感なしに作品を観てくれることですね。

この映画は、嶽本野ばら先生の小説が原作です。
テーマは、「乙女がいちばんハードボイルド」。
まさに、主役二人のロリータちゃん&ヤンキーちゃんは、この言葉そのとおりです。
テレビ・雑誌等だと、ロリータ服が目に焼きついて、「お馬鹿映画?」と思われるかもしれません。
実際、ボディブローのようなお笑いが続くのですが、ストーリー自体はとても硬派なんです。
そういう「良い意味の裏切り」があるから、口コミで好評価された訳ですね。
深田恭子さん演じる“ひらひらロリータ”竜ヶ崎桃子は、頭の中までメルヘン畑なのかというと、実は違うんです。
とても現実的で冷めた性格。
このロリータファッションを田園風景の続く下妻の中で、一環して貫き通す硬派なタイプなんです。
他人がどうとか、世間体がどうとか、そういうんじゃない。
人の目を気にして、周りに合わせて生きていく「一般人」とは格が違うのです。
そんな訳で、友達もいない桃子なのですが、全く気にせずに我が道を歩いています。
見た目と違って、彼女は甘くないのです。

桃子の祖母役で樹木希林さんが登場しています。
その劇中での素行は、観てからのお楽しみ。
おばあちゃんは、桃子の部屋で彼女を前にして云う台詞があります。
敢えてここでは書きません。
是非、将来に不安や焦りを感じている10代の人達に聞いてもらいたい台詞なんです。
最近、10代のショッキングな犯罪が世間を驚かせていますよね。
モノで豊かになった世の中だけれど、大事なことを忘れている時代。
みんな性格も特技も違う人間なのに、同じ箱に押し込まれていますよね。
その箱に押し込まれた当人は、悶々とした心を抱えて生きていかなければいけません。
「本当は、世の中は素晴らしい。そして、そこに生きているあなたは、もっと素晴らしい!」
そんなメッセージが、おばあちゃんの台詞から感じ取れました。
ここ数年で、一番心に響いた台詞でしたよ。
この祖母にして、この孫あり!
桃子という主人公は、極端なイメージで表現されたキャラクターですが、実はみんなが憧れる生き方・考え方を具現化したものなんです。
私は本当に、この作品を文部省推薦作品にしても良いと思っています。
それぐらい、迷走しきった現代人の生き方に対し、一つの提案を投げかける作品だと思っていますから。

ここで、深田恭子さんが関わっている最近の作品のWebサイトをご紹介します。


「下妻物語」
http://www.shimotsuma-movie.jp/index_main.html

「農家のヨメになりたい」
http://www.nhk.or.jp/drama/archives/nouka/

「南くんの恋人」←7/8から観るべし!
http://www.tv-asahi.co.jp/16/


次回は、もう一人の主人公 イチゴ(土屋アンナさん)について書きます。

Posted by kanzaki at 2004年06月25日 07:00 | トラックバック (0)
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