2004年06月26日

映画・下妻物語【ネタバレ無し編 その3】

前回の続き。


さてラストは、もう一人の主人公 白百合イチゴを演じた、土屋アンナさんをご紹介します。
私はこの映画を観るまで存在を知りませんでしたが、とても新人とは思えない体当たりの演技に感心しましたよ。
彼女は、モデル、バンド等でも活躍しているそうですし、最近は結婚・妊娠で芸能界を騒がせていますね。

そんな彼女のインタビュー記事が、雑誌「CUT」に掲載されていました。
その内容を掻い摘んで、「土屋アンナとは、どんな人物か?」を探っていきたいと思います。
ちなみに「CUT」と云う雑誌は、私が買ってきたのではなく、母親が自分の店から買ってきたものです。
その雑誌の今回の特集は「世界を変えたロックバンド50」。
うちの親は50になるっていうのに、老いてますますロックな人です(汗)。

今回、下妻物語への出演は、脚本が気に入ってオーディションに合格したからです。
ヤンキーという役に興味を持ち、中島哲也監督に会ったら面白かったというのもあったそうです。

イチゴという役は、もの凄く作り込まないといけないキャラクターなのですが、自分の性格を考えると、かえって役作りをしない方が良いと思ったそうです。
役作りをしてしまうと「作ったヤンキー」になってしまうから。
自然に役に慣れて、じょじょにヤンキーになっていくようにしたそうです。
現場でヤンキーの服装、メイク、言葉を使っているうちに、知らぬ間に自分がイチゴになっていたとか。

最初から彼女は、イチゴという女の子というものを理解していたみたい。
ガンガン行くし、ヤンキーの格好をするし、口は悪いけれど、中身は凄く繊細で弱い。
それは人間みんな一緒。
自分自身もパンクの格好をしたり、口が悪くても本当は凄く弱い。
その部分が似ているから、まんま自分のそういう所を出しても大丈夫と思ったそうです。

オーディションで、監督が彼女を決めた理由は、以下の質問に対しての回答らしい。

監督
「ヤンキーってどう思う?」

アンナ
「ヤンキーは、世間でヤンキーとされるけれど、別に普通の女の子。
凄いメイクして、凄い服を着ているけれど本当は普通の女の子。
だから、ロックと同じだよね」

私は映画館で、実際に彼女の演技を見ましたが、正にこの言葉どおりでしたよ。
おっかない表情とは対照的な、悲しい表情・泣きの表情が随所にあるのですが、正に普通の女の子でしたよ。

土屋アンナさんから見て、深田恭子さんにも、桃子っぽいところがありますか? と聞かれると、YESと回答。
テレビを観ていて深田さんが出ていると、声を作って「恭子、わかりません」とかわいこぶる所。
アンナさんから見ると、「もう、恭子ちゃん、まったく、かわいいなあ」と思うそうです。
そういう、かわいこぶるのは、全部素なんだそうです。
ああいいう性格らしい。
「イチゴと桃子」=「素のアンナと深田」のようです。

劇中の彼女達は、世間一般の女の子のように、同じ性格・服装・モノ・メイクでグループになるような子達ではありません。
自分の中で譲れないものが、はっきりとしています。
アンナさん自身も、劇中のイチゴと似たところがあります。
だから、自分の個性を大事にしてほしいと皆に伝えたいそうです。
別に一緒じゃなくても恐くないし、そんなの仲間はずれにする方が悪いと。

アンナさん自身が、絶対に譲れないものは何かと聞きますと、「自分のやること全部」だそうです。
自分の夢と幸せは、誰にも譲れないそうです。

女優業をやってみて思ったのは、日数をかけて作ったので、できたこと自体が嬉しいそうです。
雑誌の仕事は止まった瞬間を撮られるけれど、自分が動いているところ、喋っているところ、瞬きとか、全てが作品の中に入っていることが凄いと思うし、一生の宝物だそうです。

そんな訳で、雑誌を読む限り、出演者達は「作られた世界の作られた人物」を演じているのではなく、自分の中にあるものを外に出してみたという感じですね。
だから、嘘偽りが無い表現になったんだと思います。
きっと、女性が見ても楽しいと思えるんじゃないかなあ。
実際、映画館で観終わった後、男女問わずに全員が「この映画、面白かったよねえ」と口々に漏らしていましたし。
最近じゃ、見終わってみんなが楽しそうに話しながら映画館を去るという作品に、滅多にお会いできません。
この映画は、そういう映画本来の楽しさが含まれていたんじゃないかなあと思います。
今日あたりから、上演をしている映画館が少なくなってきています。
劇場で観なくても、ビデオやテレビ放送の時でいいから、是非とも観てほしいなあと思います。

Posted by kanzaki at 2004年06月26日 16:08 | トラックバック (0)
コメント

タイの会社が放映権を買ったみたいですね。
他国からもたくさん申し入れがあったとか。

理由はどうも"Kamikaze Girs"という英語タイトルにあるみたいですが・・・

こっちで上映されたら観てみようかなぁ。

Posted by: さるぞう at 2004年06月27日 16:58

スペル間違ってました。
Kamikaze Girl ですね。

Posted by: さるぞう at 2004年06月27日 16:59

さるぞうさん、こんにちは。

あまり日本っぽくない映像と、ぶっとんだ内容なので、かえって海外の方にウケが良いかもしれませんね。

ラストサムライの影響もあって、Kamikaze Girlのタイトルは成功かも。(根性座った二人が主人公ですし)

それにしても海外の人は、ジャスコの日本での微妙なポジションをどう捉えるのでしょうかね(笑)

Posted by: 神崎 at 2004年06月27日 17:43
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