2004年06月29日

脚本家・野沢尚さんが自殺

作家で人気脚本家の野沢尚(ひさし)さん(44)が28日午後2時半ごろ、東京都目黒区の事務所で、首を吊って死亡しているのが見つかった。
警視庁碑文谷署の調べによると、部屋の中には遺書らしきものが見つかっており、自殺とみて調べている。
野沢さんは平成19年以降にNHKで放送予定のスペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」の脚本を担当するなど仕事も順調だっただけに、突然の訃報に、関係者らは「なぜ?」と声をそろえ、芸能界に衝撃が走っている。

* * * * *

どうして作家さんて、死を急ぐのでしょうかね。
最近はそうでもありませんが、以前はこの方の書いたドラマ・映画をかなり観ていました。

<ドラマ>
「親愛なる者へ」
「素晴らしきかな人生」
「眠れる森」
「氷の世界」
「水曜日の情事」
「喪服のランデヴー」
「この愛に生きて」
「恋人よ」
「おいしい関係」
「青い鳥」
「リミット〜もしも我が子が」
「砦なき者」
など

<映画>
「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」
「破線のマリス」
「 集団左遷」
「ラストソング」
「赤と黒の熱情」
「課長 島耕作」
「ジェームス山の李蘭」
「殺人がいっぱい」
「さらば愛しのやくざ」
「その男、凶暴につき」
「ラッフルズホテル」
「STAY GOLD」
「マリリンに逢いたい」
「V・マドンナ大戦争」
など

観た覚えのある作品タイトルが幾つかあるかと思います。
更に「破線のマリス」で、第43回江戸川乱歩賞(1997年)を受賞しています。
そういえば、神ナナで、この作品のことを書いたことがありました。

マリスの除去(April 08, 2004)
http://kanzaki.sub.jp/archives/000231.html

この方の脚本執筆方法は独特でして、小説のプロットを組み上げてから、小説と並行しながら緻密に構築していきます。
作品に登場する人物像をリアルにする為、とても細かい各人の履歴書を書いたりしていました。
とにかく、作成に手間がかかるやり方。
完璧なものを追い求める性格が災いしたのかなあ。

小説とドラマが存在する「恋人よ(1995年)」は、視聴率的には振るわなかったものの、彼の作品の中で一番好きでした。
2組の夫婦間に巻き起こる恋愛物語。
主題歌に使われた「TO LVE YOU MORE」(セリーヌ・ディオンwithクライズラー&カンパニー)は、ドラマにぴったりの曲でした。
最後、鈴木保奈美さん演じる主人公が死んで、最愛の人を失った岸谷五郎が、彼女の意志通りに、その遺体の指を切り取って、思い出の島(ロケ地:沖縄)に埋めます。
そしてしばらくして、その場所には、とても奇麗な花が咲き乱れる・・・そんな感じのエンディングだったのですが、その色彩豊かな映像が今でも脳裏に残っています。
第1話は16mmフィルムで撮影されており、とても美しかったのに、「画面が見えずらい」などの理由から、次回より通常のビデオ画像になりました。
私の記憶では、初回の視聴率が振るわなかったのも理由だったような。
やはり、不倫という背徳感のせいもあるのかなあ。

私は以前、脚本家というものに憧れていて、野島伸司さん、野沢尚さん等のシナリオを読み漁ったりしていました。
このサイトで、コンサートやテレビのインタビュー等の模様を淡々とした文章で書いているのも、シナリオの影響があります。
まあ本当のシナリオは、柱・ト書き・台詞で構成されているんですけれどね。

遺書が残っているらしいので、いずれ自殺の理由も判明するでしょうが、日本のドラマ界にとっては、本当に惜しい才能を失ってしまったなあと落胆しています。

Posted by kanzaki at 2004年06月29日 12:30 | トラックバック (0)
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