●映画『エンドロールのつづき』公式サイト
https://movies.shochiku.co.jp/endroll/
監督・脚本:パン・ナリン
主演:バビン・ラバリ
【あらすじ】
インドのチャイ売りの少年が映画監督の夢へ向かって走り出す姿を、同国出身のパン・ナリン監督自身の実話をもとに描いたヒューマンドラマ。
インドの田舎町で暮らす9歳の少年サマイは、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。
厳格な父は映画を低劣なものと考えているが、信仰するカーリー女神の映画だけは特別だと言い、家族で映画を見に行くことに。
初めて経験する映画の世界にすっかり心を奪われたサマイは再び映画館に忍び込むが、チケット代を払えず追い出されてしまう。
それを見た映写技師ファザルは、料理上手なサマイの母が作る弁当と引き換えに映写室から映画を見せると提案。
サマイは映写窓から見る様々な映画に圧倒され、自分も映画を作りたいと思うようになる。
主人公サマイ役には、約3000人の中から選ばれた新人バビン・ラバリを抜てき。
2021年製作/112分/インド・フランス合作
アカデミー賞インド代表‼1/20公開『エンドロールのつづき』60秒予告【公式】
9歳の少年が映画に出会う瞬間…1.20(金)公開『エンドロールのつづき』本編映像解禁!
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【感想】
これは多くの人に勧められますよ。
少年が、「映画」という「光」と出会い、街を出て映画製作を目指す迄のお話し。
2010年ぐらいのインドを舞台にしていますが、感覚的には昭和の時代を連想するような古き良き時代。
この作品の映画監督の実話です。
映像表現とかは、もろにインドという感じではなく、日本映画かと思うぐらい抑えたテイストです。
登場人物たちの人柄の良さとかが温かく感じられ、ユーモアも交えつつ品が良いです。
だから、なぜか海外作品という感じがしません。
CGを使わず、自然光や色のついたガラス越しの風景などで、とてもアートな表現をしていました。
(難解なものではなく、少年の心を奇麗に表現しています)
人とモノとの立ち位置の構図が、とても美しいです。
本当に、これには感心しました。
なんでもない光景ばかりの作品なのに、とても美しいのですよ。
後半の工場内の産廃処理→リサイクル商品の制作現場すら美しい。
監督のセンスの良さを感じさせます。
これは、最近の邦画では失われた感性だと思うのです。
最近の邦画は、美しくないです。
それと、主人公のお母さんが作る料理の工程が、実に美しい。
本当にうまそう。
もう、この料理だけで作品が作れるんじゃないかと思うほどです。
主人公が映画に魅了されるのが、素直に伝わってきました。
そして仲間たちと一緒に、どうやって映画フィルムを自力で映写すればよいか、試行錯誤で自作していく姿を丁寧に描いていました。
(まあ、描かれている犯罪は、少年といえど良くないです・・・)
「映画」を「光」と書きましたが、常に主人公は光を追い求めていました。
未来を見つめる姿、とてもいいですよ。
インドの下級の人たちが成り上がるには、「英語が話せる」「田舎町から発つ」が必要なのだそうです。
(インドの階級とかはよく分かりませんが、主人公は田舎の貧しい暮らしです)
主人公をはじめ、登場する子供たちは貧しい生活だけれど、とてもエネルギーに満ち溢れています。
令和の日本とは正反対。
こういうの、観ていて気持ちがいい。
忘れていた自分の心の奥の何かが動きます。
原題は「Last Film Show」です。
劇中でも、フィルムで上映される形式から、デジタルで上映される形式への移り変わりを描いています。
フィルム時代の最後を描くお話しですが、邦題は「エンドロールのつづき」という未来へ続くような感じ。
少年の未来を応援するかのような素敵なタイトルですね。
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