2015年04月26日

古今亭菊之丞(ここんてい きくのじょう)さんの落語公演に行きました〜アート・ミックス・ジャパン2015

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【アート・ミックス・ジャパン】

古今亭菊之丞(ここんてい きくのじょう、1972年10月7日生)さんの落語公演へ行きました。
(菊之丞さんが新潟へ来県したのは、今年1月に続いて2回目)


●古今亭菊之丞さいと - nifty
http://homepage2.nifty.com/kikunojo/pc/



(【落語協会】古今亭菊之丞「強飯の女郎買い」)


4月25日・26日、新潟市内では、「アート・ミックス・ジャパン」が開催されました。
古今亭菊之丞さんの落語は、その公演の一つです。


「アート・ミックス・ジャパン」では、過去から受け継がれる歌舞伎や和楽器などの伝統芸術を様々な場所で公演します。
公演数は合計24公演。
1公演が約45分。
お値段もリーズナブル。
全公演解説付き。
時間が短いので、各公演をはしごすることも出来ますし、触れたことのない伝統芸術を初体験するのにも適しています。


●Art Mix Japan 2015 アート・ミックス・ジャパン
http://artmixjapan.com/

●アートミックスジャパン _ Facebook
https://ja-jp.facebook.com/artmixjapan


客席には大勢のお客様が座っていました。
着物を着た男性・女性が多いのも印象的でした(このイベントの特徴。着物の貸出もしている)。


ほぼ最前列・ど真ん中の席で鑑賞できたおかげで、古今亭菊之丞さんの話芸をフル堪能できましたよ。


本編前に、総合司会のセイン・カミュさんが、着物姿で登場。
古今亭菊之丞さんについての説明をしていました。
背が高いのに、顔が小さい!!



【古今亭菊之丞さんとは?】


古今亭菊之丞さんは、芸暦24周年。
2003年に真打ちになりました。
真打ちとは、寄席の最後に出る落語家のことです。


これまで、3度の国立演芸場花形演芸会金賞を受賞。
2013年、芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を受賞。


芸への高い評価の中でも、特に「女形の演じ分け」に定評があります。


今回の噺には、江戸時代の長屋に住む、複数の女性が登場します。
旦那の愚痴ばかり言う人、実は一癖ある人、様々。
座布団の上で、表情と仕草等で演じわけます。


男性なのに、しなっとした座り方と表情によって、本当に女性に見えます。
それも長屋の町民ですから、貧乏で生活臭のある、とても人間味のある人達ばかり。


そうかと思えば、老人、お奉行様、はたまた天狗にまでなってしまう。


テレビのコント番組は、人・時間・大道具・お金が必要ですが、同じようなことをたった一人、少ない小道具で表現してしまいます。
物語の中に引き込むその技量は、本当に素晴らしいです。


5月2日、NHKのドラマにも出演するそうですよ。


●土曜ドラマ「64(ロクヨン)」|NHKオンライン
http://www.nhk.or.jp/dodra/rokuyon/


ドラマは、相手の台詞が言い終わるまで待たなければいけないのが苦労したとの事。
噺家さんは、全部自分で次々と言ってしまいますからね。



今回、古今亭菊之丞さんの演目は2つ。
古典落語の演目「町内の若い衆」・「天狗裁き」でした。


落語には、本編に入る前におこなう「マクラ」というものがあります。
落語を聞きやすくするための重要な手法です。


今回は、青森の幼稚園児(保育園児?)達のところへ仕事で行った話しと、寒い北海道でのラジオ番組の公開収録時の話しでした。


子供は難しい言葉も分かりませんから、擬音や表情、扇子を使い、虫などを表現したそうです。


丈の短い着物の一種である、羽織(はおり)についても話していました。
噺の内容によって、途中で脱ぐのですが、別の用途もあります。


噺家さんがよく、「おあとがよろしいようで」と云いますよね。
次の人が準備できたようなので、私はこれにて失礼いたしますという意味などです。


たまに次の人が、交通渋滞などで会場に着かないことがあります。
つまり、「おあとがよろしくない」状態です。
そういう時、羽織を脱いで、舞台横に投げます。


次の噺家さんが到着する迄、小話をします。
到着したら、前座さん等が、その羽織を舞台から下げます。
このように到着した合図に使うのです。


私は、噺家さんの仕草で、この羽織をするりと噺の途中で脱ぐ仕草が好きです。
噺を折るようなこともなく、本当にするりと脱ぎます。
なんと、粋なこと。


ドラマ「ちりとてちん」が大好きでした。
あちらは、京都・大阪で発展してきた上方落語ですが・・・。
私は落語に関して、そんなに知識はありませんが、落語の世界は知識のありなし関係なく、楽しむことができます。
そういや、今回のアート・ミックス・ジャパンには、「ちりとてちん」にて徒然亭小草若(底抜けに○○やがな〜!の人)を演じた、茂山宗彦さんが、狂言の演目で出演されていましたよ。


落語はやはり、生の舞台がいいですね。
本当に噺に引き込まれ、観ている私達の表情も明るくなります。
今度の大型連休は、可能ならば東京に行って、落語を堪能したいと思いましたよ。


※※※


【今回の演目】


●町内の若い衆 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BA%E5%86%85%E3%81%AE%E8%8B%A5%E3%81%84%E8%A1%86

町内の若い衆(ちょうないのわかいしゅう)は、古典落語の演目の一つ。上方および、東京の一部の演者においては町内の若衆(ちょうないのわかしゅ、ちょうないのわかじゅ)という演題になる。
原典とみられるものは1690年(元禄3年)の笑話本『枝珊瑚珠』に収載された「人の情」。
大まかなストーリーは原話以来ほぼ不変とされ、これは落語の数多い演目の中できわめて珍しい。
主な演者に4代目柳家小せん、7代目立川談志、3代目柳家権太楼、6代目五街道雲助、柳家喜多八、古今亭菊之丞らがいる。

●天狗裁き - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%8B%97%E8%A3%81%E3%81%8D

『天狗裁き』(てんぐさばき)は、古典落語の演目。元々は上方落語の演目の一つである。長編落語『羽団扇』(演じ手は2代目三遊亭円歌など)の前半部分が独立して、一席の落語となった。現在の演出は、上方の3代目桂米朝が発掘・再構成し復活させたものによる。東京では5代目古今亭志ん生が得意とした。

Posted by kanzaki at 2015年04月26日 19:55