前回の続き。
本上「ご自身では、アニメと実写、どちらの監督の方が向いているなって思われますか?」
庵野「まあ、どっちかと云うと、どっちも向いていないと思うんですね」
武田「え?」
庵野「あんまり僕は、監督には向かないと思うんです」
武田君、苦笑。
本上「その向いていないと思うのは、庵野さんの中での監督像って云うのが何かあって、それにこう・・・近くないんじゃないかって?」
庵野「ええ。僕は責任感が薄いので、監督をやっているからようやく、人間として何とかなっている気がするんですよ。監督をやっていないと、凄く無責任になっていると思うんですよ。本来、向いていないのを何とか強制して監督をやれるようにしているという感じがします。"人との繋がりのツール"なので、僕にとっては」
本上「すべてのファンが、きっと気になっている事だと思うんですけれど、庵野さんは、またアニメーションを手がけないのかなって云うのは・・・」
庵野「週に60本とか、70本と云うのは、状況としては異常なんです。もの凄く無理をして、アニメを創っているところがあるんで、そういう状況では、ちょっと僕は創れないんですね。もう、スタッフが集まらないです。僕はテレビシリーズをやりたい。今、テレビシリーズをやるのは大変です。それだけの覚悟が、僕の今にはないですね。もうちょっと、アニメの状況が落ち着けば、アニメもやれると思うし、それとは別にやりたいものが出てくれば、アニメをまたやると思います。とにかく今は、実写の方が面白いんで、もうちょっとは実写を続けたいと思います。まあ、アニメが嫌になったわけじゃないんで、アニメもやりたいんですけれど、状況的なものも含めてですね、ちょっと今は厳しいなと・・・」
武田「いろんな面を見せてもらったような、全てはぐらかされたような感じでしたね」
みんな苦笑。
武田「特に、僕にはって感じですね」
庵野「そんなことないですよ」
武田「そっち(視聴者側)からは分からないですけれど、ずっと本上さんを見てましたからね」
会場の笑い。
庵野「どうしても美人を見ちゃいますよね(笑)。いや、楽しかったですよ」
武田「本当に? ありがとうございました」
本上さん、庵野さんもお辞儀します。
本上「本日のゲストは、映画監督の庵野秀明さんでした。どうもありがとうございました」
庵野「ありがとうございました」
客席からの拍手の中、三人は立ち上がります。
武田君は庵野さんと片手で握手をします。
次に本上さんとは、両手で握手。
再度、武田君と両手で握手した後、後方にある扉の奥へ消えていきました。
以上で、庵野さんのインタビューは終了です。
みなさん、いかがだったでしょうか?
私はこうやって、庵野監督のトークを長く聞いたのは初めてだったのですが、非常に楽しく聞くことができました。
「監督」と云うより、「文化人」と云う香りすら漂う感じでしたね。
何にせよ、監督業をしている以上、作品で観客に訴えていかなければいけない訳です。
今週の土曜日より、いよいよ「キューティーハニー」の公開です。
私は、監督の「心意気」を感じたいので、是非、見に行こうと思っています。
ちなみにですね、庵野さんは「しばらくは、アニメ監督をしない」と語っていましたが、実はやるんですよ。
それも、キューティーハニーのアニメ版を(正式には、総監督です)。
名づけて「Re:キューティーハニー」。
ネーミングのセンスが、なかなか良いですね。
こちらは全3話で、スカパーにて、7月24日より放映開始。
詳しくは下記の公式サイトにて。
「Re:キューティーハニー 公式サイト」
http://www.re-cutiehoney.com/
世間では、アニメの監督をした人で、作品だけでなく、監督本人が広く知れ渡っている人はそうそういません。
それだけ、その人独自のカラーがあり、みんなが知りたいと思わせるパワーがあるのでしょう。
とにもかくにも神ナナは、庵野秀明さんを応援しています。
追記:
後日、キューティーハニーを見てきました。
その時の感想を書きましたので、是非ご覧ください。
映画「キューティーハニー」の感想【1】(全2回連載)
http://kanzaki.sub.jp/archives/000293.html
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