神崎のナナメ読み

監督・宮崎駿さんの口癖〜「世の中の大事なことって、たいてい面倒くさいんだよ」

監督・宮崎駿さん。
現在は長編アニメーション映画『君たちはどう生きるか』の製作中ですよね。

昔、テレビのドキュメンタリーでこんなことを語っていました。

『世の中の大事なことって、たいてい面倒くさいんだよ』

四六時中、「面倒くさい」「面倒くさい」と漏らし続けます。

「面倒くさいっていう自分の気持ちとの戦いなんだよ。
何が面倒くさいって究極に面倒くさいよね。
『面倒くさかったらやめれば？』『うるせえな』って、そういうことになる。
世の中の大事なことってたいてい面倒くさいんだよ。
面倒くさくないところで生きていると、面倒くさいのはうらやましいなと思うんです」

一枚一枚原画を描いていくという、いつ終わるのか分からない作業が続きます。
ものすごい職人芸ですよね。

アニメは一方で、大勢の人が関わっています。
とても一人では完成しません。

細部に渡って職人芸が行き届く必要があるから、一人ですべてやりたいところだけれど、そうもいきません。
一人黙々と作りつつ、他の人の動きも管理も必要です。
たしかに、「面倒くさい」ですね。

※

自分の日々の仕事を振り返ってみると・・・・・・う〜ん、面倒くさい。

田舎のおっさん一人が、なんでこんなことをやっているのかと疑問に思ってしまうことがあります。
「面倒くさい」と独り言をいうことも、時たまだけではありません。

皆さんも「面倒くさい」ことを抱えているかと思いますが、きっとそれは「大事なこと」なのだと思います。

ここ最近、「面倒くさい」がじょじょに「怖い」になりつつあります。

ものすごくデリケートで、リスクありまくりな案件を同時並行で抱えると精神が追い詰められますよね。

※

美輪明宏さん曰く、「人間が老(ふ)けこまないようにするコツは、こだわらないということ」だそうです。

この「こだわらない」は、「面倒くさい」と真逆な感じですよね。

そう思う反面、「とても大事なこと」を遂行する際、自分を追い込まないようにするため、「こだわらない」のは大切なのかなあと思うのです。
そうしないと、いつまでも形にならず終わらないですものね。