2004年04月28日

東京交響楽団第26回新潟定期演奏会【3】

前回の続き
今まで、曲の解説を中心にお届けしましたが、最後は実際に私が行った感想を。

クラシックコンサートって、「やっぱり、正装して行かなければいけないのかなあ?」って思いますよね。
行った事の無い私でしたので、変な格好をしてはマズイと考え、スーツ姿で行きました。
まあこれならば、皆がどんな格好をしていようが、浮くことはないだろうと。

実際に行ってみましたら、皆さん、ラフな格好なんですね。
特に印象的だったのが、スニーカーを履いた人が多いことです。
スニーカーに合わせる服と云えば、だいたい想像がつくかと思います。
ある意味、中島美嘉さんのコンサートへ来ていた女の子達の方が、きっちりとした格好だったかなあと。

客層は、年配が多いですね。
私のおじいちゃん、おばあちゃん世代が大半。
やはり、若い人には縁の遠い世界なのかなあと思いました。

私が見ていた場所は、下記の図の赤色で示したところです。

左側の一番前です。
二階から見下ろす形になる訳ですが、ファジル・サイさんのピアノを弾く指の動きを最も細かく見ることが出来るベストポジションだったかと思います。

ファジル・サイさんは、自分がピアノを弾く番になる直前まで、頭を鍵盤に押し当てているかと思うぐらい、うなだれています。
そして、弾く瞬間になると、パッと背中を起こして弾き始めます。
その「動」と「静」の切り替えの速さが印象的でした。
この一瞬に、全ての力を込めているという、「職人」ではなく「芸術家」らしい仕草でした。
途中の曲では、左手をピアノの弦の部分というんですか? ピアノの中の弦がたくさん入っている中身に手を突っ込みながら、右手でピアノを弾いています。
この状態で弾きますと、普段聴くピアノの音色とは違い、まるで、ギターやベースみたいな音に変わりました。
「打撃系」で積極的な音色という印象でした。
前衛的な弾き方だなあと思いました。

東京交響楽団の皆さん(今回のメンバーの半分)とファジル・サイさんによるモーツァルト・ピアノ協奏曲が終わり、約20分の休憩。
観客は一斉に外へ出て行きました。
トイレへ行く人、コーヒーで喉を潤す人、様々です。
コンサートの途中でこんなにも長い休憩があるというのは、普段、ポップス系のコンサートへ行っている私には不思議な感じでしたね。

休憩が終わると、今度はマーラーの交響曲(最終校訂2002年版)です。
ファジルさんは出ません。
東京交響楽団の皆さんのみによる演奏です。
聴いていて思ったのは、CDで聴く音よりも柔らかい印象だなあと。
聴く前は、生演奏というのは、耳と心臓にガンガンと響いてくるものなのかと思っていました。
違うんですね。
むしろ居心地の良い音色。
中にはその気持ちよさに、居眠りしているお客さんも・・・。

飯森さんの指揮は、「指揮者」と云うよりも「演技者」という強烈な印象でした。
そのタクトを振る動きの一つ一つが、とても表現豊かなんです。
みんな意味のある動きなのでしょうが、私にはそれが、その音楽を身体で表現しているように思えました。
だから、「演技者」なんです。

あっという間の時間でしたね。
聴いている私は、とてもリラックスした状態でしたから。
緊張をして聴く必要なんてなく、むしろ、ポップス系のコンサート以上に気軽なんです。
だって、掛け声をしたり、ジャンプしたり、手を振ったりする必要がありませんから。
ポップス系コンサートは、そのコンサートの時間で、聴く側も全力を尽くしますよね。
クラシックのコンサートは、むしろ聴き終わってコンサート会場を出てから、「ちょっと美味しいものを食べに出かけようかなあ」と思える余力があるんです。
こういうのもまた、いいんじゃないかしら。

次回の定期演奏会は、7月24日です。
既にチケットは手元に届いています。
今度は、それなりの知識を頭に詰め込んでから出かけようかなあと思っています。

Posted by kanzaki at 2004年04月28日 07:00 | トラックバック (0)
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