2006年10月15日

10月スタートのテレビドラマの感想1:「僕の歩く道」

普段、テレビドラマを見ることがあまり無い私。
しかし、この秋スタートのドラマは気になるものが幾つかありまして、第一話を見ました。
その感想なんかを書いてみたいと思います。

1.僕の歩く道(第一話視聴率19.3%)

●「僕の歩く道」公式サイト
http://www.ktv.co.jp/bokumichi/

先天的な障害により、10歳児程度の知能までしか発達しなかった31歳の自閉症の青年・大竹輝明(草なぎ剛)が主人公のお話。
彼が勤める動物園を舞台に話しが進んでいきます。

障害者を扱った物語は過去にも沢山ありましたが、障害者の行動・仕草なんかを忠実に再現は出来ても、その人本人を描ききることがなかなか出来ない作品が多かったように思えます。

「僕の歩く道」の第一話でも、主人公・大竹輝明の描写を細かく描いたと云うよりは、自閉症患者の描写を細かく描いたと云う感じがしました。
そのせいか、まだ主人公そのものに愛着は持てませんでした。
まだ第一話ですから、主人公やその周りの人達の自己紹介をやっただけですので、第二話からいよいよ本番なのでしょう。

障害者を扱ったドラマと云うのは大抵、「障害者の心はピュアである」と云う感じに描きがちです。
そして、障害者そのものは最終回まで全く心の変化はありません。
変わらないことがピュアの証しですから。
その代わり、その主人公の周りにいる人達が、主人公を通してじょじょに心に変化が起きていきます。

第一話を見た限り、主人公以外の殆どの登場人物は何かしら問題を抱え、主人公に偏見の目がありますね。
第二話目以降、一人一人にスポットライトをあてていき、主人公の味方が一人ずつ増えていくと思います。

私は、そういう主人公の周りにいる人達の心の変化よりも、主人公の心の変化に期待をしています。
このドラマ、「障害者はピュアである」と云う大前提をそれなりに否定しているところがあります。
そしていくら知能が未発達とは云え、人様にいろいろと迷惑をかけています。
「大竹輝明」が主役なのであって、「障害者」が主人公であってほしくありません。
ですので、大竹輝明が少しずつ成長していく様が見られるのならば、最終回まで見たいと思います。

第二の主人公である幼馴染の松田都古を演じる香里奈さん。
ルックスが良すぎたせいで、こんなに演技が出来る人だとは思ってもいませんでした。
第一話は終始、主人公を非難する人達を感情を抑えて理論で説得。
しかして最後の最後で、主人公に感情をぶつけてしまう、この「溜め」が良かったですね。
不倫関係である河原を演じるのは葛山信吾さん。
仮面ライダークウガの一条刑事のイメージがあるので、どうも汚れたキャラには違和感を覚えるのですが、きっと話しが進むうちに、松田都古の考えが変わって不倫関係を解消するんでしょうね。
かなり自分を抑えた性格の人物・都古。
健常者ながらも、ある意味において精神的に病んでいるようにも思えました。
彼女が精神的に成長していく姿も、このドラマの重要な鍵になるのでしょうね。

主人公・大竹輝明は、ツールドフランスに物凄く興味あるようです。
障害者が主人公と云えども、健常者と同様に自我・いい意味での欲望・向上心がある事を描いてくれそうな要素の一つ。
「障害者はピュアである」だけで話しを進めない可能性を秘めていそうです。

それにしても、草なぎ剛さんと云う人は不思議な人ですよね。
正直、ルックスが良い訳でも、弁が立つわけでもない。
けれど、彼に与えられるドラマ・映画は良質なものが多い。
CMは、トヨタレンタカーをはじめ、イメージアップに繋がる良いCMを長期契約している。
歌ではSMAPとして、これまた良質な曲が多い。
不思議と彼の周りには、良質なものが集まってくるのです。
初の主演ドラマ「いいひと」のキャッチコピーに「最初で最後の主演」云々と書かれていたのが嘘のような活躍ぶりですね。
こういう、色んな良いものを引き寄せる力も才能の一つですよね。

Posted by kanzaki at 2006年10月15日 23:21