●君たちはまだ長いトンネルの中 〜こんなに危ない!?消費増税〜
https://www.kimiton.com/
・監督:なるせゆうせい
・原作:消費税増税反対botちゃん
・出演:加藤小夏
【あらすじ】
2019年に発売されネット上で話題を呼んだ漫画「こんなに危ない!? 消費増税」を原作に、日本の未来を問う高校生たちの姿を描いた青春映画。
高校3年生の高橋アサミは元財務省の父の影響で、政治に対して独自のイデオロギーを持っていた。
政治経済の授業では疑問に思ったことを教師に問いかけ、論破してしまう。
やがてアサミはクラスメイトの安倍や中谷と共に、自分たちの力で少しでも未来を明るくしようと、衰退しつつある商店街を盛り上げるべく立ち上がる。
新聞で商店街のお祭りについて取り上げてもらうため、地元の若手記者・荒畑の元を訪れたアサミは、その帰り道、元戦隊ヒーローとして活躍していたタレント議員の武藤と出会う。
「踊ってミタ」の加藤小夏が主演を務め、舞台「炎炎ノ消防隊」など漫画原作舞台を多く手がける脚本家・演出家のなるせゆうせいが監督・脚本を担当。
2022年製作/87分/G/日本
女子高生が日本を論破!映画『君たちはまだ長いトンネルの中』ロング予告
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【感想】
テンポが良いし、主演の子のルックス・活舌の良さも相まって、とても見やすいです。
若い人達が自分で考えて行動するというのは、やはり観ていて良いものです。
意外にも、恋愛パートは一切ありません。
主人公に振り回されていく同級生の男の子たちは、主人公が涼宮ハルヒ的な美少女だから手伝っている部分はあると思いますが。
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映像や話しの転がし方は、なんとなくNHKの単発ドラマっぽい。
しかし、内容が「消費税反対!」なので、絶対に放送できないでしょうね。
消費税をテーマにするのは、商業映画的にはなかなかデリケートな部分です。
語られている内容は、「そういう考えの人もいるよね」というスタンスで良いのかなと私は思います。
特定の政党・団体が教材として使いそうな雰囲気は、好みが分かれると思います(実際に使われているそうです)。
こういう考えもあるということを若い人に伝えたいであろう作品でしょうが、実際に映画館に観に来た人は年金受給世代ばかりでした。
(私が一番若かったんじゃないかなあ)
消費税についてはいろんな考えがありますが、一般の会社員ならば、現在は賛成・反対よりも、秋からの「インボイス制度」対応にリソースをふっていると思います。
この作品は2022年5月16日公開。
新潟はやっと1年近く経って、選挙前に公開。
その間に、元首相が殺されたり、異常な物価高になったりと、大きな動きがありました。
あの頃は、インボイス制度もそこまで報道されていなかったし。
だから、現在よりもちょっと前の日本を描いた感じはありましたね。
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この作品は誰もが「論破」というスタンス。
そこは個人的に嫌かな。
0:100。
自分の言っていることは正しい。
相手の言っていることは間違い。
そんなことは実際、世の中にはないですから。
主人公はあれだけ聡明で行動的ならば、もっと交渉術を上げるべきではないかと。
相手を論破したところで、相手は動きませんもの。
劇中、対立する相手は、実際に政治に関わる人だったり、学校関係者。
うまく交渉すれば、主人公の考えを実現できるかもしれないのに、ちょっと勿体ないよなあと思いました。
主人公の考えに賛同してくれる若手議員、若手記者。
彼らの立ち振る舞いは好感を持ちました(思想とかではなく、ドラマの登場人物として)。
やさぐれた部分があってもおかしくない立場なのに、とても好青年なんですよ。
主人公は政治を政治で変えようという感じ。
けれど、あれだけ弁が立つ美少女で、周りの人を動かす力があるのならば、起業家になればいいんじゃないかなあ。
商店街の衰退を政治の面だけで対応するより、ビジネスの面から対応した方が近道のような気もします。
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『仮面ライダー龍騎』にて、浅倉威 / 仮面ライダー王蛇を演じた萩野 崇さんが、与党議員として出演。
あの立ち振る舞いの怖さは、画面越しにでも感じるものがあります。
いいですねえ。
この映画の悪役部分を一手に引き受けているのですが、ちゃんと役をこなしています。
『ウルトラマンX』の主演・大空大地を演じた高橋健介さんは、若手新聞記者。
聡明で誠実な好青年が似合いますねえ。
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