2021年08月14日

映画『サマーフィルムにのって』の感想〜この映画を観ての大収穫は、伊藤万理華さんという女優さんを知ったこと

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伊藤万理華さん主演映画「サマーフィルムにのって」を観ました。


●映画『サマーフィルムにのって』公式サイト
https://phantom-film.com/summerfilm/



(8月6日(金)公開『サマーフィルムにのって』本予告)



(主題歌:Cody・Lee(李) - 異星人と熱帯夜(MusicVideo))


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●この映画を観ての大収穫は、伊藤万理華さんという女優さんを知ったことです。
今年の映画祭で、多くの賞をとるんじゃないかな。
大注目の女優さんです。


高畑充希さん(身長も同じ)、杉咲花さん、菅田将暉さんのような系統の俳優だと感じました。
その映画の作風に合わせて自分を変化できるタイプ「憑依系俳優」なのかなと。
そして、サブカル寄りな才能。
ダンスなど身体能力も高い。
こういうタイプは製作陣が、自分の映画作品で起用したくなるのですよね。
これから、どんどん多くの作品に登場すると思います。


気になったら、現在放送中のテレ東深夜グルメドラマ「お耳に合いましたら。」に主演していますのでご覧ください。


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●今回、伊藤万理華さんの役は高校生(伊藤さんは25歳ですが違和感なし)。
映画部に所属し、昔の時代劇が大好きなキャラ。
座頭市のような殺陣をするのも好き(物凄く動きがいい!!)。
猫背でがに股で歩くし、眉毛も整えない、あまり女子力は高くない。
決して、クラスの中心にいるような感じじゃありません。
けれど、大好きなもの以外は目に入らないキャラで、熱量が高いです。
キラキラ感より、ギラギラ感強めな女の子を見事に演じていました。
「他にこの役を演じられる人がいるか?」と考えたら、「伊藤万理華さん以外考えられない」と答えます。


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●この物語は、時代劇の自主映画を製作するお話し。


映画製作を決意

メンバーを集め(ほぼ拉致)

トラブルがありながらも製作を続け、みんな一致団結

ライバルの映画部との確執、共闘

文化祭で上映(途中でハプニング)


王道で綺麗な流れです。
ウォーターボーイズ、スイングガールズを彷彿とさせます。
やはり、学生・青春ものは、この王道パターンが一番しっくりきます。
観ている方もダレません。


映画製作というのは複数の過程があります。
画的には、撮影シーンが一番見栄えがあります。
役者が動きますから。
しかし、編集作業シーンは、映像的には見栄えがしにくいです。


この映画の場合、同じ部屋で主人公たち及び映画部の2チームが同時に編集作業をします。
同じ構図の中で、早送りで時間が進んでいきます。
たくさんの部員たちが、あれこれ勝手に動き回っており、それがどんどん早送りで進んでいく様が面白かったです。
特に映像の真ん中で、映画部の女の子と、主人公側の男の子が恋愛モードに発展していくのも飽きさせない工夫として成立しています。
センスのある編集シーンでしたよ。


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●モノクロ時代劇を撮影する主人公側と、ピンク色のラブラブ・リア充映画を撮影する映画部の対比が良いですね。
分かりやすい対比。
主人公たちのドマイナー感をくっきり映し出すのに役立っています。


どちらの映画撮影も、自分たちの好きなものに夢中になっている感じがいい。
大人から見たら、どちらもほほえましい。


映画部の女の子は、言ってみれば主人公の敵なのですが、嫌悪感がまったくありません。
むしろ主人公を折々でかまうし、最終的に一致協力しますし。


この映画の良いところは、悪い人が出てこないところです。
映画好きに悪いヤツはいないですからね!


そういや、大人が殆ど出てきません。
大人の斜に構えた目線も不要なんですね。


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●時代劇、SF、恋愛、いろんな要素がごった煮になって展開します。
普通ならストーリーが崩壊しそうなのですが、むしろ、まだまだ幾らでも吸収出来てしまうという勢いがあります。
青春学園モノは、そういう懐の深さがあります。
昔の漫画・アニメ「うる星やつら」等を思い出しました。


主要人物が女の子3人で映像モノというと、どうしても『映像研には手を出すな!』を連想してしまいます。
しかし、これだけいろんなモノを詰め込んで話しをまとめたのは大したものです。
比べる必要がありません。


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●今の時代、ネットとスマホのおかげで、なんだって出来てしまいます。
簡単便利。
それゆえ、わざわざ面倒な手間ひまを加えて、自らなにかを生み出そうという人は減ってきました。
動画だって、短時間モノがもてはやされています(この映画でも、その風潮に警告をしています)。


面倒なことが多いからこそ、思い切ってみんなで夢中になれるんだという事を伝えたかったのかなあ。
特に学生時代、映画に限らず、スポーツでも趣味でも、効率とか見栄えとか考えず、夢中になって欲しいということかな。
この映画作品は、まさにそういう姿を体現していました。


97分という短い時間に、無駄のない展開でつめこんだ夏の思い出。
久々に、「若い子たちにこそ、是非観て欲しい」と感じた作品でした。


--------(以下、ネタバレあり)--------


●文化祭上映中、主人公がラストシーンに不満を覚え、上映を突然中止します。
そして、自分が描きたいこと(自分の好きな人への思いを伝えたい)を自ら演じます。


監督に徹していた伊藤万理華さん演じる主人公が、自ら時代劇の殺陣を演じます。
その小さな体からは想像できない身体能力に驚きました。


最後の、シーンぶつ切りで終了もありだとは思うのですが、後日談が欲しかったなあ。
劇中でも登場する「時をかける少女」みたいに。
主人公も、好きになった未来人も、長編映画を作り続ける世界。
もちろん、明るい未来を感じさせるもので。


上映中、クライマックス部分で映像を止めて、その続きを体育館にて、その場で芝居を行います。
「これは映画じゃななくて舞台というんじゃ・・・」と突っ込みをしてしまったのは内緒です。


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●タイトルは夏でしたが、寒い時期にも撮影していたようですね。
コロナ禍で撮影が中止したり大変だったようです。
海の撮影合宿や文化祭のシーンが小雨だったのが残念。
本作のようなカラッとした青春モノのには「青空」が欲しいです。


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●伊藤万理華さんは、元・乃木坂46に所属していました。
卒業後、個展を開いたりしています。
母親はファッションデザイナー、父親はグラフィックデザイナー。
単に元アイドルというわけじゃないようですね。


現在、テレ東深夜グルメドラマ「お耳に合いましたら。」に主演しています。
自分の好きなチェーン店料理を「ポッドキャスト(ネットラジオみたいなもの)」で、熱く語るという内容です。
言葉だけで表現するという難しい役どころをこなしていますよ。


・【木ドラ24】お耳に合いましたら。
https://www.tv-tokyo.co.jp/omimi/


Posted by kanzaki at 2021年08月14日 19:06