2011年05月29日

中国でミリオンセラーになった日本の小説は、村上春樹「ノルウェーの森」、山岡荘八「徳川家康」だけです

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あの御方が取材で、「狐の嫁入り行列」のメイクをされていました。
何でも似合いますねえ。キツネ萌え。
早くテレビで観てみたいです。

このお祭りですが、今年は震災の影響から中止となりました。
下記は昨年、そのお祭りを見に行ってきた時の記事です。

●神崎のナナメ読み: 新潟県津川地区の祭り「狐の嫁入り行列」【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002079.html

●神崎のナナメ読み: 新潟県津川地区の祭り「狐の嫁入り行列」【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002080.html

●神崎のナナメ読み: 新潟県津川地区の祭り「狐の嫁入り行列」【3】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002081.html

●中国でヒットした小説・山岡荘八「徳川家康」

日本の小説が翻訳され、各国で読まれている時代。
とは言え、中国で百万部を越えるミリオンセラー小説なんて、そうそうあるものではありません。

明治大学・張 競 教授によりますと、中国でミリオンセラーになった日本の小説はたった2作品。
村上春樹先生の「ノルウェーの森」。
そして山岡荘八先生の「徳川家康」です。


●徳川家康 (山岡荘八) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E5%B7%9D%E5%AE%B6%E5%BA%B7_(%E5%B1%B1%E5%B2%A1%E8%8D%98%E5%85%AB)

『徳川家康』(とくがわいえやす)は1950年3月から1967年4月まで北海道新聞・東京新聞・中日新聞・西日本新聞に連載された山岡荘八の歴史小説。ソフトカバー版、講談社文庫版を経て現在は講談社の山岡荘八歴史文庫(いずれも全26巻)のロングセラーとなっている。 主人公の徳川家康の生母、於大の方の縁談から、家康逝去までの70余年が描かれている。完成のために使用した原稿用紙は17,400枚に上る。ギネスブックにおいては、ジュール・ロマン著「善意の人々」(1932年-1946年出版 全27巻)と並び、「世界最長の小説」として記録されている。

●Amazon.co.jp: 徳川家康(1) (山岡荘八歴史文庫): 山岡 荘八: 本
http://amazon.jp/dp/4061950231/

この「徳川家康」の場合、翻訳の工夫がヒットの要因だったそうです。

●中国でヒットした理由(1):中国の歴史小説の文体を採用した

中国には、姚雪垠(ようせつぎん)という現代作家がいます。
歴史小説が得意で、明王朝を滅ぼした反乱軍の首領を描いた「李自成(りじせい)」がヒットしました。
「徳川家康」の訳者・岳遠坤(がくえんこん)は、姚雪垠の小説を思わせるような文体を用いて、歴史小説の雰囲気を醸し出しています。


●中国でヒットした理由(2):意訳の手法を大胆に取り入れた

中国では、日本文学の翻訳は直訳が主流でした。
しかし、文法も発想も異なる国同士。
直訳では、文学表現とは思えない悪訳になることもあります。
長い間、日本文学が不評だったのはそのためです。

「徳川家康」は読みやすさを最優先して、同時に意味の伝達も疎かにしていません。
そういった努力のおかげで、翻訳とは思えない流暢な文章になっているそうです。
固有名詞の人・地名を伏せれば、中国の歴史小説と間違われるほどです。

中国では、日本の歴史は殆ど知られていないそうです。
司馬遼太郎先生の小説でさえ、人気が出ませんでした。
しかし、「徳川家康」の翻訳のお陰で、日本の歴史を面白く読めるようになりました。
今後、日本の歴史小説ブームが到来するかどうかは、翻訳の力によるのでしょう。

訳者・岳遠坤(がくえんこん)はこの三月、講談社主催の第18回野間文芸翻訳賞を受賞しています。
授賞式は8月、北京で行われる予定です。

私のように日本語以外の言葉を読み書きできない者にとっては、翻訳された本というのは大変ありがたいものです。
翻訳者は、非常に苦労されていることでしょう。
上記にもあるとおり、文章の構成も違えば、文化も違う。
現地では面白いと考えられる文章を直訳したところで、日本の人には楽しめない事もありますから。

翻訳されたものと原書、両方を読めると良いのですけれどねえ。
そうすることで、訳者の翻訳意図・努力が見えてよいのですが・・・やはり他国の言語を勉強しないといけないなあ。

神ナナはしばしば、新聞記事や書籍の紹介をしたりしています。
そこに書かれている事を伝える為、なんだかんだで工夫しているつもりです。
わかり易くするために構成や表現を変えたりしています。
そうすることで、自分自身の理解度を高めるメリットもあります。

Posted by kanzaki at 2011年05月29日 22:26