2009年11月30日

松坂大輔のDNA 「普通の男の子」はなぜ、メジャーリーガーに化けたのか?

NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」、よかったですねえ。
久しぶりにまともなドラマを見たような気がします。
当時の街並みや軍艦等を再現した映像も素晴らしかったのですが、それより何より、主人公達が未来へ向かって前向きな姿勢であることに好感を持ちました。
若い人達が、世界や夢の先へ羽ばたこうとしている姿は、見ていて実に清々しいです。

次回の予告を見ますと、野球好きの正岡子規が90分間、延々と野球について語っていそうな勢いです(汗


●子規と野球 - wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%B2%A1%E5%AD%90%E8%A6%8F#.E5.AD.90.E8.A6.8F.E3.81.A8.E9.87.8E.E7.90.83


さて、野球の事を書いたついでに、最近読んだ本をご紹介します。


●松坂大輔のDNA 「普通の男の子」はなぜ、メジャーリーガーに化けたのか? /著 ・林壮行
商品コード:31975255
JANコード:9784776204787


・松坂大輔 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%9D%82%E5%A4%A7%E8%BC%94

松坂 大輔(まつざか だいすけ、1980年9月13日 - )は、ボストン・レッドソックスに所属するプロ野球選手(投手)。背番号は18。


いまさら、この方について説明をする必要はありませんよね。
この本には、プロ入りするまでの成長過程も描かれていますが、彼をプロの道へ進ませるために周りの大人達が色々と画策した過程も赤裸々に描かれています(所謂、"大人の事情的"な事も書かれており、決してクリーンな内容だけではない)。

スカウトの人は、シニア時代の松坂について、「ニオイがしたんですよ」と語っています。


「松坂には光るものがあった。指導者が教えられない能力です。そういうものを持っている子がプロに進むんです。フィールディングの身のこなしとかグラブ使い。教わらなくても、大輔は体が反応した」


「オレたちが選手を育てた、なんてことはないんです。選手は、大輔に限らず、オレたちの前をたまたま通っただけ。本当に能力のある選手は、教えられなくてもできる。たとえば、雨が降っていれば傘をさす。雨にぬれないために、です。傘でなくたっていい。カッパでもコートでも構わないし、家にいてもいい。いちいち、何をどうしろ、と言わなくても自分で判断する。肝心なのは、雨にぬれないこと、大輔はそういうことがわかっていました」


やはり、プロになる子というのは、元々違うんですね。
スカウトの人の言葉を読んで、雑誌「PRESIDENT(「坂の上の雲」の著者「司馬遼太郎」特集)」に書かれていた、脳科学者・茂木健一郎さんの言葉を思い出しました。
茂木健一郎さんは、「なぜ上に立つ者は司馬さんに惚れるか」について脳科学の観点から解説していました。

最近の脳科学の研究で、「真の学習は、自らの身体を動かしてのみ習得される」という事が明らかになっているそうです。
つまり、人間は実務を通してしか学べないという事です。

実際に行動していくなかで当初の仮説を修正し、再び行動していく。
そのループが人生を作り上げ、さらには歴史を築いていくのです。

その観点から見れば、松坂さんは自分で野球について考え、自分で修正し、その繰り返しがいつしか、他人には真似の出来ない自分に最適な野球のスタイルというものを見つけるきっかけになったのではないでしょうか。
そういう行動を出来る子供が将来、プロの道へ進んでいくのかもしれません。

茂木健一郎さんは、「脳には取扱説明書がありません」と言っています。
どのように脳を鍛えたら、人生の正しい道を歩めるのか、解説書がありません。
ただひとつ確かな事は、脳は本来、「いかにして個人の才覚を発揮し、乱世を生き抜くか」に使われるべきであるという事。
自分の個性を探るのは、まるで宝探しのようなもの。
自分の頭にある脳という名の宝箱に何が詰まっているか、実は気づいていない人が殆どなのです。

プロ野球以前に、リトルリーグ、シニアリーグのような子供達の野球の世界であっても、他人から一歩も二歩も抜きん出ようと戦いがあります。
松坂さんは、周りの指導者の助言も勿論あったでしょうが、野球という世界で自分を輝かす為に、自然と脳が働いていたのではないでしょうかね。

Posted by kanzaki at 2009年11月30日 21:42