2010年12月18日

若者達が自分達で考えて、社会貢献してほしい〜ドキュメンタリー映画「マジでガチなボランティア」

地元の新聞にて、「街が元気になるには、若者、ばか者、よそ者の力が大切」と言う言葉が書かれていました。
マチナカ活性化の具体例を新潟県長岡市を例にとり紹介していました。

まずは「若者」。
大学生が、街の真ん中にある幅広い通りの一車線を水田のグリーンベルトにしようと提案しています。
田植えや稲刈りそのものを市民のお祭りにしてしまう。
そして、冬の田んぼはそのまま雪捨て場に使う。

次は「よそ者」。
よそ者と呼んでは失礼ですが、韓国出身のお母さん達が、大手通り周辺で相次いで店を開いています。
韓流グッズやキムチ等の食材が評判だとか。


長岡駅の前に、複合施設「アオーレ長岡」が建設中です。
ここには再来年1月、市役所が移ってきます。
この開業が市の盛り上げの目玉になるでしょうね。

●シティホールプラザ『アオーレ長岡』
http://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisei/kouseikaikan/syoukai.html

記者自身は、せめて「ばか者」になって、がんばっている人達を応援したいと〆ていました。


※※※


「若者」と言えば、こんなドキュメンタリー映画があります。

●ドキュメンタリー映画「マジでガチなボランティア」公式サイト
http://www.majigachi.jp/

ギャル・ギャル男が、カンボジアに小学校と病院を建てるという内容のドキュメンタリー映画です。
渋谷パルコでの上映は、昨日で終了しました。
地方は逐次上映されていくのでしょうかね。
(新潟でやるなら、是非とも「新潟・市民映画館 シネ・ウインド」で上映してほしい。そういう作品を歓迎してくれるところだから)

監督は里田 剛(さとだ・つよし)さん。
1970年生まれ。
テレビ東京「開運!なんでも鑑定団」等のディレクターを務めた後、フリージャーナリストとして活躍。
2006年に映像製作会社を設立。
今回の映画が初監督作品です。

以下、お話しの内容は、監督ご自身による文章を要約したものです。

2007年、監督は一人のギャル男に出会いました。
日焼けサロンで焼いた黒い肌、そしてメッシュの入ったロングヘアー。
この若者は、石松宏章(ひろあき)さん。
医大生です。
彼はカンボジアの無医村に、病院を建てようとしていました。

2004年、後の学生医療支援NGO「GRAPHIS」の元となるサークルを立ち上げ、カンボジアで小学校を建てた実績もありました。

見た目はギャル男、ナンパが得意でクラブ好き。
監督は、そんな彼が、なぜ海の向こうに住む人のために活動するのか知りたくなりました。
それが、この映画のスタートでした。
監督はこの映画にて、自分がなぜボランティアをするのか、彼らなりの答えを見出す姿を描きました。

石松さん達サークルのみんながカンボジアへ行く際、監督も同行しました。
そこには、学校へ行けない子、生まれながらにHIVに感染している子などがいました。
そして、彼らには親がいません。
そういった現実を受け止め、自分達に出来ることをやりました。

たとえば、クラブでチャリティーイベントを開き、そこで得た利益を全額寄付したりしました。
その派手な活動は反感をまねくこともあったし、イベントで得たお金でボランティアをする事の葛藤から退会する人もいました。
イベントで大赤字を出しこともあります。

活動は続き、2010年7月、ついに若者達の寄付金で建てられた「グラフィス診療所」が完成しました。
この間に、中心メンバーの石松さんは医大を卒業し、研修医として働き始めました。
「GRAPHIS」は後輩に引き継がれ、支援活動は続いています。
これまでの寄付金総額は1000万円になったそうです。

●里田監督インタビュー|ドキュメンタリー映画「マジでガチなボランティア」公式サイト
http://www.majigachi.jp/special/interview_satoda

今回の「マジでガチなボランティア」を見てほしい人は若者、特に大学生がいいんじゃないかな。
世の中を変えれる、社会にインパクトを与えれるのってやっぱり若者しかいないと思うんです。
彼らが世の中を変えたいかどうかはわからないですけど、いまの世の中ってどこの国にも問題があって、できれば良い方向に変えていきたいわけじゃないですか。
そのとき、それを担うのは若者だと思うんです。
だから若者のことを知りたいし若者ががんばっている姿っていうのはエンターテインメントになりうるわけです。
そういう意味で、この映画は頑張っている若者の姿を描くことで、「若者が、頑張ればどんなことが起こせるのか」とか「どんなことになるのか」というのを感じてほしい。って思っています。
あと、若者とコミュニケーションが断絶している大人達はそれぞれの自分の若い時のことを思い出したり、単純に若者に対して思い込んでいるものを考え直す手助けになったら映画として機能しているのかなと思っています。
楽しんでいただければ幸いです。

若者自身、「可能性は無限大だ。がんばれ」と抽象的に言われても、何をすれば良いのか分かりません。
そんな彼らに監督は、実践例を見てもらい、「俺にも出来るかも」「みんなで頑張り続ければ出来るかも」という「かも」を感じ取ってほしいのだと思います。

言葉の語尾に付く「かも」。
この肯定的な「かも」が脳の性質上、行動力を向上させるキーワードになっています。

●神崎のナナメ読み: 「かもの法則 ―脳を変える究極の理論」(著)西田 文郎【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002029.html
※5回に分けて書きました。

若者には厳しい社会状況です。
可能性を見いだせなくて、萎縮することもある。
そのせいか、それより上の元気な世代が「大人ガール」というキーワードでもてはやされたりもします。

●神崎のナナメ読み: 「大人ガール」とは?〜自立した女性の象徴
http://kanzaki.sub.jp/archives/002238.html

上記の記事でも書いたとおり、海外のセレブの間では「社会貢献」が注目されています。
自分達の為ではなく、自分達が社会に対して何ができるかという視点で考えてみるのも良いと思います。

今年一番売れた本「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」でも、その事を書いています。

●神崎のナナメ読み: 「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を読んだ感想【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002158.html
※2回に分けて書きました。

書籍「マネジメント」には、「組織は、社会の問題の解決に貢献する役割がある」とあります。
これについて、女子マネージャーである小説の主人公たちは考えました。
自分たちが取り組んできたマネジメントの方法を、野球部以外にも広げてみようという事になりました。
これにより、社会問題について貢献しようというのです。
他の部のマネジメントのコンサルトや、少年野球教室等を行うようになりました。
これが、部員達に満足感を与え、他の部活動のみんなが、野球部を応援・バックアップするきっかけにもなりました。

一つのキーワードを用いて、いろいろと模索してみるのがいい。
方向性が決まっていれば、大きくぶれることも無いし、「その事について自分が出来ることは何か?」と具体的に考えられますから。

土曜の夜。
ばか者のおっさんが、若者についてこんな事を考えてみました。

Posted by kanzaki at 2010年12月18日 20:14