2012年08月16日

映画「吉祥寺の朝日奈くん(桐山漣さん・星野真里さん出演)」の感想〜神崎の好きな映画紹介

今日は、私の好きな邦画を紹介します。
「吉祥寺の朝日奈くん」と言います。
6連休最後の今日、このDVDを観ていました。

【映画データ】

●吉祥寺の朝日奈くん オフィシャルサイト
http://kichijojiasahina.jp/


(映画『吉祥寺の朝日奈くん』予告編 - YouTube)

原作:中田永一
監督:加藤章一
出演者:桐山漣、星野真里
主題歌:斉藤和義「空に星が綺麗〜悲しい吉祥寺〜」
公開:2011年11月19日(91分)


舞台は、春の吉祥寺。

主人公の朝日奈くんは、役者の夢をあきらめ、バイト暮らしのナイーブな青年です。

喫茶店に勤める素敵な山田真奈さん(上から読んでも、下から読んでも、ヤマダマヤ)。
結婚もしているし、小さな女の子もいます。
朝日奈くんは、彼女目当てにいつも喫茶店へ通っています。

ある事を境に、二人は外で会うようになりました。
果たして、この恋の結末は?

【感想】

(1)恋愛+ミステリー感覚

爽やかな恋愛ストーリーに、ミステリー要素が含まれた内容です。
男女がくっついった、離れたの単純なものではありません。

後半の「そういう事だったのか・・・」と思わせる展開は、ミステリーそのものです。
そこに、誰しもが経験する青年期の淡い恋愛・夢が組み合わさっています。

この感じは、最新作「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督が制作した「時をかける少女」に近いかもしれません。

●時をかける少女
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/

主人公とヒロインの関係は「不倫」。
しかし決して、ドロドロとしたモノではありません。
実際、そういった肉体関係はないし。
観ていて不快感は全くありません。

(2)俳優・桐山漣さんがいい

主人公は、役者の夢やぶれ、今後の生き方に悩む青年です。
単なる奥手な草食系男子ではなく、挫折を味わったからこそ、一歩前へ出る勇気が出せない人物です。

そんな主人公を演じたのは桐山漣さん。
最近の若手役者で、一番好きな俳優さんです。

「仮面ライダーW」の主人公・左翔太郎、「花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011」の難波南役と言った方が分かりやすいでしょうか。
見た目はイマドキな感じですが、下積み経験がある方なので、安定した演技に定評があります。

今回のような役柄の桐山さんをはじめて観ましたが、見事に演じきっていました。
例えば、必ずカバンのベルトを握りしめ歩く様。
握る事で、自分の心を外部から守っている・抑えている感じがあらわれていました。
様々な部分で主人公のナイーブさを表現しようとしているのが、観ている方にもちゃんと伝わります。

なんとなく、若い頃の三上博史さんを思わせる演技をされます。
三上さんはエキセントリックな演技だけではなく、野島伸司さん脚本のドラマでは、ナイーブなキャラが多かったですよね。

ヒロイン役の星野真里さん。
観ている人達の心を穏やかにさせる魅力満載です。
男性ならば、この笑顔でノックダウンされる事まちがいなし。
「こんなに魅力的だったっけ?」と驚かされました。

以前は少し、不思議ちゃんなところがありましたが、結婚されたせいでしょうか、落ち着きのある母性みたいなものがにじみ出ていました。

(3)自然だから最後にインパクトがある

二人共、作品の中で抑えた演技をしています。
極端に荒げた言葉も、行動もしません。
舞台となる吉祥寺に、本当に住んでいる人物かのようです。
吉祥寺そのものも、映画だからと脚色されていない素の雰囲気が、そのままあらわれています。
まるで、現実の友人の身に起きた出来事を観ているかのようです。

ものすごく自然な感じだからこそ、後半に起こる「そういう事だったのか・・・」にインパクトがあります。
ミステリー小説の犯人が分かった時の感覚です。

91分という、映画としては短いお話しです。
短いからこそ、各シーンに無駄を入れず、最後まで飽きさせません。

しかしもし、10分ぐらい追加してもらえるならば、二つだけ掘り下げてほしいです。
「ヒロインの娘と主人公が仲良くなるシーン」
「前半の随所で使われた"血"を後半のストーリーにて、意味ある内容で組み込んでほしい」

主人公たちの若い世代より、30代〜40代の人達の方が、この映画を好きになってくれると思います。
人が一歩前進する瞬間というものを映画で再び味わってほしいです。

以上、珍しくネタバレ無しで書いてみました。

桐山漣さんは「仮面ライダーW」にて、ハードボイルドにあこがれる探偵役。
しかしいつも詰めが甘く、ハーフボイルド(半熟)な主人公をうまく演じていました。


(仮面ライダーW ガイアメモリ大図鑑-HD - YouTube)

Posted by kanzaki at 2012年08月16日 23:00