2004年09月24日

劇場版「仮面ライダー剣(ブレイド) - Missing Ace -」の感想【3】

前回の続きです。

前回の記事:劇場版「仮面ライダー剣(ブレイド) - Missing Ace -」の感想【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/000395.html

特撮はやはり、「キメ台詞」が醍醐味の一つではないでしょうか。
アルビノジョーカーが融合したラスボス「14」が空を舞っています。
それを見上げている剣崎、橘、睦月。
剣崎の「戦うんだ、俺たちの力で!俺たちと始の力で!」の台詞は燃えました。
何でその場に、始がいないかと云うと、ちゃんと理由があります。
ラスボス「14」の強大な力を弱めさせるためには、古代のレリーフに納められたバニティのカード(天音が入っている)を消滅しないといけません。
けれど、カードに封印された天音を殺すわけにはいかない。
そこで始が剣崎に、お前が代わりにカードに生贄として入れ!と云います。
私はそれを聞いて、「厳しい、キッツイよなあ・・・。剣崎の性格からして、始を犠牲にはしないだろうしなあ」と思いましたよ。
やはり、主人公。
予想通り、自分が生贄になろうと、レリーフの前に立ちます。
すると、レリーフに埋められたカードから、畳(ブレイド達が変身する時に出てくる奴)が現われて、剣崎を吸収しようとします。
そこですかさず、始が剣崎を突き飛ばして、自分がカードに吸収されました。
その代わり、天音がカードから出てきて、その場で気絶。
そして、バニティのカードの中から始が、このカードを破壊しろと云います。
ラスボス「14」は、レリーフに納められたバニティのカードを通して古代の力を絶えず受けつづけてるから、それを破壊すれば14は弱体化するのです。
当然、戦友を見殺しにできない剣崎。
そこで始が、「人を守るのがお前の仕事なんだろ!」と説得する所に、グッと熱いものを感じました。
アンデッドの始が、人間らしい言葉を云ったのですから。
そして剣崎は、決心してブレイドに変身。
手にしたブレイラウザーの剣先をカードへ突きつけます。
その際、ブレイドの変身は解かれ、剣崎の姿でブレイラウザーを突きつけていました。
そしてカードは消滅。
生身の姿でブレイラウザーを持っている姿は、初めてじゃないでしょうか。
かえって剣崎の感情が、その生身の姿と表情から感じ取られて、非常に良い映像となっていました。

非常に良い場面なのですが、ちょっと疑問もありました。
確か、古代の大いなる力(ラスボスの”14”)を得る為には、封印を解いた者(天音のお父さん)を生け贄に捧げなければならないのですが、既に死亡しています。
代わりに、同じ血縁関係にある天音が生贄になるのは、まあ分かりますが、それがいつしか他人である剣崎でも良くなり、最後には、人間では無いアンデッドの始でも良いとなったのが疑問でした。
最初に天音によって力が発動さえ出来れば、その後は誰でも良いという事なのかな?
アンデッドである始がカードに吸収されたのは、既に始の身体の中に、人間の心が育っていたからなのかな?
そう解釈することにしましょう。
そんな細かいことはどうでも良く、「カード」と「封印」という、ブレイドの世界設定を使い、こんな素晴らしいシーンを思いついた脚本の井上先生はすごい。

そしてそのまま、冒頭に書きました剣崎の「戦うんだ、俺たちの力で!俺たちと始の力で!」の台詞へ続くわけです。
三人が変身して、14へ向かって空を駆け巡って戦うけれど、あっけなくやられて地面に戻ります。
そして息をつぐ暇無く、金色に輝く13枚のカードが帯状にブレイドの身体の周りを回ります。
聖闘士星矢のゴールドクロスのごとく、その13枚のカードが、ブレイドの各部分に装着され、装甲と化し、ブレイドkフォームへパワーアップ。
空を飛び、5枚のカードによるコンボ(10、J、Q、K、A・・・5枚によるロイヤルストレートフラッシュ)を巨大なキングラウザーに連続挿入。
今までのブレイラウザーは、手動でカードをスラッシュしないといけないけれど、キングラウザーはオートでカードを吸収してくれます。
5枚のカードを機械音が喋る際、かなりの早口でした。
そして、14へ向かって突進して、その巨大な身体を上から下へ一刀両断!
勝利。
kフォームになってからやっつけるまで、早い、早い。
だから、あんまり活躍が見られなかったけれど、とにかくインパクトはありました。
テレビ版では、Jフォームですら最強なのに、Kフォームまで登場したら、誰一人としてブレイドに適うモノはいませんね。
9月26日放送のテレビ版にて、Kフォームが登場するようですが、果たして劇場版並の破壊力が拝めるでしょうか?

新世代ライダー達ですが、志村=アルビノジョーカーは、ハマリ役でしたよ。
特に、トンネルの天井にゴキブリのようにはいつくばった姿は、凄かった。
その際、志村が「全員集合ってわけか」と台詞を吐くのですが、これってひょっとして、志村→ドリフターズ→代表作「8時だよ! 全員集合!」という、井上先生のギャグですか?
後の二人は、割りと早めに死んじゃいましたね。
しかも、ライダーとして戦って死んだのではなく、人間の姿で雨の中、まるで火曜サスペンス劇場のような死に方でした。
あんまり性格の良い感じじゃなかったし、むごい死に方で、これはこれで良かったのかな?
一応この二人、アンデッド達から剣崎と天音を逃がすため、敵を倒して道を確保したり、正義の味方らしいこともしてはいたのですけれどね。
あっさりと死亡したのは、あんまり新世代ライダーに時間を割けないのも理由かも。
確か本編は72分でして、過去の劇場版ライダーより10分ぐらい短いですからね。
けれど逆に、その短い時間に色々と詰め込み、テンポを早くし、戦闘もスピーディな集団戦にして、あっという間の時間でした。

それと、前作である龍騎や555の劇場版って、ある意味、バッドエンドじゃないですか。
それに比べて今回は、戦いがちゃんと完結し、天音の誕生日パーティーで、いつもの馬鹿騒ぎで終わらしているのがいいですよね。
ちゃんとハッピーエンド。
その場に始はいないけれど、ちゃんとそれをフォローする感動的な場面も最後に用意していましたね。
始の幻を窓の外に見て、建物の外へ飛び出すとと、天音は10歳の頃の姿になり、幻の始へ駆け寄る。
その直後、14歳になった天音は、庭にある古い扇風機(?)の前で落ち込んでいる。
どうやら、それを始と思ったらしい。
すると後ろの方から、慰めてくれる優しい皆の姿。
剣崎達は、非常に良いことを喋っているのですが、アフロ、半ズボン(名探偵コナンみたい)、寅さん等のへんてこりんなコスプレ。
そういう、お馬鹿なところを残しているのが、ブレイドらしくて好き。
誕生パーティーのシーンを流しながら、スタッフスクロール。
曲は、テレビの新OP曲「ELEMENTS」。
特に、劇場版アレンジとかではないような気がします。
相川七瀬の旧OPは黒歴史として、一度もかからずに終了。
誕生パーティーの馬鹿騒ぎは、素でやっているんじゃないでしうか?
ケーキに顔を押し込んだり、みんな楽しそう。

プレイドは、ちゃんとハッピーエンドな映画で非常に良かったです。
ビデオになると前例からして、ディレクターズカット版で未公開シーンを追加してくれることでしょう。
こちらも楽しみですね。
めちゃくちゃネタバレな文章で、見た人にしか分からないような文章を書いてしまいましたが、とにかく面白かったんだという事が伝われば幸いです。

Posted by kanzaki at 2004年09月24日 18:00 | トラックバック (0)
コメント

そういや再生怪人として、過去に出てきたアンデッドが数多く登場していますが、その中に嶋さんのアンデッド体もいましたよ。
テレビではあんなに良い人なのに、ただの怪物となって暴れていました。
アルビノジョーカーに操られていたからなのかな??

仮面ライダーのお約束どおり、再生怪人達は皆、弱かったです(w)

Posted by: 神崎 at 2004年09月24日 19:05

>空を飛び、5枚のカードによるコンボ(10、J、Q、K、A・・・5枚によるロイヤルストレートフラッシュ)を巨大なキングラウザーに連続挿入。

・・・9/26放送のテレビ版では、「スペード10、スペードジャック、スペードクイーン、スペードキング、スペードエース」とゆっくりと発声していましたね。
映画は早口だったので、何を云っているか分かりずらかったのですが、テレビ版は逆に技を発動するまでに敵にやられてしまいそうですね。

Posted by: 神崎 at 2004年09月27日 15:37
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