2004年08月26日

ユースケ映画初主演…「交渉人 真下正義」製作発表

映画「踊る大捜査線」シリーズでユースケ・サンタマリア(33)が演じる人気キャラを主人公にした新作の製作が決まり25日、東京・台場で開催中のお台場映画王で発表された。
タイトルは劇中の役名がついた「交渉人 真下正義」(来年5月公開)。
会見に臨んだユースケは「モンスター映画に傷がつかないように。
だからといって、遠慮せずにぶつかっていきたい」と真剣な表情を見せた。
シリーズの本広克行監督(39)がメガホンをとる。

「踊る」のキャラといえば、主人公の青島刑事(織田裕二)や恩田すみれ(深津絵里)、柏木雪乃(水野美紀)、スリーアミーゴス(北村総一朗、小野武彦、斉藤暁)など強烈な個性を持つ面々。
これらのライバルを抑え、ユースケが“一本立ち”の大金星だ。

製作にあたるフジテレビの亀山千広プロデューサーは「役者さんが皆忙しくて…一番、そのぉ…スケジュールが空いていたのがユースケだった」と冗談交じりに抜擢理由を説明。
映画ではこれが自身にとって初主演となり、真下の衣装を着てやる気満々で登場したユースケは、同氏の発言に「そんな理由だったの?」とズッコケた。

物語は前作「踊る2」の事件解決から1年後、東京の地下鉄の最新鋭の1両が何者かに乗っ取られ迷走を始める。
乗降客600万人の命が危険にさらされる中、犯人が交渉の窓口として指名してきたのが、ユースケ扮する警視庁初の交渉人(ネゴシエイター)の真下警視だった、という筋立てだ。
脚本は、テレビドラマを含めシリーズ全てを手がけた君塚良一さんの監修のもと、新鋭の十川誠志さんが手がける。

いつも強気のユースケだが、さすがに一枚看板には不安があるのか、「大丈夫かな〜。“踊る”はモンスター映画だから傷がついたとか言われたらなぁ…。一番怖いのが共演者。とくに織田(裕二)さん」とおっかなびっくりの顔を見せ、本筋の主演の顔色を気にする発言も。
だが、そこはユースケ。
すぐに気をとり直し「だからといって遠慮するのはやめよう。監督とプロデューサーにぶつかって、ぶつかっていきたい」と意気込んだ。

注目の共演陣は「他のキャストの方をここで発表するとユースケの名前がかすむんで(笑)」と亀山氏。現在、調整中という。10月にクランクインし12月撮了予定。

★織田からも祝電
会見は「お台場映画王」のイベントのひとつで、亀山氏と本広監督のトークショー「踊るインスパイア講座」の終演後、約200人の熱狂的な「踊る」ファンが見守る中で行われた。
先月、入籍が明らかになったユースケに「ユースケ、裕利恵さん、結婚おめでとう」の手製の横断幕を掲げるファンもおり、ユースケの単独主演とあわせて拍手喝采で祝った。
ユースケによると、織田からも祝福の電話があったという。

★ハリウッド流
「踊る」から「交渉人―」が誕生したようなケースは、ハリウッドでは珍しくない。
ハリソン・フォード主演の「逃亡者」(93年)からトミー・リー・ジョーンズ主演の「追跡者」(98年)、「バットマン」シリーズからはハル・ベリー主演の「キャットウーマン」(04年)、「ハムナプトラ」シリーズからザ・ロック主演の「スコーピオン・キング」(02年)が派生している。

* * * * *

「踊る大捜査線」シリーズの派生作品が劇場化ですか。
サブキャラクターを描くならば最初は、2時間テレビドラマとかでやって欲しかったけれど、それ以上の規模で作成されるのならば期待したいところ。
今後も何本か、サブキャラクターが主役のものをやっていくようですよ。

「踊る」の派生作品と云えば、「踊る大捜査線 番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル」を思い出しますね。
これは湾岸署の新米婦人警官(内田有紀さん)が主人公のお話し。
脚本は別の人が書いています。
「踊る」の細かい設定・登場人物が、随所に散りばめられているだけでも面白かったのですが、新米婦警と先輩婦警との友情にも似た最後のカーチェイスは、なかなか見ごたえがありました。

ネゴシエイターは、知的でクールな職業のイメージがありますよね。
アクションのような見た目の派手さではなく、相手との駆け引きで視聴者を引き込みます。
今回の映画では、どんな感じに料理されるのでしょうかね。
私としては、大ヒットした外国ドラマ「24」みたいに、仮に上映時間が2時間30分だったら、劇中もリアルタイムで2時間30分進むストーリーだと面白いかなあと。
主役と犯人の心理状況が刻一刻と表現されるの。
邦画興業収入を塗り替えた「踊る大捜査線2」は、レインボーブリッジという大きな舞台を使う事に固執し過ぎて、ストーリーに矛盾が多々ありました(それでも面白かったのですけれどね)。
今回は、矛盾した脚本にならずに骨太な作風であれば、ひょっとしたら、大化けするかもしれません。
少なくとも、踊るの大ファンの人は、気になる作品ですもの。
本編もさることながら、「踊る2」の後のお話しなので、魅力的な登場人物達のその後みたいなものも映されるかもと思うと、やはり楽しみです。
けれど、その後のお話しではなく、「踊る2」でちょっとだけ語られた「潜水艦事件」をやって欲しいとも思ったり。

フジテレビと広告会社がタッグを組んで宣伝すると、映画通な人には、何か嫌悪感みたいなものを覚えるかもしれません。
「踊る2」の時も凄かったですものね。
日本映画は、マイナーだけれど良い作品というものは、たくさんあります。
けれど、やはりそれだけでは駄目だと思う。
「儲けられる映画」も無いと。
そうしないと作り手の自己満足だけになり、そのうち邦画は衰退してしまいます。
ブームを作れるパワーのある作品、しかも日本の土壌に向いた作風の「踊る」の遺伝子を受け継いだ作品は、期待したいと思います。

脚本家の十川誠志 (トガワセイシ)さんは、アニメ作品の脚本をやっている人です。
例えば、「逮捕しちゃうぞ the MOVIE(1999)」・・・これも刑事ものですね。
それと、「テニスの王子様」、「戦闘妖精雪風」「HUNTER×HUNTER」「東京ミュウミュウ」など。
起用されるきっかけは、アニメ「こち亀」の脚本を書いて気に入られたからとか。
評判の良い人だとは云われていません。正直。
私のイメージとしては、原作になる漫画をそのままアニメで表現してしまい、別のメディアで表現する意味を失っていると云うか・・・いやいや、まだ分かりません。期待してみましょう。
私としては、平成の仮面ライダーシリーズの脚本家 井上敏樹さんにやってもらうと面白いのですが。
この方は、本編の重要な流れを任せてしまうと、ストーリーが崩壊しかねない、未消化にしてしまう恐れがありますが、1話〜数話完結モノをやせると、物凄く面白い。
また、ほんの数秒で、その登場人物のキャラ・個性を表現させるのも得意です。
仮面ライダーで、しょうもないギャグを頻繁にやらかしたり、やけに食事のシーンが多かったり、ライダーのパワーアップアイテムは宅急便で送られるか、天井から落ちてきたり・・・・・・いかんいかん、グチになってしまった。

「踊る」は、「機動警察パトレイバー」という近未来警察ロボットアニメの実写版のイメージがありますよね。

「劇場版 機動警察パトレイバー3 WX III * PATLABOR THE MOVIE3」公式サイト
http://www.bandaivisual.co.jp/patlabor/

パトレイバーは、ハイパーテクノロジーの急速な発展と共に誕生した多足歩行型作業機械「レイバー(Labor)」による「レイバー犯罪(交通事故〜テロまで)」に、警視庁が警備部内に特殊車両二課を創設して対抗・・・通称「特車二課」パトロールレイバー中隊(パトレイバー)のお話しです。
若いパトレイバー隊員たちが葛藤しながら成長する青春群像であるほか、産業ドラマ(レイバー開発史、東京湾に巨大防波堤を建設する「バビロンプロジェクト」など)であり、陰謀ドラマでもあり高密度なストーリーです。
密度の高さは、「踊る」に通じます。
特車二課の棟屋は陸の孤島と云ってよい埋立地に建てられており、そこに小隊の隊員たち及び整備の人間が勤務しています・・・最初の頃の「踊る」のイメージですね。
更に個性的で庶民的な濃いキャラのオンパレード。
複雑な専門用語の連続でマニアックさも豊か。
劇場版パトレイバーの一作目では、コンピュータのOSを使った犯罪でインパクトがありました。
OVA、劇場版1&2、テレビ版は、映画「イノセンス」の監督 押井守さんです。
この方の作風は、世界を相手に出来ますよね。

「踊る」は更にそこに、「新世紀エヴァンゲリオン」のエッセンスを加えた感じ(黒背景に白文字を使用、警察の上層部がゼーレみたいに円卓を囲んでいたり、意味深な台詞、綾波というキャラ登場など)。
「交渉人 真下正義」も、そういう作風は受け継いで欲しいです。

アニメで交渉人と云いますと、「勇午 〜交渉人〜」を思い浮かべる人もいるかもしれません。

勇午 オフィシャルホームページ
http://www.yu-go.jp/

なかなか評判が良い作品です。
エロい拷問のシーンが楽しみで観た人も多いかと・・・。

アニメの交渉人で忘れてはいけないのは、「THEビッグオー」でしょう。

THEビッグオー
http://www.b-ch.com/contents/big_o/

『ビッグオー』の舞台となるパラダイムシティは、40年以上前のメモリー(記憶)がすべて失われた街。
主人公のロジャー・スミスは、日々発生するさまざまなトラブルを解決するプロのネゴシエイター(交渉人)。
彼の仕事は卓越した交渉術で、依頼人の有利な形で事件を解決すること。
だが、すべての交渉相手と取引が成立するとは限らない。
そんなときには巨大ロボット「ビッグオー」で解決!
このアニメは、本当にお勧め。
昔の海外ドラマの気品が漂っています。
特に前半のファーストシーズンは、一話完結で秀作が多いです。
第6話「A Legacy ofAmadeus」がお気に入りです。
海外での方が評価が高い、珍しい作品です(おかげで、頓挫していたセカンドシーズンが作られました)。

「交渉人 真下正義」と関係無いお話しばかりしてしまいました。
ユースケさんは、この役柄では、情けないキャラでしたよね。
そういう、情けないんだけれど、何とか事件を解決していくスタイルならば、本編の主役 青島刑事と差別化されて良いかもしれません。

ユースケさんは、体調不良とか心配な面もありますが、結婚したばかりですし、是非ともご本人の代表作になるように期待しています。

Posted by kanzaki at 2004年08月26日 12:49 | トラックバック (0)
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