2004年04月09日

なかにし礼さん【1】

8日の「笑っていいとも」のゲストは、前日の桃井かおりさんからのご紹介で、なかにし礼さんでした。
16年ぶりのご登場です。
簡単にプロフィールをご紹介いたします。

1938年9月2日、中国・牡丹江市生。
1964年「知りたくないの」のヒットを機に作詞家になる。
その後、ヒットメーカーとして「北酒場」など数多くの作詞を創る。
2000年には直木賞を受賞。

ホームページもお持ちですので、どうぞご覧になってくださいね。
「なかにし礼 オフィシャルサイト」
http://www.nakanishi-rei.com/

なかにしさんは、黒いスーツでご登場。
白髪に黒いメガネ、老いてますます、ダンディーな雰囲気を醸し出しております。

告知として、ポスターを二枚持って来ました。
まずは新作の小説「さくら伝説」。
不倫を題材にした小説で、フィクションなのですが、多少、自分がモデルになっているそうです。
次はCD「なかにし礼 アンソロジー『昭和忘れな歌』」。
過去に書いたヒット曲を一枚にまとめたCDです。
タモリさんへ、この二つの作品をプレゼントとして渡しました。

なかにしさんは「声がひどいでしょう?」と、喉がむせています。
「桃井かおりにうつされちゃって・・・なんちゃってね」と、メガネの奥の優しい瞳を細めました。

お華もたくさん、会場へ届いていました。
TOKIO、美輪明宏さん、桃井かおりさん、常盤貴子さん、泉ピン子さんなど、ゆかりの深い方達ばかりです(何故か、TOKIOからは二つも華が届いていて、タモリさんが不思議そうにしています)。

CD「なかにし礼 アンソロジー『昭和忘れな歌』」には、59曲が収録されているそうです。
ご自身は過去、全部で4,000曲を手がけ、300曲がヒット。
今回のCDに収録したものは、その中でもミリオンセラーとなったものばかりだそうです。
タモリさんが、その数の多さに驚いていますと、その内の1,000曲が訳詞ですと語っていました(シャンソン時代のもの)。

歌は、5万枚売れればヒットだとか。
それを聞いたタモリさんは、ニヤニヤとしています。
「ちょっと俺、印税の計算をしてみたんだけれど、相当いきましたね。印税。印税生活が一番いいですよ。一回書いたら、後は何も働かなくていいんだから」

それに対して、なかにしさんは、「歌は生きているから、だんだん元気がなくなるからねぇ・・・・」と答えます。
CDを買ってもらったり、カラオケで歌ってもらったりすることで、創作者へ印税が支払われる訳ですが、流行廃りがありますから、長い期間が経過すると、買われないし、歌われないから、印税として懐に入ってくる金額は減っていくという事です。

タモリさんは、創作方法について尋ねます。
「依頼されてから、とっかかりが難しいでしょ?」

なかにし「歌はねぇ・・・」

タモリ「『AMBITIOUS JAPAN!(歌:TOKIO))』は、どういう感じで発注が来たんですか?」

注:『AMBITIOUS JAPAN!』は、JR東海 新幹線品川駅開業記念 キャンペーンソングです。 

なかにし「JR東海さんから、品川駅が開業されるので、考えてくれないか?と云われたんです」

タモリ「ただ漠然と?」

なかにし「うん、それでは考えてみようかと。鉄道が100年前に日本に来た頃と、北海道にクラーク博士が来て、『Boys be ambitious!〜少年よ大志を抱け!〜』と云ったのが、ちょうど同じ時だったなあと」

タモリ「あれ、実は云ってないらしいですね。伝記作家が書いたんだそうですよ」

タモリさん、トリビアな知識を披露します。

なかにし「鉄道によって日本が近代化したことを小難しく考えて、ambitious・・・・AMBITIOUS JAPAN!にしたんです。そして、TOKIOでいこうかと」

タモリ「TOKIOにしたのは、なんでまた?」

なかにし「TOKIOとは古いお付き合いがあってね(笑)それに、最高にカッコいいじゃないですか。そして、筒美 京平の曲でいこうかと」

タモリ「JRの新横浜駅で、この曲を流しているんですけれど、アレがおかしいんですよ。流し方が。どこからか聞こえるなあと思ったら、改札の横にラジカセが置いてあるんですよ。(そのチープな流し方に、ちゃんとした設置方法とか)間に合わなかったのかなあ・・・」

なかにし「汽車の中でも、流していますね」

タモリ「とっかかりを創るのは、大変でしたでしょ?」

なかにし「僕、15,6年書いてなかったの。平成元年から、小説家になってやめていたんです。やめて、小説家一本でいこうと。けれど、人がいいというか、断れない人でして、それに、TOKIOのみんなと一緒に仕事をしたいなあと。何か楽しいじゃないですか。やってみたいなあと。もう、しばらくは書かないですよ。小説家を気取っていますから」

タモリ「両立はできないものなんですか?」

なかにし「できないね。基本的に、全く違うものだから。歌は、短距離走選手みたいに、100メートルをダッシュで走る。小説は、マラソン選手みたいに、42.195キロをひたすら走り続ける。筋肉が全然、違う」

タモリ「作詞をしていた忙しい時は、同時に何曲かやっていたんでしょ?」

なかにし「8曲同時進行とかありました」

タモリ「どうやって同時にやっていたんですか? こっちをやって、行き詰まったら、こっちをやるみたいな?」

なかにし「それもあるし、一つをやっている時に、ふと思い立って、あそこをこうしようとかね。当時は若かったし・・・」

タモリ「作詞をやめて小説やって、次に目標はあるんですか?」

なかにし「目標ってほどじゃないけれど・・・僕ね、随分と自分の作品が映像化したでしょ? それはそれで嬉しい事なのだけれど・・・うーん、今度は、自分で映画監督としてやってみたいなあ。出来るかどうか分からないけれど」

タモリ「今までの映画が気に食わなかったとか?」

なかにし「気に食わないんじゃなくて、それは人の作品でしょ? 僕の作品を原作とした他人様の作品だから。僕がとやかく云えないわけです。だから自分でやりたいようにやりたい。そうしないと気がすまないって云うのが、どこかにあるんです」

タモリ「そうすると、また作詞は駄目ですね」

なかにし「当分、駄目ですね(笑顔)」

次回に続きます。
タモリさん風に云えば、「いったん、CMで〜す」。

Posted by kanzaki at 2004年04月09日 07:00 | トラックバック (0)
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