2004年03月01日

ゼブラーマン【2】

前回の続き。

ネタバレもあります。
もし見に行く人がいれば、映画を見てから読んだ方が良いかもしれませんよ。
上映予定期間は、3週間という短期間なので、今週でラストのはずです。
昨年、草なぎ君の「黄泉がえり」も短期間上映だったのですが、評判になって延長しましたよね。
ゼブラーマンも、そうであって欲しいですよ。


2010年という中途半端に未来のお話し。
横浜市八千代区にて、宇宙生命体の存在が確認されます。
その調査の為、防衛庁の及川さん(渡部篤朗さん)が派遣される事になりました。
渡部さんのキャラは、「ケイゾク」の時のようなヤグサレな感じでして、品性行為とはいきません。
安い風俗で、変な病気をもらっちゃうような人です。
本人曰く「安い風俗は都会の縮図」だそうです。
かなり偏った縮小の仕方ですね。
彼と後輩は、「チロリアン2号」という、どこかで聞いたような名前の車で横浜へ向かいました。
そして日々、上司に云われるがまま、宇宙人の調査をしています。
そんな横浜は最近、カニのお面をした男を目撃したという噂で持ちきりです・・・。

及川さんの調査している街の小学校に、主人公がいました。
彼の名前は、市川新市さん(哀川翔さん=アニキ!)。
ダメ教師の彼は、先生・生徒達からバカにされる毎日です。
学年主任という名ばかりの肩書きを持ち、他の先生が風邪で休んだりした時だけ臨時で授業を受け持ちます。
そんな時は、生徒達から非難轟々です。
Vシネのアニキならば、うるさい生徒がいれば、バズーカをぶっ放している事でしょう。
それでも騒ぎが収まらなければ、相棒の「ミナミの帝王」竹内 力さんが加勢してくれるでしょうし、それでも駄目ならば、ボスキャラの長渕さんが、長渕キック(360度クルクル回る奴)をお見舞いしてくれることでしょう。
まあ、かえって収集がつかなくなってしまいますが・・・。
結局、新市さんは、ただ黙り込むだけで何も出来ません。
彼にも家庭があります。
しかし、妻は浮気、娘は援助交際、息子はイジメにあっている始末。
新市さんは息子と同じ学校の先生なのですが、そのダメッぷりのお蔭で、息子がイジメられているのです。
息子に「もうちょっとで転勤できるから、我慢してね」と云う所は、身につまされましたよ。
家族がバラバラになっています。

新市さんが幼少の頃、特撮ヒーロー「ゼブラーマン」という番組が放映されていました。
しかし、「カラーテレビなのに、白黒のヒーローなんて・・・」「付けているマントが、葬式の垂れ幕みたい・・・」等と不評を買い、僅か7話で打ち切りになってしまいました。
しかし彼は、ゼブラーマンが大好きで、その気持ちは大人になった今も変わりありません。
彼はその時の記憶を頼りに、自分でゼブラーマンのコスチュームを作りました。
自分の部屋で着替え、「ゼブラーパンチ!」とか云ってアクションをするのが大好きなのです。
学校へ行ってもコスチューム作成の為に設計図を書いています。
子供が授業中に、ガンダムとかの落書きをせっせとノートに書き込むが如く夢中にやっています。
だから、職員会議とかも上の空。

ゼブラーマンのコスチュームは、自宅の自分の部屋で作成しています。
下着姿であぐらをかき、ミシンでガタゴト、ガタゴトとせっせと勤しんでいます。
作っている時、テレビで「放射能戦隊アレクサンダー」というヒーロー特撮番組をやっていました。
それが、とても2010年の未来の番組とは思えないチープなものです。
「戦隊」と名が付いているのにたった独りのアレクサンダー。
胸の中央には、放射能戦隊らしく「危険」の注意マークが付いております。
アレクサンダーの敵は誰だと思います?
ホラー映画の「貞子」です(お
お台場のど真ん中なのに、なぜかあの古井戸がありまして、そこから前面に長い髪を垂らして出てきては、アレクサンダーを攻撃します。
それがムチャクチャ素早いの(w
凄まじいアクションを展開する貞子。
呪い殺すより、己の跳躍力でドロップキックをかました方が、一週間待たずとも、一瞬のうちに相手を殺すことができますよ。
セットもキャラクターもチープな感じを醸し出しているのですが、ここでポイントだったのは、必死に戦っている後ろに、通行人が映ってしまっている事です。
時代劇なのに腕時計をしていたら可笑しいように、ヒーローが敵と戦っている後ろを平然と通行人が通っているのは可笑しいですよね?
スタッフのミスで映ってしまったという想定なのでしょう。
ここはかなりのツボでしたよ。
それにしても放射能はヤバイッす。
放射能という言葉を特撮で使うと、どうしてもウルトラセブンのスペル星人を思い出してしまいますね。
ウルトラセブンの第12話は、実は再放送もできなければ、ビデオ発売もできない幻の作品となっています。
スペル星人の肩書きが「ひばく星人」でして、それを知った被爆者団体協議会が小学館へ抗議文を送り、マスコミでも取り上げられ、製作会社側は永久封印する事になったのです。
そこら辺の経緯は、「スペル星人」で検索すれば、幾らでも知ることが可能です。
お台場で放射能戦隊が必殺技をやった日にゃ、レインボーブリッジは完全封鎖ですよ>青島君。
そんなチープ感のある特撮を見て新市さんは、「なっちゃいね〜な〜」とゼブラーマンと比較してしまう訳です。

そんな新市さんの通う学校に転校生がやってきました。
浅野晋平君です。
彼は父親の飛び降り自殺を見てしまい、そのショックから歩くことが出来なくなりました。
そして今では、車椅子で生活をしています。
お母さんの可奈さん(鈴木京香さん)は、新市さんに、息子を普通に扱って欲しいと切望します。
実は晋平君は、ゼブラーマンの大ファンだったのです!
彼はゼブラーマンについて、沢山の情報を知っていました。
新市さんは、幼い頃に見た記憶しかないので、晋平君の情報は目を見張るばかりでした。
そして、新市さんは晋平君の事を真面目な顔をして、
「浅野さんって呼んでいいですか?」
と、すっかり舎弟になっております。

浅野さん(以後、晋平君のことを浅野さんと記します)の情報を元に、新市さんはゼブラーマンのコスチュームを完璧に仕上げる毎日。
そしてある夜、遂に完成したのでした。
さっそく、そのコスチュームに着替える新市さん。
鏡の前に立ち、その映し出された姿に、
「やべぇ・・・・・浅野さんに見せて〜」
という言葉が漏れてしまいます。
分るぞ、分るぞ、その気持ち。
この完成した喜びを浅野さんにも伝えたいという純粋で奇麗な心が、画面から感じ取れましたよ。
さっそく、生徒達の住所録から、浅野さんの住んでいる場所を調べます。
そして新市さんは、ゼブラーマンの格好のまま外へ出ます。
学校の先生が、コスプレしたまま街の中を闊歩したら、そりゃ大問題ですよ。
だから道を歩いている時、人に出会ったらすかさず暗闇に隠れて息を潜めます。
正義のヒーローなのに、闇に潜まなければいけないゼブラーマン!
まるで、妖怪人間ベムですね。
そんな事をしている時でした。
何と新市さんは、カニ男と遭遇したのです。
普通のオッサンが、カニの被り物をしただけの、何ともチープな怪人。
カニ男は、ハサミをチョキン・チョキンと両手に握って迫ってきます。
ピンチだ、新市さん!
ゼブラーマンの格好をしているとは云え、中身はただの中年のオッサンです。
自分の身に危険が迫り、ハナ垂れもんですよ。
ところがです。
ところが、カニ男が攻撃をしてきた時、身体が急に俊敏になり、まるでマトリックス宜しく、凄まじいまでの動きで攻撃を交わす事が出来ました。
そして大昔、コナミから発売されたファミコンの2D格闘ゲーム「イー・アル・カンフー」の極意「三角蹴り」まで使えるようになりました!
最後は、ゼブラーパンチで相手の顔面を直撃。
見事、カニ男を退治しました。
新市さんは、その場から姿を消します。
しかしこの模様を偶然、車椅子の浅野さんが見ていたのでした。

続く(続けるのかよっ!)

Posted by kanzaki at 2004年03月01日 19:02
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