●14歳からの「論語」(著:ヤギ ワタル、齋藤 孝)より
君子は言を以て人を挙げず、人を以て言を廃せず。 (衛霊公第十五)
孔子は、そうした色眼鏡をかけたえこひいきに、はっきりと「ノー」を突きつけています。
「君子は発言が良いからといってその人物を 抜擢 せず、また人物がすぐれなかったり身分が低かったりしても、その発言を無視したりはしない(君子は、人と言とを混同しない)」。
意見を聞く時に、相手の性格や立場などで加減はしません。
大切なのは意見の内容なのです。
よい意見は誰が言ったものであっても耳を傾ける のが、孔子の姿勢でした。
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明治維新の立役者の一人・勝海舟 は下級旗本の生まれで、本来は世に出ることのない身分でした。
しかし、ペリー来航後、幕府が海防に関する意見を広く募集した際、海舟の意見書が目に留まったことで、出世の糸口をつかみます。
幕府が、身分を理由に海舟の意見を捨てていたなら、彼は世に出ず、維新への流れも変わったかもしれません。
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【コメント】
「誰が言ったかより、何を言ったか」
「何を言ったかより、誰が言ったか」
本当、これはその時によりけりです。
大抵は、誰が言ったかの方が重視しているように思います。
「人格者」が言う言葉はやはり、含蓄がありますからね。
そして今は、
「何かを言うよりも、相手の話しを聞く(受け入れる)」
ということの方が重視されているようにも思えるのです。
SNSなどでこうも誰もが発信できるようになると、世の中が「承認欲求の塊」みたいなもの。
そんな時、自分の考えを受け止めてくれて、センスの良い短いフレーズで好感触を返してくれると嬉しいものです。
あなたならどう振る舞いますか?
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