2022年10月22日

梅棹式「こざね法」でアイデアの断片をストーリーにする

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(庵野秀明展)

●『ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250』(堀 正岳 著)より)


【梅棹式「こざね法」でアイデアの断片をストーリーにする】


カードやメモ用紙を使ってアイデアを大量に集めるのは、1枚1枚の紙の中に考えの断片を封入するためです。
カードを原子とみるなら、それがしだいにつながって分子となることによって、単なる思いつきが1つの一貫した考えに成長するわけです。


これは、たとえば論文やリポートなどといったひとまとまりの考えをつくるときに特に重要なプロセスです。
結論のアイデアだけでは原稿はまとまりません。
アイデアと、そこに至る前提や議論の流れが必要なのです。


カードの利用方法について『知的生産の技術』で詳細に解説した梅棹忠夫氏は、カードからアイデアのつながりを生み出すために「こざね法」という手法を開発しています。


まず、いま手がけている仕事に関連した情報や思いつきをカードで目の前に並べて、しだいに話の流れができてくるまで情報を追加し、並べ替えをするという前段階があります。
こうしてつながりが見えてきたなら、ストーリーの順番に、カード同士をホチキスで留めていきます。
あとはこれを上から順に、まとまった文章や段落にするだけで、首尾一貫したストーリーが生み出せるのです。


このカードをつなぎ合わせた形が、中世のよろいを構成する、小さな鉄や皮の破片を糸でくくりつけた「小札」(こざね)に似ているので、この名前がついています。


こざねはデジタルで作ることもできます。
たとえばmacOSの文章作成ツールScrivenerはツール内でカードを作成し、短い文章を結合することでより長い文章を構成することができます。
また、似たような仕組みはEvernoteのノート結合機能で実現することもできます。


※※※


【コメント】


ちょうど『知的生産の技術』という本を読み終え、「こざね法」を知ったばかりです。
そうしたら、別の本でも「こざね式」を紹介していました。


考案自体はアナログな道具で行うものですが、現代のデジタルツールが発達した時代でも応用できる内容です。
是非、お試しいただければと思います。


尚、上記の「Evernoteのノート結合機能」ですが、ヘビーユーザーの私に言わせれば、使い勝手が良くありません。
各ノートを結合というか統合する際、自分が思った通りの順番になってくれません。
自動でやるとめちゃくちゃになるので、手作業でやっています。

Posted by kanzaki at 06:56
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