●『不安と折り合いをつけて うまいこと老いる生き方』(中村 恒子, 奥田 弘美 著)より
奥田(50代医師):
そうやって「おばあさん」と開き直った方が、50代からは、絶対に気楽ですよね。
たしかに先生の時代は、結婚してミセスになったときから、一律に「おばさん」扱いが普通だったようで、1969年に放送が始まった、アニメ『サザエさん』の主人公、フグ田サザエさんの年齢設定は、なんと24歳だとか。
お父さんの波平さんが54歳で、お母さんのフネさんが52歳だそうです。
現代の私たちから見ると、サザエさんは30代ぐらいの、波平さんやフネさんは70代の雰囲気を醸し出していて、驚きます。
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中村(90歳まで現役医師):
姿かたちの話だけやなくて、私は仕事にしても家のことにしても、老人の域に入っているのに、いつまでも若い人と張り合おうとするのは、愚かなことやと思うわけ。
大体人間は50歳を過ぎたあたりから、見た目だけやなくて、体力も知力も、人生の盛りからゆるゆると下がって行くんやから、遅くとも60歳過ぎたら主役は若い人にどんどん譲っていかんと。
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中村
大丈夫。
子どもが独立したあとは仕事も生活も、どんどん楽になっていくよ。
私は子育てが終わってからもずうっと医者としての仕事を続けてきたけれども、60代ぐらいからは、全く気分が違う。
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中村
そうや。
子どもたちが独立してくれてからは、仕事は「いつ辞めてもええから、人の役に立つ間だけ無理せずに働かせてもらいましょ」って心境で、すごく気楽になったね。
職場でも中心になってバリバリ働く気分ではなくて、若い人たちのサポーター役のような心境になった。
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【コメント】
国が、年金払いたくないから70歳まで働かせようとしている昨今。
昔より年配者が元気だと言っても、会社の実働部隊は20代〜50代。
50代になったら、どんどん若い人に仕事を渡していかないと、そもそもその会社が存続しません。
中小企業は、50代でも若手みたいな扱いのところが多いですが、それでも立ち位置を変えていくように意識しないといけないのかなと。
上記の本では、子育てが終わって生き方が変わったと書いてあります。
それじゃあ、子育てしていないで50代・60代になった人は、どう心を整えればよいのでしょうか。
「子育て終了」という目に見える形が無くても、自分が決めればいい。
むしろ、外的要因は関係なしに、自分でいつでも決まることができます。
いいじゃないですか!
>仕事は「いつ辞めてもええから、人の役に立つ間だけ無理せずに働かせてもらいましょ」って心境
そういう考えに向かって、スローシフトしていこうと思っています。
人間として強くなるんじゃないかなあ。