2023年04月30日

劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』の感想〜一丸となって解決をする姿は本当に観ていて気持ちがいい。最高の作品

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●劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』
https://tokyomer-movie.jp

監督:松木彩
脚本:黒岩勉
出演:鈴木亮平、賀来賢人

【あらすじ】

オペ室搭載の大型車両・ERカーで事故や災害現場に駆けつける救命医療チームの活躍を描いたテレビドラマ「TOKYO MER 走る緊急救命室」の劇場版。

横浜のランドマークタワーで大規模な爆発事故が発生した。
数千人が逃げ惑う未曾有の事態に陥る中、東京都知事直轄の救命医療チーム「TOKYO MER」のチーフドクター・喜多見は一刻も早く現場へ向かうべきだと主張するが、厚生労働大臣によって新設されたエリート集団「YOKOHAMA MER」の鴨居チーフは「安全な場所で待っていなくては、救える命も救えなくなる」と正反対の意見をぶつける。
そんな中、地上70階に取り残された193名の中に、喜多見と再婚し妊娠中の千晶もいることが判明する。



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※※※


【感想】


TVドラマ放映時は観ていなかったのですが、現在はTVerで追っかけ視聴をしている最中です。
すっかり、「特撮レスキュー系ヒーローもの」として楽しんで観ています。
まだ半分ぐらいしか観ていませんが、後半の展開は知っています。


べたでもなんでもいい。
私はヒーロー達が活躍し、最後は平和になるこの作品が好きです。


「TOKYO MER」には特殊車両がERカーを含めて3台あり、特撮もののようなカッコよさも魅力です(オペ車両、乗用車、バイクの3台)。
サンダーバードを観ているかのようなわくわく感があります。
メインのERカー「TO1」なんて音声AI機能もありますし、あのカッコいいデザインは変形してロボットになりそう。
(車内で手術をする際、天井の照明が変形するシーンはカッコいいですねえ)


劇場版の冒頭、暗闇から出動するTO1の姿は、完全に特撮ヒーローものです。
本作は要潤さんも出演しているのですが、仮面ライダーG3に装着変身してしまいそうな勢いです。


冒頭の空港での火災現場は夜間だったので、ERカーが各種照明を光り輝かせながら走る姿はかっこよかったですよ。
本作メイン現場である「横浜・ランドマークタワー」での火災と異なりタイムリミットがあります。


燃料漏れで飛行機が爆発するまでの限られた時間内で、緊急手術をしながらERカーで現場を脱出する緊迫シーンは見ものです。
最近、「シン・仮面ライダー」に限らず、わざと夜間のシーンを見えにくく映している作品がありますが、本作はそんなことはなく、ちゃんと登場人物たちの活躍が映し出されていました。


なんとなく「TOKYO MER」って、メカも組織も「機動警察パトレイバー」に似たものを感じさせます。
(昔の「踊る大捜査線」はまさに、パトレイバーを参考にしていましたよね)
今回の劇場版では「YOKOHAMA MER」という新たなライバル組織も登場しますが、使用するERカー「YO1」は、「TOKYO MER」のERカー「TO1」より性能がパワーアップしている設定は、ロボットアニメのわくわく感を思い出しました。


主人公の喜多見チーフドクター(鈴木亮平さん)が、戦隊もので言えば熱血レッド。
MER推進部統括官の音羽(賀来賢人さん)は、冷静沈着なブルー。
この2人のべたつかないけれど、互いに信頼している感じがいいですね。
映画を観ていたら、昔の「踊る大捜査線」の青島俊作巡査部長(織田裕二さん)と警察庁のキャリア・室井慎次(柳葉敏郎さん)の関係にも似ているなあと思いました。


TV版もそうですが、1人のヒーローだけではなく、全員で困難を乗り越える「チーム戦」なのが魅力です。
医療従事者だけではなく、消防・警察・政治の垣根を超えたそれぞれのプロが、一丸となって頑張ります。
(アクセントとして悪い政治家を登場させるのは、日曜TBSドラマのお約束ですね)
大ヒットアニメ「鬼滅の刃」も、まだアニメ化されていないラストバトルはチーム戦。
名もなき組織の末端の人も頑張っている。
今って、そういうチーム戦で難局を乗り越えるストーリーがトレンドなんでしょうかね。
女性登場人物たちも、「(それぞれの立場で)戦うヒロイン」となっており、単なるお飾りキャラじゃないのも、今ドキだと感じました。


劇場版「TOKYO MER」は、主人公の喜多見チーフドクターの活躍は、全体から見たら少ないかもしれない。
(いや、十分活躍していたけれど・・・)
けれど、他の魅力的な登場人物たちの活躍もたくさん描いていたので、とても良かったですよ。


「チーム戦」と書きましたが、私が本作を観ていてグッときたのが、「横浜・ランドマークタワー」の上階に取り残された中学生たちです。
大人たちは自分のことばかり考え、他人のことなんて考えずに逃げようとパニックになる。
「TOKYO MER」のメンバーたちが、冷静になるよう伝えてもいうことを聞かない。
そんな中、幼い中学生たちが、「TOKYO MER」のお手伝いをしたいと言う。
その献身的な姿に、ようやく大人たちも我に返り、ケガをした人の搬送などを手伝うようになります。
誰かに頼るだけではなく、一般人すらもこのように協力する姿は、べたでもやはり良いものですよ。


主人公の喜多見チーフドクターを演じた鈴木亮平さん、とても良いですねえ。
強靭な肉体と知性を持っている人だから、劇中の主人公にピッタリです。
負傷した人に声をかける際の、言葉のやさしさと安心感は、劇場版でも健在です。
あの瞬時に判断し、メンバーに的確な指示をしつつ、完璧な治療をする姿は、大人の私でも憧れますよ。


この作品の世界では今後、政令都市にMERを設置する計画となっています。
劇中に映し出された資料に、「新潟市」の文字もありました。
「NIIGATA MER」も観てみたいなあ。
雪国なのでMERカー「NO1」は、雪の中でも軽々走ることが出来る機能がついていたりして。


TVドラマの劇場版というと、スケールアップしたが故にスタッフが制御しきれずに残念な作品が多いもの。
(同じ医療ものの「ドクターコトー」は本当にひどかった・・・)
脚本家の黒岩勉さん(現在、「ラストマン-全盲の捜査官-」を担当)をはじめ、スタッフがうまく制御してくれましたね。
本当に良作でした。


私はまだTV版後半を観てませんが、その後半で主人公の妹を救えなかった主人公たちが、本作でその心のモヤモヤをどう昇華させていくかも、劇場版の注目ポイントですよ。


観に行った際、客席がすべて埋まっていました。
そのため、私は前から2列目の真ん中で鑑賞。
スクリーンを見上げるような形での鑑賞となりましたが、むしろ迫力があってよかったですよ。
この作品こそ、4DX化して観てみたいです。


1年後にTVで観るより今、劇場で観るのをお勧めします。
そして大ヒットしてもらい、シーズン2や劇場版2作目を期待したいです!

Posted by kanzaki at 21:26
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