2023年09月18日

映画『ミステリと言う勿れ』の感想〜相手に寄り添う主人公が魅了のオススメ作品

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●映画『ミステリと言う勿れ』公式サイト
https://not-mystery-movie.jp/

監督:松山博昭
原作:田村由美
脚本:相沢友子
出演:菅田将暉、松下洸平、原菜乃華

【あらすじ】

田村由美の人気漫画を菅田将暉主演で実写化した連続テレビドラマ「ミステリと言う勿れ」の劇場版。
原作で人気のエピソード「広島編」をもとに、広島の名家・狩集家をめぐる遺産相続事件の顛末を描く。


天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整は、広島で開催される美術展を訪れるため同地にやってくるが、そこで犬童我路の知人だという女子高生・狩集汐路と出会い、あるバイトを持ちかけられる。
それは、狩集家の莫大な遺産相続に関するものだった。
当主の孫にあたる汐路ら4人の相続候補者は、遺言書に記されたお題に従って謎を解いていく。
やがて彼らは、時に死者さえ出るという狩集家の遺産相続に隠された衝撃の真実にたどり着く。

2023年製作/128分

映画『ミステリと言う勿れ』予告



『ミステリと言う勿れ』SPドラマ&映画見どころ徹底解説!


※※※

【感想】


普段は映画館に行かないような人達がたくさん詰めかけていました。
「すずめの戸締まり」を観そうな感じの若い人(今回のヒロインの人が主人公の声を担当)。
「トップガンマーヴェリック」を観そうな年配層。
いろんな層がいました。

そして、映画が終わって皆が立ち上がった際、客同士の会話が盛り上がってました。
「続編をやってほしい」という声があちこちから聞こえました。
満足行く映画って、そういう現象が必ず起こります。

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菅田将暉さん演じる久能整くんと、テレビドラマで使ったBGMと主題歌があれば、それはもう「ミステリと言う勿れ」ワールドが成立しちゃうんですよね。
殆どテレビドラマのレギュラー陣が出ておらず、場所も広島。
テレビドラマとは全く違うはずなのに、ちゃんと成立しています。


テレビドラマや原作等での知識を入れていない初見さんでも、この劇場版はすんなり鑑賞できます。
なにせ上記の通り、本編中、主人公以外は殆ど初登場の人物、舞台設定ですから。


このシリーズの犯人は大抵、整くんと初顔合わせの際のセリフで分かります。
ちょっと違和感がある(犯人にしか分からない情報をうっかり話している)。
だから、違和感のある人物を追っていけばいい。
多分、多くの観客もそのパターンに慣れているから、犯人はすぐ分かったと思います。


しかしこの作品は、そういう部分が根幹じゃない。
主人公が被害者側に寄り添う会話や、この社会で常識とされつつもおかしいことを語る所です。
メンタルクリニック的なところ。
これが、かなり心に染み入ります。


普通は田舎の大富豪の遺産相続争いといえば、終始、相続人同士でいがみ合いが続くものです。
ところが、この主人公の寄り添いのおかげで、相続人同士が一致団結するのが面白いです。
良い人物グループと悪い人物グループを綺麗に分けてある(当然、主人公のいる側が良い人物グループ)。


本作品には不愉快になる部分が無く、誰が観ても問題ありません。
ある意味、現代版・金田一耕助シリーズ。
金田一耕助からアップデートされたのは、主人公の寄り添いと会話。
ここのところ、フジテレビ系のドラマを映画化したものは、残念な結果が多かったです。
けれど、これはオススメの映画です。
「容疑者Xの献身」以来かも。


この劇場版を観るまで、原作を読まないようにしていました。
これで全巻読破できるので楽しみです。

Posted by kanzaki at 12:36
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