●『NHK「100分de名著」ブックス アドラー 人生の意味の心理学 変われない? 変わりたくない?』(岸見 一郎 著)より
このありのままの自分しかないのですから、どんな自分であっても、この自分を受け入れ、理想から引き算してはいけないのです。
理想の自分ではなく、現実の自分を受け入れることを「自己受容」といいます。
これはありもしない理想の自分を受け入れるという意味での「自己肯定」とは違います。
例えば、あらゆる人に好かれるということはありえません。
多くの人に好かれるということはあっても、すべての人に好かれたいと思っても現実的にはそういうことはありえないのです。
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何かが実現すれば、その時初めて本当の人生が始まると考えると、実現しない限り現実との接点を持たない生き方をすることになってしまいます。
何かの実現を待たなくても、「今ここ」で本当の人生は始まっているのです。
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本章で考えてきた生きることについていえば、今その時々の自分がすべてであり、どの自分のあり方にも優劣はないのです。
人間の価値は、ここに今「ある」ことにあるのであって、何かに「なる」必要はないということです。
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【コメント】
若い時は、現実の自分を受け入れることがなかなかできません。
そもそも大人が子どもたちに、夢や希望、なりたい職業とかをたきつけてくるのですから。
当然、子供の目は「今」ではなく「未来」に向かいます。
そういう観点が必要なのもわかりますが、その未来がどう考えても現在の自分とかけ離れすぎると、そのギャップが心をむしばみます。
私達はもう子供には戻れません。
しかし、いろんな事に気づき、その時点から改善することは可能です。
「自己受容」は生きる上で大切だと思いました。
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