2024年06月02日

映画『からかい上手の高木さん』の感想〜主役は小豆島の美しい風景と、Aimerの主題歌「遥か」

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●映画『からかい上手の高木さん』公式サイト

●ドラマストリーム『からかい上手の高木さん』|TBSテレビ

監督:今泉力哉
原作:山本崇一朗
出演:永野芽郁、高橋文哉、江口洋介

【あらすじ】

とある島の中学校。
隣の席になった女の子・高木さんにいつもからかわれている男の子・西片は、どうにかしてからかい返そうとさまざまな策を練るも、彼女に見破られて失敗ばかりしていた。
そんな2人の関係はずっと続くと思っていたが、高木さんがある理由から引っ越すことになり、心に秘めた互いへの思いを伝えることなく2人は離ればなれになってしまう。
それから10年が過ぎたある日、母校で体育教師として奮闘する西片の前に、高木さんが教育実習生として現れる。

2024年製作/119分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2024年5月31日



【5月31日公開】映画『からかい上手の高木さん』主題歌スペシャルMV



予告編

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【感想】


この作品の主役は、小豆島の美しい風景と、Aimerの主題歌「遥か」だと思います。


TVドラマ版の第1話ラスト、自転車で2人乗りして走るシーンでこの主題歌が流れた時点で、この作品に魅了されました。


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原作もアニメも観ていないのですが、テレビドラマの中学生編は観てました。
今期のドラマ、「アンチヒーロー」「アンメット」「ブルーモーメント」よりも、この「からかい〜」が一番好きです。


黒川想矢さん演じる西片と、月島琉衣さん演じる高木さんの中学生同士のやりとりは、うまくはまってましたね。
キョドり気味の西片と、ちょっと大人っぽい高木さん(どうやら原作は、もっと小悪魔的な感じだそうだが)。
まるで良質な児童文学を読んでいるかのような普遍性のある物語でした。
特殊な設定があるわけでも、特別な事件があるわけでもないのに、きちんと人を描いていました。
ノスタルジーな雰囲気があり、大人の視聴者のほうが感慨深いかも。


その完結編というか10年後を描いた本作品。
基本、TV版のエピソードと対になっているシーンが多いし、設定上、映画単独で観てもよく分からないと思います。
TV版は必ず観ないといけない。
(TVドラマ版は、ネットフリックスで完全版が配信中)


ラスト手前、2人が教室で互いが好きだと直接的に伝えるシーンは、ちょっと間延び感があったなあ。
それに、互いに好意を持っていても直接的に言わないのが、原作やTV版の良いところ。
だから、ダイレクト過ぎかなと。


TV版のラストはフェリーで高木さんが島を離れるシーン。
至るところでTV版と対になっているのですから、今回の映画も高木さんがフェリーで島を去る際、西片がようやく思いを伝える方が、映画的な盛り上げになったのではないかなと思います。

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中学生編で高木さんを演じた月島琉衣さんは、割りかし話し方がゆっくりでした。
永野芽郁さん演じる大人の高木さんは、ちょっと話し方が早いというか、いつもの永野芽郁さんの話し方でした。
だから今ひとつ、TV版と映画版の高木さんがシンクロしません。


一方、黒川想矢さん演じる中学時代の西片と、高橋文哉さん演じる大人の西片は、割りかし似ていました。
キョドり方とか。
(仮面ライダーゼロワンの主人公・アルト社長を演じていたときに近い演技)
しかし、大人でしかも体育の教師が、中学生の頃と同じような反応、対応をするのかなといえば疑問。
まあしかし、そういう感じだからこそ、生徒にも信頼を得られているのかも。


西片の担当する教室の生徒を演じた白鳥玉季さん、齋藤潤さんは、撮影当時リアル中学生ですが、なかなかの良演技でした。
昔だったら、ドラマ「金八先生」で主要生徒キャラに抜擢されそう。
この2人の方が、大人の西片・高木さんより、ずっと大人な感じです。
きっと今後、ドラマや映画で注目されそう。


永野芽郁さん、高橋文哉さんの組み合わせは、なんだかほっこり感があって良いです。
劇中の会話も、アドリブというか素でやっているようなところもありました。
やはり、舞台である小豆島の美しい風景がそうさせるのかな。

Posted by kanzaki at 20:02
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