●心が強い人はみな、「支える言葉」をもっている(著:齋藤 孝)より
「一生の間に一人の人間でも幸福にすることが出来れば自分の幸福なのだ」は、川端康成の短編小説「一人の幸福」に出てくる言葉です。
小説に出てくる「彼」は、決して成就しないとわかっている恋の相手である勝子に、不幸な境遇の弟がいることを知ります。
そして、その弟を自分の力で救ってあげようと思い立ちます。
勝子の弟たった一人でも幸福にできるのなら、それが自分の幸福になるのだと感じて嬉しくなるのです。
小説の中の言葉ですが、川端康成自身の実感でもあると思います。
「幸せになりたい」と考えると、不足しているものに目がいってキリがない感じがしますが、「誰かを幸せにしよう」と考えれば、実現のとっかかりも見つけやすいのではないでしょうか。
川端の小説「一人の幸福」に出てきた「彼」のように、迷いが晴れ、嬉しい気持ちで満たされるかもしれません。
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【コメント】
幸福という漠然としたものを具現化するには、「相手」がいた方が良いです。
その相手の幸せを願う気持ちが、一番の幸福ではないでしょうか。
「自分が、自分が」の気持ちでは、一生満たされないでしょう。
いい歳した人でそういう人を見かけますと、就職氷河期世代としては、なんとも「みっともないなあ」と感じます。
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