●『気にしない練習———不安・怒り・煩悩を“放念”するヒント (三笠書房 電子書籍)』(名取 芳彦 著)より
なぜいいことも悪いことも持続しないのか。
それは先に触れたように、いいことも悪いことも縁の集合体だからです。
この縁は減ったり、増えたり、入れ代わったりして次々に変化していきます。
中でも大きな要因は時間経過という縁でしょう。
次に大きいのは、いいとか悪いとか感じる人の心そのものの変化。
昨日思っていたことでも今日は変化します。
経済や災害などの社会状況の変化という条件が加わっただけで、私たちの心のあり方が驚くほど変化するのは、震災で経験しています。
私はいいことがあっても、悪いことがあっても「この状態はいつまでも続かない」と自分に言い聞かせます。
特に悪い状態が身に降りかかった時は、状況に応じて「一週間後には笑っていられるようにしよう」「半年後にはこの状況を人に笑って語れるようになろう」「三年後にはそんなこともあったなあと懐かしめるようになろう」と思うのです。
縁によってすべては変化していくのです。
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【コメント】
まず最初に、新型コロナウイルスのことを思いました。
世の中はどんどん変化していきます。
この約3年間でコロナについても、考え方が変わっていきましたよね。
最初は、感染者が出ると、ほとんど魔女狩りみたいな扱いでしたよね。
県外ナンバーの車や、夜遅くまで営業している飲食店を見かければ、それを怒鳴り散らす人もいました。
そういや、トイレットペーパーが不足するという謎の流布によって、争奪戦になったこともありましたっけ。
今は感染しても、インフルエンザ的なとらえ方で、「かかってしまって大変ですね」という感じで相手を心配はすれど、恐怖みたいなものまでは感じないはずです。
予防対策はするけれど、以前ほどの行動自粛意識も薄れてきています。
時間と共に、感情も変わっていくことを多くの人が経験しましたね。