2010年01月04日

勝間和代さん著「断る力」を読んで【2】

前回の続きです。

第二章にて一番大切な事は、自分が得意とする分野を早々に見つけて、そこに時間を惜しみなく配分することです。
そのために「断る力」を発揮します。
自分が得意なこと、不得手なことは自分ではわかりにくいものなので、様々な情報源や評価を使って、自分でその軸を見抜いて組み立て、意識をし、それを30代後半までに完成させることを意識していきましょう。

自分に対して責任をすべて持てるのは、自分ひとりだけです。
これは、自己責任の概念をはぐくみ、追求するということです。
「断ること」はすなわち「(嫌われるなどの)リスク要因」を自分で引き受ける生き方になります。
自分自身がどこまでのリスクだったら、自分の責任において引き受けられるか判断することを繰り返す生き方「リターン・マキシマイズ(最大化)な好き方」に人生を変革していくことは、自分の力につながります。

さて、上手に「断るリスク」を取るコツなのですが、

・どこまでを許容範囲と捉え、どこから「嫌われる」というリスクをおかしても断らなくてはいけないのか、明確な基準を作る。

・そもそも意に沿わない依頼を受けて「断る」というリスクを取らなくてもいいような環境を作れないか、とことん考える。

という二点に集中していくことになります。

自分の専門分野を決め、自分の交友範囲を定め、そして自分が能力を発揮出来る環境を自分の力で整えて行くことが必要です。
自分を嫌う相手との対立の中、相手を退治するというリスクの高い方法を取ら無いためには、もともとのファンを作っておいたり、実績を上げておくのがベストです。

人間には何かを繰り返す際、「飽きる」という心理状態が起きます。
攻撃をする人達は、その存在自体を無視されてしまうと、自分の行為に対して何も得られるものが無いため、エネルギーが続かないので、次の攻撃目標にスイッチするそうです。
むやみに反応せず、時間と距離を置いて、相手が飽きるまで待つことを第一戦略にしましょう。

私たちが生きていく上で、人生の選択など色々考えますが、この対処方法は「自己評価に始まって、自己評価に終わる」と言っても良いでしょう。
自己評価は、自分が適切なリスクを取れるかの指標にもなります。

自己評価の為には、自分の得意・不得意が何か、明文化することが必要です。
そうすると、何かの面で能力が高い人が目の前に現れても、落ち込んだり、嫉妬したりする必要が無くなります。
何故ならば、相手と得意技の資質が違うからです。

勝間さんは「努力」の量は、かけた時間で評価できると言っています。
一日は24時間しかありませんから、多くのことを努力し続けるのは不可能。
せいぜい二つか三つでしょう。
そうしないと努力の効率が悪くなります。

さて、自分の評価をするための具体的な方法ですが、本の中では、

・まずは身近な人の意見を聞く

・客観テスト(ストレングスファインダー、SPI、内田クレペリン精神検査など)を使う

・職場の人事評価を利用する

・転職エージェントの力を借りる

・顧客や取引先の評価を活用する

・インターネットの評価を活用する

等がありました。

そういった自己評価分析の結果、多くの人からさんざん指摘のある「欠点・不得手分野」に対してですが、ちょっとした努力で向上できる範囲においては改善を心がけますが、あまり時間を使わないようにしたり、あるいは意図的に放っておく方がよいそうです。

そういう不得意分野を指摘してくる人達は大抵、その分野が得意であって、私たちが何故苦手なのか理解出来ていません。
だから、ちょっとの努力で改善できるとお節介をしてくるのです。
不得意分野は追加コストに対する見返りの少ない危険分野だと思い、警戒するぐらいに思えばいいのです。
つまり割り切りが大切であり、相手のアドバイスを「断る力」なのです。

勝間さんは30代前半までに、「自分の軸」を完成させましょうと言っています。
20代は試行錯誤の時期。
そして20代後半から徐々に自分の得意分野・不得意分野を意識し、不得意分野に関わることについては「断る力」を発揮しながら、自分の軸を完成していくのです。

私たちが覚悟すべきことは「私たち自身が自分のコーチをする以外の選択肢は、実質的には存在しない」ということです。
自分を客観的に悟り、断る力を発揮しなければ、コモディティとして埋もれてしまいます。
自分の得意分野への集中的な時間配分やその流れを自分で作り上げていきましょう。


続きます。


●勝間和代さん著「断る力」を読んで【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/001993.html

●勝間和代さん著「断る力」を読んで【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/001994.html

●勝間和代さん著「断る力」を読んで【3】
http://kanzaki.sub.jp/archives/001996.html

●勝間和代さん著「断る力」を読んで【4】
http://kanzaki.sub.jp/archives/001997.html

Posted by kanzaki at 13:06
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