2024年05月25日

映画『碁盤斬り』の感想〜子供でも楽しめた往年の時代劇テイストが感じられ良かったです

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●映画『碁盤斬り』公式サイト


監督:白石和彌
脚本:加藤正人
出演:草剛、清原果耶、斎藤工、中川大志、國村隼


【あらすじ】

古典落語の演目「柳田格之進」を基に、冤罪事件によって娘と引き裂かれた男が武士の誇りをかけて復讐に臨む姿を描く。


身に覚えのない罪をきせられたうえに妻も失い、故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進は、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしていた。
実直な格之進は、かねて嗜む囲碁にもその人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心がけている。
そんなある日、旧知の藩士からかつての冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は復讐を決意。
お絹は仇討ち決行のため、自らが犠牲になる道を選ぶが……。

2024年製作/129分/G/日本
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2024年5月17日



5月17日(金)公開映画『碁盤斬り』60秒予告

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【感想】


久しぶりにまともな実写邦画を観ることが出来て良かったです。
ちゃんと往年のエンタメ勧善懲悪時代劇だからです。


古典落語の演目「柳田格之進(やなぎだかくのしん)」をベースに、後半では往年の時代劇らしい旅模様とチャンバラ(アクションシーン)をふんだんに盛り込んでいます。


●柳田格之進 - Wikipedia

この監督に対しバイオレンス、グロ映像のイメージがあるのですが、とても綺麗な人情ものでした。
(ただし、全くグロくないわけではない。そういうのはうまく遠目な感じ、モヤッとした感じで薄めていた)


悪者は斎藤工さん演じる人物だけ(しかし、全くのドス黒さではない)。
巨大な組織的大悪党が存在しないので、だからこそ各人物に焦点をあてて丁寧に描けたのかなと思いました。
スケールを大きくすると事象を描くだけで精一杯になるので、幕府とか侍要素を少なくして、江戸の町民を中心とした今回の設定は非常に良かったです。


前半は殆どアクションシーンもなく、囲碁の勝負シーンが多いです。
しかし、むしろそういう端から見たら静かなシーンを通して、当時の人々の生活風景が描かれており良かったなあと。


一番怖いのは草剛さん演じる主人公ともいえます。
ハイスペックな能力、実直・クソ真面目で普段は怒りを見せない。
それ故、自分の妻・娘のことになると、そら恐ろしいのです。
あの行動力を現代劇で描くのは難しい。
やはり、時代劇というジャンルで描いたのは正解でしたよ。


時代劇というのは特撮やアニメに近しく、多少の誇張とかは受け入れられやすいです。
もし現代劇で今回の登場人物たちを描こうとした場合、優しすぎるキャラばかりでリアリティが薄れます。
ネット網の発達で現代劇は、今回の作品のような勘違い、すれ違いから起こる事件は描きにくいです。
時代劇だからこそ成立しているお話しなのかなと。


私は幼い頃、普通に大人が観ている時代劇(水戸黄門、必殺仕事人、大江戸捜査網、桃太郎侍etc)を楽しんでいました。
時代劇というのはそういう懐の深さがあるのでは無いかなと思います。
1話完結、勧善懲悪、アクションシーン・・・特撮、アニメと同じ感覚で楽しんでいたのかなと。
そういう時代劇を観る機会が少ない昨今ですから、今回こうやって観ることができて良かったですよ。


草薙くん、やはり良いですね。
実直、クソ真面目なハイスペック主人公がとても似合います。
娘役の清原さんも、この前観た『青春18×2 君へと続く道』よりこちらの方が魅力的でした。
真面目な親子像をこの2人で観ることが出来たのが本当に良かったです。

Posted by kanzaki at 11:14
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