2022年04月03日

映画「マイライフ、ママライフ」の感想〜「今の日本における子供を育てる大変さ」をうまく表現した作品

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●「マイライフ、ママライフ」公式サイト
https://mymom.mystrikingly.com/

監督:亀山睦実
主演:鉢嶺杏奈・尾花貴絵

現代女性ならではの生きづらさを抱える2人の女性の葛藤と希望を描く。
仕事に熱中する日々を送る綾は、結婚して3年になる夫から、そろそろ子どもが欲しいと言われ辟易としてしまう。
彼女には、妊娠・出産に勇気が持てないある理由があった。
一方、2人の子どもを育てる沙織は、本当にやりたい仕事を諦めて事務職で働いている。


映画『マイライフ、ママライフ』予告編


※※※


88分の短い作品ですが、「今の日本における子供を育てる大変さ」をうまく表現していたのではないかと思います。
入念な取材とそれを活かした脚本、すぐ隣で起きている現実を表現したうまい演出なので、すっかり見入ってしまい満足度が高かったです。


私は男性ですし子供はいませんが、この作品で実情を理解できて良かったです。
自分なりに、職場のママさん達に対して敬意・理解を示しているつもりですが、もっと温かく支えねばと思いました。


また、現代は女性が生きるのにとても厳しい状況だと思います。
「結婚している・していない」、「子供がいる・いない」は関係ありません。


男性は中学2年生ぐらいから精神年齢は変わりません。
「見た目はオッサン、頭脳は子供!」という逆コナンです。


女性は秩序ある家庭・社会のバランスを調整しようと、自己犠牲になりがちです。
不満や辛さを心にためてしまいます。


本作では、2人の幼い子供を育てながら日中は仕事をこなす主人公が、日々奮闘します。
「家族留学」で出会った同じ年齢で子供を作らない女性(もう一人の主人公)に対し、子育ての良さを笑顔で伝えます。


●manma|家族留学
https://manma.co/
(子育て家庭の方と交流することで実際に将来について考えたり、悩みのヒントを得たりすることが出来る家庭版OBOG訪問)


しかし、理想的な家族像を実現するために、自分を犠牲にしていたのです。
理解を示さない旦那や会社の上司の為にです。


そして後半、その辛さをもう一人の主人公へ泣きながら話します。
鉢嶺杏奈(はちみね あんな)さんの演技、とても良かったですよ。
世の中のママさんが心にため込んでいる事を上手に表現していたと思います。


その辛さを旦那さんへ伝える橋渡しが、もう一人の主人公。
背が高いカッコいい姿の尾花貴絵さんの言葉は説得力がありました。


※※※


出てくる女性俳優のみなさんが全員、とても美人で驚きました。
しかも、自然な笑顔が素敵なんですよ。
演じているキャラが、仕事も家庭も大切にして真面目に取り組んでいる常識のある人ばかり。
確かに、実際に仕事で接することのあるママさん達ってこういう感じだなあと、再現度の高さに感心しました。


基本、旦那さんは家庭のことをしない。
だからママさんが家事一切をやりつつ、日中は仕事もこなすので、自分の時間が一切ありません。
毎日がそんなオーバーフロー状態だから、ちょっとしたハプニングがあると、とても追い詰められます。


家族の事・・・例えば仕事中、子供が熱を出したので、急いで施設へ迎えに行かなければいけない。
上司へ説明しに行く際、言い出しにくくてとても辛そうにしている表情とか、身につまされるシーンも多くありました。
その事情を聞いた上司が、了解はするもののちょっと嫌味な言葉を返し、相手の心なんて無関心な態度は、お芝居とはいえ腹立たしかったです。


※※※


上映最初、黄色いブロックノイズが盛大に出て数分後に再上映というレアなハプニング付きでした。
それもまた良い経験です。


とても良い映画ですので、家族について考えてみたい方におススメです。

Posted by kanzaki at 19:13
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