2005年02月08日

フォーエバー・デカレンジャー【1】

デカベースがエージェント・アブレラに占拠された。
潜入したデカレンジャーも強制変身解除させられてしまう。
さらに地球に向かった宇宙警察の主力部隊にも恐るべき罠が仕掛けられていたことが判明!
ボスが最後の通信で伝えようとしていたことは一体何か?
全宇宙最大の危機に、変身出来ないバンたちはどうするのか?

・・・と云う訳で、特捜戦隊デカレンジャーは、2005年2月6日(日) 第50話「フォーエバー・デカレンジャー」を持って終了しました。
過去の戦隊シリーズ・・・否、特撮全体を見渡しても、これだけ質の高い作品は無かったのではないでしょうか。
そして最終回は、今までの集大成とも云うべき出来でした。
全く不満の無い見事なまでの最終回を見せつけられ、尚且つ、この作品の世界は終わってない、まだまだ続いていくんだ・・・そう感じさせてくれる最終回でした。
さあ、その感動の最終回を振り返って見ることにしましょう。
眠気眼で見ていた人は気づかないであろう細かい演出が沢山あります。
これを読んでから、再度、ビデオで見返して見てくださいね。

先週のあらすじの後、絶体絶命のデカレンジャーの姿。
しかしバンは、「負けるもんか。闇に潜んで悪をはびこらすお前らなんか、絶対に滅びる。正義は絶対に勝つんだ!」と叫びます。

この後、赤い背景に、複写機でコピーしたかのようなバンの吼える顔が映されるのですが、ちょっと怖いです(笑)
お子様はビビッてしまいそう。
雰囲気としては、映画「仁義なき戦い」のような絵ですね。

その後、タイトル。
6人のメンバーがデカスーツを着ずに、自分達の変身後の武器を構える姿が映し出されます。
そんな中、いつものナレーション。

"S.P.D" Special Police Dekaranger
燃えるハートでクールに戦う 6人の刑事たち !
彼らの任務は地球に侵入した宇宙の犯罪者たちと戦い、
人々の平和と安全を守ることである!
Episode.50 フォーエバーデカレンジャー

・・・おっと、「5人の刑事たち !」ではなく「6人の刑事たち !」と云ってますよ。
つまり、デカブレイクことテツも含まれているのですね。
最終回では、テツの成長ぶりが色んな形で取り上げられていましたね(それは後ほど)。
ちなみに、チビッ子達の間では、テツは大人気だそうです。
本人達も登場するショー等にテツが登場すると、他のメンバー以上に盛り上がるとか。
特キョウと云うエリートである特殊なポジション。
それとは反対に、後輩と云うポジションでもあるから、5人のデカレンジャーを見る視線は、視聴者である子供達と同じ視線だから親近感もある。
あと、腕に付いている「ブレスロットル」は、そのオモチャを所有していなくても、左腕を構えて右手でアクセルを回す仕草をするだけで、デカブレイク気分になれると云う手軽さ。
そんな所が、人気の秘密なのかもしれませんね。
登場したばかりの頃は性格が悪かったけれど、いつの間にやら「何かイイ!」と後輩キャラへ。
空気化してしまうのではとか、5人とドギー、スワンの絶妙なメンバー構成が崩れてしまうからいらないとか、否定的に見られていたのですが、上手くなじみましたね。
他の戦隊シリーズだと、後から出てきたメンバーは、主要メンバーとは一線を引いて活躍していたのですが、デカブレイクは本当の意味で6番目のメンバーとなっていた所が珍しかったですね。

ウニーガ、ガニメデ(東映はカニさんが好きだなあw)、スキーラの攻撃をデカスーツ無しで受けていては、流石にデカレンジャーのメンバーはたまったものではありません。
さあ、特殊な装備無しで、どうやってアリエナイザーに対抗するかが最終回の見所の一つです。
公式サイトによると、ウニーガはトゲトゲしい性格、ガニメデはじゃんけんに弱くて(チョキしか出せないもんなあ)、スキーラはブランド好きらしい。
他にも面白い設定が載っているので、是非、ご参照を。

絶体絶命のピンチを救ったのはマーフィーです。
ここしばらく、あんまし活躍らしい活躍もなく、ディーバズーカもスワットモードのおかげで登場しないと云う不遇な扱いでしたが、最終回ではちゃんと活躍しましたね。
最後の最後、6人でディーバズーカを構えてアブレラを倒すと云う姿が、番組当初のスタイルっぽくて何かイイ!

その後、メンバーは分散して行動。
最終回は、デカベースの中がメインと云うのが面白かったですね。
密閉された限られた空間。
自分達が普段いる場所ゆえ、細かい所まで知り尽くしているからこそ知恵を働かして行動し、相手を翻弄する・・・見ていて楽しいですよね。
通常、戦隊シリーズの最終回は、巨大なラスボスが登場するのがお約束。
しかしデカレンジャーでは、何と自分達の基地であるデカベースロボを巨大なラスボスに仕立ててしまった。
これにより、数話しか登場しないラスボスに多額の予算を使わなくて済むのは、製作側としても嬉しいところ。
下手に未見なラスボスを出すより、今まで見慣れたモノが出てきた方が、視聴者としても感情を入れて見られるのもいいですよね。
メカニック系の戦隊故、メカの操縦を乗っ取られれば、正義の為の武器も悪の兵器に変わってしまう・・・うまいです。

メンバーはバラバラに行動。
アブレラの仕業により変身も出来ない、通信も取れない中、果たしてどうするのか・・・。
ふと思ったのですが、デカベースは現在、デカベースロボに変形し、垂直に立っているんですよね?
普段、寝ている姿勢から立ち姿になっていると云う事は、施設内は全て90度回転しているはず。
なのに画面を見ている限り、普段のデカベース内と同じだぞ???
・・・と、そんな意見はデリート。

そんな中、デカウイングロボを操縦するテツ。
デカブレイクの変身には、他のメンバーと違ってデカベースは不要です。
だから先週、攻撃のダメージで変身が解けたけれど、再度変身する事は可能なんですよね。
でも、あえてテツのままで操縦したのは、それだけ一生懸命頑張っている姿を視聴者に見せる為なのでしょうね。
まあ変身しない理由なんて、「変身解除後、一定時間は変身が出来ない」とか適当な脳内設定をすればいいだけの事です。
ロボ同士の戦いは、今までのバンク映像だけでなく、新作のCGも使われていましたね。
新たなラスボスを作らなかったり、デカベース内での戦いのおかげで新しいセットをあまり作らなくて良い分、こっちに予算が回せたのかな?

過去に何度か、デカベースが乗っ取られる類のエピソードがありましたよね。
そこは最終回。そこはデカレンジャー。
同じ手をただ単にくらっている訳ではありません。
スワンさんお得意の「こんな事もあろうかと」対抗策は練られていました。
しかし、その対抗策を知っているドギーも応答無し。
果たして、どうやってデカレンジャーのメンバーは知るのか?
最終回は、最後の最後になるまで、ドギーを出しませんでしたね。
きっとこれは意図的ですよね。
デカマスターは人質とられたり等、良い心を逆手にとられなければ、いつも最強無敵の存在です。
本当、デカマスターはラストまで弱体化しませんでしたね(スタッフ偉い!!)。
そんなデカマスターを登場させず、彼の部下達だけで最後の敵を倒すことにより、彼らの成長した姿を画面上にアピール出来ます。

ジャスミンがディーソードベガをゲット。
それをライフルとして使ってザコどもを一網打尽。
射出した際にあまりの勢いで、ジャスミンが後ろの壁に身体を打ちつけたのは、この武器の威力が強い事と、それを軽やかに使えるほどデカマスターは強い事を主張できます。
本当、細かいところまで演出が行き届いていますね。
最終回は、各メンバーの才能が如何無く発揮されます。
今までの各エピソードで着実にキャラクターを育て上げてきたからこそ、そういうのが映えます。
ジャスミンは、ディーソードベガを左手で触ることにより、ドギーが伝えようとした事を読み取ります。

「ジャスミンはエスパーである。物体を通じて、それに触れていた人の思いを読み取ることが出来るのだ」

ちゃんと最終回でも、このナレーションが出てきました。
繰り返し使われたこの言葉を最後にまた使う事に意味がある。

ジャスミンはセンちゃんと合流。
ジャスミンは鉄工所の奥にあるマーフィーの小屋の奥に隠しスイッチがあり、そのスイッチをオンにすると、デカベースのコントロールの全ては鉄工所に移る事を伝えます。
二人はスキーラに襲われそうになったので逃げる。
ただ逃げるだけではありません。
今度は、センちゃんの活躍する番。
センちゃんは逆立ちをしています。

「これは、センのシンキングポーズである。これをすると何かがひらめくのだ」

このナレーションも繰り返し使ってきたおかげで、この最終回の場面が映えるのです。
電気系統を扱う場所へ移動し、館内の照明を落とします。
暗くしてその隙に何かしようとしているのかと考えるアブレラ(アブレラって名前は、コウモリ傘→アンブレラから来ている事に今、気づいた)。
しかしそれは間違い。
照明を付けたり消したり、それも不規則に行います。
これは、「SPDシグナル」だったのです。

「SPDシグナルとは、スペシャルポリスにしか分からない暗号である。長短二種類の符号の組み合わせで文字をあらわし、メッセージを伝えることが出来るのだ」

・・・それって、モールス信号じゃん!!(笑)
けれど普通のモールス信号だと、アブレラ達に気づかれちゃいますものね。
だから、これはやはり特殊な信号なのだと私は解釈。
これで離れていた各メンバーにメッセージを伝える事が出来ました。

センちゃん、ジャスミンは、ついにスキーラに見つかってしまいます。

スキーラ「チカチカとうっとうしいのよねえ」
センちゃん「ジャスミン。後はバン達を信じて、俺達はこいつを食い止めよう」
ジャスミン「賛成の反対の反対!!」

おお、ジャスミン語録が最終回にも追加されましたよ。
ジャスミンはこれが無いとね。
よくまあ、この30分と云う短い間に次から次へと、各メンバーの特徴を活かしきっていること!!

デカベースの外で、テツも戦っています。
操縦しているデカウイングロボが、デカベースからのビームを食らって後ろへ吹き飛ばされるシーンは迫力とスピードがありましたね。
「ナンセンス!」と絶体絶命のピンチ。
アブレラが「やめろ、勝敗は見えている。しつこく抵抗したところで、もう後15分だ。ふふふふふ」と云います。
なんとですね、地球軌道上にいる艦隊を長官ヌマ・Oが緊急停止を命じたのは、放送から15分後なんですよ。
アブレラがこの台詞を云ったのが放送から8分後ではありますが、ちゃんと15分という数字を意識して作ったのではないでしょうか。
だとしたら、スタッフ凄すぎ。

バンとホージーの行く手にカニメデがいます。
動けず困っている二人。
そんな中でも、「どうする相棒?」「相棒って言うな」の掛け合い。
これも今まで何度も聞いてきた会話ですね。
それを遠くで見ていたウメコ。
何か良いアイディアが浮かんだらしい。
「ここは、リーダーの私に任せて!」と、ウメコのいつもの台詞。
今までのエピソードを見つづけてきた人達には嬉しい台詞の数々。

そして、カニメデの前にあるシャッターが開きます。
すると「♪チュチュチュ、泡、泡〜」と何時もの入浴シーンですよ!!
どこをどうとってもあり得ないシチュエーションを出すところが凄い!
ウメコと云えば、やはり入浴シーンですものね。
緊迫の最終回にまで見られるとは思わなんだ。
いつも通り、ヒヨコ(アヒル?)の玩具も浮かべています。
この玩具は初回、ウメコを演じている美香さんがスタッフにリクエストしたものだったんですよね。
さらにそれらに名前をつける芝居までアドリブまでしちゃたのも彼女。
「普通、こんな状況じゃ、入らないでしょ!」とカニメデにまで突っ込まれていましたね。
そういやデカレンジャーって、視聴者が突っ込みを入れたくなるような場面では、ちゃんと劇中で登場人物が突っ込みを入れたりしていましたよね。
一番記憶に残っているのは、「デカマスターになると、ドギーのあの前に長く伸びた鼻はどう収まっているんだろう??」と云う視聴者の突っ込みたい気持ちをデカレンジャーのメンバーがドギーに聞き、「それは聞くな」と返した事ですね(笑)

ウメコがカニメデの意識を自分に向けさせている間に、バンとホージーが見事その場を通り過ぎる事が出来ました。
バンがウメコにピースサインを送った際、指をカニのハサミのようにチュキチョキと動かしたのも、細かい演出だなあと思いました。
ウメコが浴槽から飛び出た際、「裸?」とか期待した人達は多かった事でしょう。
私もその一人。しかし私は謝らない。
カニメデの頭の上に乗っかっている時には、ちゃんと制服姿でした(残念!斬り!)。
早変わりも得意だと云っているけれど、いつかのエピソードでは入浴中に緊急出動がかかり、頭が泡泡だった事がありましたよね。
被っていたシャンプーハットをドギーの顔に付けたのに笑ったものですよ。
ドギーに怒られていましたが、あれで改心して、こういう特技を身に付けたのかな? なんて、過去のエピーソードとリンクしちゃいます。
カニメデは蹴りを入れられて浴槽に頭を突っ込んじゃいましたね。
出した時には口の周りが泡だらけ。
カニは泡を吹くけれど、それをお風呂の泡で再現するなんて、何て洒落てんでしょう。

これで形勢逆転か? と思わせ、再度、各メンバーがピンチに。
おお、ハラハラドキドキな展開をしっかりと演出しています。
ウニーガがバンとホージーの首をしめて壁に押し付けました!
壁が粉砕していたけれど、生身の姿なんだから骨が折れても可笑しくありません。
けれど、その後の活躍を見ると、どうやら骨折していないみたい。
さすがスペシャルポリス。
きっと彼らはこう云う事でしょう「結構、鍛えてます!」と(笑)

デカバイクロボの特攻には驚きました。
沢山ロボットが登場した番組ですが、どれもラストエピソードで空気化しないように、何かしら見せ場がありますね。
その特攻で揺れた隙、バンとホージーは首を絞められていたのを回避。
ホージーはバンに、ヘリコプター用のリフトで上へ上がるように指示します。
そこにあったヘリコプターって、劇場版の中で、デカマスターが西武警察の大門刑事のようにディーソードベガをライフルとして撃っていた際、搭乗したものですよね。
細かいところまで小道具を用意しているなあと感心。

バンがリフトのスイッチを押そうと思ったら、ザコ兵に邪魔をされます。
ホージーもウニーガに邪魔されている。
するとホージーは、バンにとにかく乗れと指示。
何とホージーは、下に落ちていた壁か何かの小さな破片を拳銃で撃ち、その勢いで跳ねた破片でリフトのスイッチを押します。
ホージーが射撃の名手だと云う設定をちゃんとここで活かしています。
第3話 パーフェクト・ブルー、第11話 プライド・スナイパーなんかで、射撃の名手である事を語っていました。

何とか飛び乗るバン。
それを追いかけようとしたウニーガーを取り押さえるホージー。

ホージー「後は頼んだぞ、相棒!」
バン「えっ? この野郎(ニヤリ)。相棒って言うな!」

やべっ。いつもの相棒逆バージョンを見たら涙が・・・。
BGMのかけ方も上手いよなあ。
アブレラの強気な台詞でAパート終了。

今日はここまで。
過去のエピソードの名場面・名台詞、各キャラクターの個性を存分に出し切った演出が光っていましたね。

大風呂敷を広げず、警察vs悪党の図式で語ってきたこの番組。
けれどそのお陰で、各キャラクターを深く掘り下げる事が出来たんですよね。
悪側はアブレラで止めておいて、もっと強力なラスボスを作らなかったのも正解。
アブレラって、特殊な戦闘能力も無いのに、知恵のみでここまで戦いきったのは凄いですよね。
演出のお陰で、視聴者はアブレラを小悪党と見下しませんでした。
声優さんの芸達者なお陰もあるとは思いますが。
当初、アブレラは割と早い段階で退場する予定だったらしいけれど、初期段階の作風で手ごたえを感じたから最後まで突き進んだのでしょうね。

王道を王道のまま駆け抜けたこの展開に感動。
非の打ち所が無いですよ。
王道を「ありきたり」と解釈せず、やり遂げたこの作品。
次回はいよいよBパート、クライマックスです!!

Posted by kanzaki at 2005年02月08日 22:58 | トラックバック (1)