2021年01月30日

スナフキンの名言〜「なんでも自分のものにして、もってかえろうとすると、むずかしいものなんだよ。ぼくは、見るだけにしてるんだ」

sunafukin002.jpg

「なんでも自分のものにして、もってかえろうとすると、むずかしいものなんだよ。
ぼくは、見るだけにしてるんだ。
そして、立ち去るときには、それを頭の中へしまっておくのさ。
ぼくはそれで、かばんをもち歩くよりも、ずっと楽しいね」

(スナフキン)
(『スナフキンの本音: 自由と、幸せと、人生について』(立樹まさ 著)より)



「ムーミン」に登場する人気キャラクター「スナフキン」。
私の大好きなキャラです。


自由と孤独、音楽を愛する旅人。
クールで物事を所有することを嫌います。


身軽な彼は冬眠はせず、冬が来る前に南へ旅立ち、春の訪れとともにムーミン谷へ戻ってきます。
最近、ソロキャンプがブームですが、ある意味、スナフキンはその先駆者みたいなものです。


「それはいいテントだが、人間は、ものに執着せぬようにしなきゃな」
「持ち物をふやすということはほんとにおそろしいことですね」


彼はそんな言葉を発する「ミニマリスト」でもあります。


所有すると、手にしたときは嬉しいのですが、維持・管理していくというのは大変ですからねえ。
そういったものに縛られないスナフキンだからこそ、あちこちへ旅にでかけられるのですよね。


※※※


そんな「モノをなるべく持たないという生き方」を実際に行った有名な人がいます。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローです。


●ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、アメリカ合衆国の作家。
ウォールデン池畔の森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を2年2か月間送る。
代表作『ウォールデン 森の生活』(1854年)は、その記録をまとめたものであり、その思想は後の時代の詩人や作家に大きな影響を与えた。


「どんなものでも、やがては朽ち果てる。
あるいは、盗人に持ち去られてしまう。
そのことを、死ぬ間際にはだれもが気づくはずだ」

(『WALDEN』 CRW PUBLISHING LIMITEDより)  」(『モノやお金がなくても豊かに暮らせる』(ヘンリー・D・ソロー 著)より)


モノを必要以上に持つことが愚かだと考えました。
ソローにとって、モノを持たないというのは、生き様です。
モノを持てば持つほど、がんじがらめになって、自由を奪われ、自分自身を奪われていく。
モノを持たなければ、盗まれることもない。
暮らしに必要な最低限なモノと避難場所として心地よい場所だけを求める生き方をすれば、「今を生きている」という掛け替えのない充実感が得られるはずと考えたのです。


※※※


ストレスに比例して、ロマン重視な生き方を模索したくなります。
特に男って、そういうところがあると思います。
最近のソロキャンプブームの根底は、ストレスだと思います。


ストレスを減らすため、なにかを生活にプラスするか、なにかを減らそうか考えてしまいます。


「なにかを生活にプラスする」というのは例えば、自分が以前から欲しいと思って我慢してきたモノを思い切って買うとか、なにかの習い事やコミュニティに参加するとかです。
若い時はよいけれど、後年になると、それはそれでストレスになります。
ストレスを他のストレスで紛らわす系。
これが超極端になると、ギャンブルとかお酒に走るわけです。


「なにかを生活からマイナスする」というのは、所有してきたモノを手放すとか、今までの人間関係・コミュニティから離れるとか。
断捨離・ミニマリスト系。


どちらも極端ですね。
今の時代は、「ありのままを受け入れる」ことで対処する方向にシフトしているように思います。


そりゃあ仕方がないですよ。
コロナやらなにやらで、生活そのものが不安定になっており、維持すること自体大変ですからね。
私の住む新潟市は、コロナより連日の雪で、精神的・肉体的に参っており、そこに地域の景気はどん底・大赤字ですから。


受け入れて、心を落ち着かせる。
社会生活の中、極端に走らない。


その落ち着かせる手段として、ひとり旅やソロキャンプをするのかな。
昔なら、近くのお寺がそういう役割だったのかも。

Posted by kanzaki at 21:59
Old Topics