2022年03月02日

「優先順位をつける」「業務を同時並行する」とは

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●『「判断するのが怖い」あなたへ 発達障害かもしれない人が働きやすくなる方法』(佐藤恵美 著)より


【「優先順位をつける」とは?】


優先順位をつけるとは「Aが1番、Bが2番、Cは3番という具合に、重要度や納期に応じて順番に並べることである」という考えは決して間違いではありません。


しかし、これを実際の業務に当てはめると、少し違います。
既述の「複数業務の同時並行」の話でもわかるように、大抵の場合業務は「一つ終わったら次に移る」というわけにはいかないので、実際は一つひとつにきれいに優先順位はつけられないのです。


ですから、「優先順位をつけなさい」と言われたときには、「それぞれ適切なタイミングでアウトプットしてください」と言われていると考えたほうが現実的です。


文字通り、業務に優先順位をつけようとすると、かえって混乱することがあります。
だとすると、結局のところ「複数の業務を同時並行でやれ」と中身は同じで、複数の業務を適宜行き来しながら、どの業務もそれぞれの納期にゴールできるようにする、ということになります。


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【「業務を同時並行する」とは?】


発達障害特性のある人は、「複数業務の同時並行が苦手」などとよくいわれます。


しかし複数業務の同時並行といっても、まったく「同時」に業務を行うわけではありません。
手も頭も一つ(一対)しかありませんから、まったく同時にできるわけがありません。


仮にABCD4つの業務があるとすれば、Aを1時間やって、Bの必要性が出たらBに移って、Cも少しだけ手をつけておくけれども途中まででやめておき、全体の業務の状態を俯瞰して、またAに戻って作業を進め、Dは手が空いたときに構想だけを考える……というように、業務の全体像を確認しながら4つを行き来して、すべての納期に間に合うように、随時、所要時間や順番を入れ替えながら行っていくというものです。


「複数を同時並行」という表現は、何か魔法のようでわかりにくいのですが、こうやって一日のうちに複数の業務を行き来しながら行って、それぞれの納期に向かっていくことをいうのです。


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【コメント】


ビジネス書などでは、マルチタスクは否定されています。
けれど実際は上記のように、結果的にマルチタスクなんですよね。


一つの業務を更に分解して細切れにし、現実可能な作業にして実行。
そういう業務をいくつも同時並行で行います。


一応やれてはいますが、ちょっと辛いものです。
そろそろ、こういう日々はやめたいですよ。


ひとつに集中し、丁寧に向き合いたいです。
今は仕事でそれが無理ならば、せめて休日の過ごし方で実践したいものです。
Posted by kanzaki at 07:00
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