●1分間菜根譚 差がつく実学教養(4) (1分間名著シリーズ)(著:洪 自誠、齋藤 孝)より
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original
爵位 は 宜しく 太 だ盛んなるべからず、太だ盛んなれば 則 ち危し。
能事 は宜しく 尽く 畢 わるべからず、尽く畢われば則ち衰う。
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現代のビジネス書や自己啓発書の多くは
「能力を出し惜しみするな。
人は全力を出し切ることでさらに伸びる」
と激励します。
しかし、『菜根譚』は中庸を説きます。
「爵位や官位は登り詰めないほうがよい。
あまり登り詰めると、人から 妬まれてその身が危うい。
特別な才能は出し尽くさないほうがよい。
あまり出し尽くすと、長続きせず下り坂になる」
「品行は上品にしすぎないほうがよい。
あまり上品にしすぎると、仲間外れにされて、そしられたりけなされたりするようになってくる」
現代の若者は「出世したい」「できれば出世したい」が四割で、「出世したくない」「出世にこだわらない」が六割といった比率になるようです。
『菜根譚』は約四百年も前の書ですが、現代の若者の意識と不思議に一致します。
中庸は「能ある鷹は爪を隠す」といった諺があることからもわかるように、いつの時代でも常に基調低音として存在します。
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【コメント】
・言ったもん勝ち
・出る杭は打たれる
両方とも真実でありながら相反するもの。
けれど世の中はそれが成立しており、世の中はまだらに塗られています。
「出世したくない」と「中庸」は、個人的にはイコールではないように感じます。
出世しても中庸の精神の人もいるしね。
中庸は心のあり方であって、出世のツールじゃない。
バランスを取るためのものなのでは。
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