2025年06月22日

絵本を楽しむような時間が必要〜宮崎駿

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●読書する人だけがたどり着ける場所(著:齋藤 孝)より


アニメは素晴らしい文化ではありますが、イメージ力を鍛えるのにはあまり向いていません。


宮崎駿さんはインタビューの中で、「子どもが気に入って『となりのトトロ』を何十回も見ています」というお母さんに向けて「そんなことをしてはダメです」ということをおっしゃっていました。
名作だからといって、子どもに繰り返し見せるものではないというのです。

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映像は、見ている見ていないに係わらず一定のスピードで送りだされる一方的な刺激ですが、絵本は、違います。
今のように子どもたちが、映像に頼れば頼るだけ、これからは現実の生活の中で、絵本を楽しむような時間が必要になってくるんじゃないですか。
(『折り返し点』 宮崎駿/著 岩波書店)

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アニメは好きで見るけれど本は読まないというのでは、宮崎アニメの本当の深さに気づけないかもしれません。


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【コメント】


私は映画、ドラマ、アニメを楽しく観ています。
しかしそれ以上に、本を読んでいます。


読書が日常習慣になったのは、この5年ぐらいでしょうか。
早起きを習慣とするようになり、朝に読書するようになりました。


それまでは、ネットと新聞の「情報」さえあれば良いという考えでした。


ところがそういった情報は、どんどん湯水のごとく現れては消え、その情報が有効に使える期間は僅かでした。
自分の血肉にはならないということに、後年になって気づきました。



本は大抵、一人の人間が執筆し、編集部の修正を経て世の中に出ます。
正直、本を一冊書くのに、本人に入る儲けなんて僅かです。
しかし、多くの著者は、儲けを度外視して、自分の持っている知識・考えを人生観にまで昇華して書いています。


そこまでして書いた本というものを読者が自分のスピードで主体的に読む。
いろんなことを考えながら読むことが、自分の人生に影響を与えていきます。


読書するようになってから、主体的に生きるようになったように思います。
それは特定の本から得られたものではなく、毎日の積み重ねられた読書という行為のおかげのように思います。



ちなみに現在は、今生きている人の本も読んではいますが、同時並行で、「論語(孔子)」、「道をひらく(松下幸之助)」、「方法序説(デカルト)」等も読んでいます。
私は一冊ずつ読むより、複数の本を同時並行で読むスタイルの方が向いているようです。

Posted by kanzaki at 2025年06月22日 11:29