前回の続きです。
●新潟県津川地区の祭り「狐の嫁入り行列」【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002080.html
前回までで、この祭りの流れを一応ご紹介した形になります。
この祭りの注目すべき点は、この5,000人しかいない小さな街に、この祭りを見る為、約5万人もの人達が訪れることです。
デスティネーションキャンペーン(JRグループ旅客社と指定された自治体、地元の観光事業者等が共同で実施する大型観光キャンペーン)によってこの祭りが開催されました。
第一回は1990年の事。
とても幻想的な内容なので、もっと大昔から行われていたのかと思いましたよ。
地元に伝わる言い伝えや民話を掘り起こし、祭りそのものがストーリーになっているのが面白いですね。
「花嫁・旅立ちの儀」→「狐の嫁入り行列」→「子狐の祝踊り」→「結婚式・披露宴」→「フィナーレ」の構成。
最後は、夫婦が渡し船に乗って山へ向かい、その後、その山に一列の狐火が現れて、鳴き声が響きわたります。
一方、夏祭りの花火も、見物するのが楽しいものです。
この花火に音楽とストーリーが加わるとどうなるでしょう?
秋田県大仙市大曲地区で毎年行われる「全国花火競技大会」は日本一の花火大会です。
どんな花火かは、動画で見てもらう方が話しが早いかと思います。
●秋田県の大曲大曲全国花火競技大会 大会提供花火 「未来惑星栄光への輝き」1080p HD
音楽に合わせて約5分前後に渡り、壮大に打ち上がります。
花火単体でも美しいのですが、音楽とストーリーが組み合わさると、この世のものとは思えない感動を味わえます。
私も実際に見に行ったことがありますが、これは皆さんにも是非味わって欲しいものです。
祭りと言いますと、露店が並ぶだけでも楽しいのですが、このように一本の映画を見るかのような体験を味わえる祭りというのは、今後のキーワードになるのではないでしょうか。
それによって、他の祭りとは差別化できますので、大勢の観光客を期待できます。
人が来れば、それに相応しい数の露店が並びます。
今回の「狐の嫁入り行列」でも、川べりに沢山の食べ物屋が並びました。
地元産の食べ物は勿論ですが、この祭りは狐が主役ですから、狐にちなんで油揚げを使った食べ物等もありました(土産用に、狐の煎餅やお面、人形もありました)。
見物客は見たり、食べたりだけではなく、自分の顔に狐のメイクをしてもらったり、耳飾りを付けたりすることで、自分達も祭りに参加したように感じられるのも実に興味深い。
地方の田舎町の祭りは、その地元の人達が参加し、自分達で楽しむ傾向があります。
それ故に結束力が強まりますが、観光客は疎外感があるのも事実。
しかし今回の祭りのように、狐のメイクをする事で、他所から来た人達も地元民と一緒になれるのは良いアイディアだと思いました。
「その町の伝統・言い伝え」「ストーリー、テーマがある」「観光客も参加できる」これらのキーワードをご自分の住んでいる地域に重ねてみると、町おこしのヒントになるかもしれませんね。
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