●古典が最強のビジネスエリートをつくる(著:齋藤 孝)より
※内村鑑三 『代表的日本人』
内村鑑三(1861―1930)は、「代表的日本人」として西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮の五人をあげ、その生涯を叙述する。
日清戦争の始まった1894年に書かれた。
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『代表的日本人』は読みやすい。タイトルからして面白そうな本です。
新渡戸稲造『武士道』、岡倉天心『茶の本』と並び、日本人が英語で日本の文化や思想を西欧の社会に向けて紹介した当時の代表的な著作です。
日本語の訳者は鈴木範久さんです。
紹介されている五人のうちの一人の話でも読んでもらえると、へえすごいな、これが日本人なのだなと勇気づけられるでしょう。
一番目が西郷隆盛です。
さらに上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮聖人と、取り上げられるのは全部で五人です。
昔の日本人の良さを持った人物たちです。
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西郷隆盛で特筆すべきは、人間の大きさです。
西郷の人物像について、身の回りのことを世話した人間が、「一三年間いっしょに暮らしましたが、一度も下男を叱る姿を見かけたことがありません」と言います。
西郷は、人に対してむやみに叱ることもないし、自分のことは自分でやって、「子供みたいに無頓着で無邪気でした」と。
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西郷は「敬天愛人」という言葉を大事にしていました。
彼の人生観を要約しています。
「天はあらゆる人を同一に愛する。ゆえに我々も自分を愛するように人を愛さなければならない」。
それが西郷の基本です。
「敬天愛人」は、天に恥じない生き方、あるいは天というものに則した生き方のことです。
西郷隆盛の時代の人たちは、本当にリアルなものとして、天を自分の心の中に持っていた。
自分が何かをしようとするとき、天に恥じない、天に則った行動をしようという意志があったために、人から信頼されたのです。
今、自分が天に恥じない行為をしているか、天のチェックを心がける日本人は少ないと思います。
倫理観の衰えを感じます。
「天を相手にせよ。人を相手にするな。すべてを天のためになせ」 と西郷は言います。
今一度、日本人に思い出してほしい言葉です。
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【コメント】
幼き頃、大人になったら、「ちゃんと大人の考えを持った人間になるのだろうなあ」と思っていました。
当時はまだ、周りにいた大人も、テレビや新聞などのメディアも、きちんと大人の態度であったように記憶しています。
現代は、体だけは大人だけれど、心は中学生と変わらない人が多いです。
私もその一人です。
おそらく昔の人も、心は幼き頃と変わらなかったのではないかと感じます。
しかし、相手に対しての言動は、大人の態度を貫いたのではないかと。
時代がそうさせたのだとは思いますが、それでも誰しもがそういう態度を示せたのは素晴らしいことです。
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