●三色ボールペン読み直し名作塾 (著:齋藤 孝)より
三色ボールペンで線を引きながら本を読もう、と提唱してきた。
客観的に「すごく大事」な箇所に赤、客観的に「まあ大事」な箇所に青、自分の主観で「面白い」と思った箇所に緑を引く。
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この本では、十話の「名作」を題材に、私が独自の読み込み方を解説している。
ポイントは、 登場人物の「ヘン」さを受容し、反面教師にする視点 だ。
小説とは、ヘンな人たちが、ヘンなことをしでかす物語である。
普通ならやらないだろうこと、しなくていいことをしてしまう人たちの人生が描かれる。
学校教育で名作を教材にすると、どうしても倫理的、道徳的な面をクローズアップさせる傾向があるが、小説の 醍醐味 は、むしろ、人間の弱さだったり、醜さだったり、負の感情の発露にこそある。
ヘンなやつではあるが、同時にそれは「どこかで一歩間違ったら、自分だってこうなってしまうかもしれない」と思うような感情の動きだったりする。
そんな人間味がリアルに描き出されていて、多くの人の心に強く問いかけてくるものがあるのが名作だ。
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私は、 読解力とはけっして国語のテストでいい点を取るためのものではなく、自分の人生で人とうまくコミュニケートしていくための力だ と思っている。
現実社会には、理不尽なことや不合理なことがたくさんある。
生きていくためには、自分の理解を超えていることも受けとめなくてはいけない。
共感や同意はできないにしても、そこに「理解」と「受容」という橋をかけることができれば、どう対処したらいいかを考えることができる。
他者との共存は、そういう思考回路を養うところから始まる。
人生に効くエッセンスが詰まっている名作を、人の気持ちへの理解力、受容力をもつためのトレーニングメニューとして読み直そう。
名作のなかの「ヘンなやつ」の心理を読み込める人は、現実対処の仕方も変わる。
人にかける言葉ひとつも変わり、コミュニケーションギャップが少なくなる。
ぜひ、ニコニコマークや泣きべそマーク、プンプンマークなどの顔絵文字を使いながら、楽しく読みを掘り下げ、人間理解力を深めてほしい。
そうすることで、自分自身のストレス耐性も高まるにちがいない。
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【コメント】
自分とは考えや性格が異なる人を理解・受け入れる為のトレーニング。
小説には、そういう側面があるという視点が興味深いです。
確かに、あまりに普通なキャラだと、お金出して読みたいとまで思う動機にはなりにくいですからね。
現実世界での円滑なコミュニケーションの為にも、変な登場人物たちが繰り広げる小説を読み続けようと思います。
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