2024年01月10日

「死」を遠ざけている風潮

sikaratoozakeru.JPG

●『あきらめよう、あきらめよう 不安、イライラ、怒り、執着を消すヒント』(鈴木 秀子 著)より


子どもから「死」を遠ざけていると、その子はずっと死を理解することができません。
そして、死に対する誤ったイメージがふくらんで、必要以上に不安がってしまうこともあります。
私は、「死についての教育」が必要だと、日々感じています。  


そして、子どもだけではなく大人も一緒に、死について真正面から考えてほしいと願っています。
なぜなら、死について正しい理解を深める(明らめる)ことは、よりよく生きることとつながってくるからです。


また、「せっかく授かった自分の命を、最大限に生かそう」「自分の人生に責任を持って、輝かせていこう」という気力が、一層湧いてくるはずだからです。

ーーーーーーーーーー

カトリックでは、亡くなった人に対して「ハレルヤ」(「おめでとう」「よかったね」の意)という言葉をかけて、祝福します。臨死体験をした私としては、確かに「死とは祝福されるべきものかもしれない」と素直に感じます。

ーーーーーーーーーー

死へ静かに向かえるよう、心を安らかに整えていきましょう。
それが生き延びることへの諦めとなる聖なるあきらめなのです。  


先ほども申し上げたとおり、生きていく上でもっとも大切なことは、「知ること」と「愛すること」です。


「知ること」とは、「明らかにすること」「つまびらかにすること」。
これは、「真理(正しい物事の筋道)を理解すること」にほかなりません。


「愛すること」とは、「今、この一瞬を受け入れ、心を込めてすべてに感謝しながら、小さなこと一つひとつを大切にし、心を込めること」です。  


このような習慣が身に付けば、人を心から大切にしながら、今を幸せに生きることができます。


※※※


【コメント】

最近、昭和〜平成初期のエンタメ界で活躍されていた方の訃報をニュースでよく観ます。
昨日報道のあった八代亜紀さんは、まだ73歳でした。
自分の母親と似たような年齢の方の訃報を聞くと、死というものを改めて考えさせられます。


人生100年時代と言いますが、報道される方は80代、70代が多いです。
そう考えると自分自身にとっても、死というものはそう遠くないものだと言えます。


世間では、お金に関する教育不足が叫ばれていますが、こういった「死と言うものを通した、生きることについての教育」もまた不足しているように思います。


一般人にとって、「将来の為のお金」というのは、「老後の不安」を解消するためのものです。
不安は、「事実を知らない」、「具体性を伴わない」と拡大していく一方です。


昨今、お葬式は親族で済ましたり、直葬のみのことも多いです。
直葬の割合は全体の13.3%
東京都では20%ほどと全国平均より多いです。
以前より一層、死というものが隠される風潮にあります。


そういう時代ですし、否定もしませんが、案外「死」という漠然とした不安は、そういう環境も影響しているのかもしれません。
そういう不安の拡大が、「老後の為の資産作り」という方向へ向かわせているのかもしれません。

Posted by kanzaki at 2024年01月10日 06:57