●知性の磨き方 (著:齋藤 孝)より
論語には「学びて思わざれば 則 ち 罔 し」「思いて学ばざれば則ち 殆 し」という教訓があります。
人のいっていることを習うのが「学び」だとすれば、「思う」は自分自身の頭で考えるということです。
考えるだけで学びが足りなければ自己中心的な偏狭な考えにはまり込んでしまうおそれがありますが、「学ぶ」と「考える」のふたつを両輪として進んでいればそうなることはありません。
夏目漱石はそれを生涯かけて実践しました。
夏目漱石が悩み抜いた末に「自分の足で立とう」と気づき、実践したことは、国家や世界といった巨大なテーマを個人が背負うに際しての「悩み方」のモデルになります。
漱石の苦悩は、彼という一個の人間の枠を超えて近代日本にとっても重要な実験だったのです。
漱石が苦悶にのたうち回った結果たどり着いた境地「自己本位」が、答えそのものというよりは答えに近づくための方法論であり、覚悟のありようであったことは漱石の作家性をある意味で象徴しています。
というのは漱石のどの作品にも、何らかの明確な答えが示されることはないからです。
優れた小説とは、読者にとっての一つの現実のように立ち上がってくる力を備えたもので、なおかつその立ち上がる過程で読者に様々な問題を読み取らせ、読者自身の問題として考えさせることができる多様性と余白を持ったものだからです。
漱石の作品は、決してわかりにくい文章で書かれているわけではありませんし、一文ごとの文意はごく明瞭ですが、全体を通してみると非常に多面的なのが特徴です。
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【コメント】
「学ぶ」と「思う(考える)」の両軸をバランスよく維持するのは難しいものです。
特に社会人になると、1日の中でそれを両立させ、続けていけるのは少数でしょう。
「学ぶ」は多岐に渡っており、学校で学ぶもの、資格勉強などが一般的です。
しかし、なかなか日々の仕事を割いて行うのは難しい。
古典、歴史、図鑑といったものに目を通すのも、学びだと思います。
過去の偉人達が築き上げて、尚且つ、現在にも通用するものです。
そこには一種の普遍性があり、眼の前の仕事に重ねられる部分も多いものです。
極端に働くだけ、学ぶだけでは、強力なバイアスがかかります。
バランスよくやっていきましょう。
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