(NIPCOM 第16回プラモデル展示会より)
●古典が最強のビジネスエリートをつくる(著:齋藤 孝)より
※アルベール・カミュ 『シーシュポスの神話』
実はこの世は、たまに不条理なときがあるのではなく、この世はすべからく不条理であると、カミュは考えました。
実存主義と言われる考え方の、ちょっと面白いところですね。
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神々は、シーシュポスに刑罰を与えました。どういう刑罰かというと、「休みなく岩をころがして、ある山の頂まで運び上げるというもの。
山頂にまで達すると、岩はそれ自体の重さでいつもころがり落ちてしまうのであった。
無益で希望のない労働ほど 怖 ろしい懲罰はないと神々が考えた。
全く意味のない労働をさせられるのが、人にとっては一番辛い と言っています。
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シーシュポスは神々に強いられる。
必ず転がり落ちる岩を持ち上げなければならない。
なぜこれが英雄なのだろうと、読み手は疑問に思うでしょう。
カミュが強調したいのは、不満を持たずに彼がこの作業を繰り返し、たゆまずやり続ける、その情熱です。
主人公が「意識に目覚めている」という点がポイントです。
転がり落ちてしまった石を、また持ち上げに「 麓 へと戻ってゆくあいだ、この休止のあいだのシーシュポスこそ、ぼくの関心をそそる」と書かれています。
間中、考えている。
それを明確に意識している。
「明徹な視力が、同時に、かれの勝利を完璧なものたらしめる」と表現されています。
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ここは一つ、 シーシュポスの気分で、不条理が基本なんだ、と覚悟して受け止めましょう。
それが英雄になれる道です。
小さいながらも自分の運命を、不条理なように見えるその運命を引き受けましょう。
それができた人間は、小さな英雄だと思うのです。
「望んだ結果ではなかったかもしれないけど、自分で選択できたじゃないか」 という真理に、気づくことですね。
シーシュポスは、行動を選択することは許されなかったけれど、意識の選択はできました。
やらされて、言われたから仕方なくやっていく人間と、「よし、じゃあそこでやってやろう」と思う人間というのは、意識の選択の違いがあるわけです。
意識を自ら選び取ることで、降りかかってくる不条理を、運命として自分のものにできます。
その意識の鮮明さが、シーシュポスを英雄たらしめているということです。
私たちの幸福や不幸というのは、振りかかってきた運命がラッキーか、アンラッキーかによっては決まりません。
アンラッキーなものを受け止めて、そして自分の運命として押し上げていくのが、本当の幸福です。
そう気づくと、 高邁 な精神を獲得したことになります。
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【コメント】
就職氷河期世代としては、社会はブラック色に包まれた世界だと感じています。
特段、優雅な生活を過ごしたいとか、多くの人に囲まれて死にたいとかはないです。
あるとしたら、「主体的に考えて行動すること」かなと。
あまり自由とかあっても、自分が自由に慣れていない。
義務をコツコツまっとうする方が向いています。
義務の中で、自分なりの自由な発想で行動する。
そういう部分に生きがいを感じます。
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