2025年08月25日

福沢諭吉の力は「前頭葉の力」

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●知性の磨き方(齋藤 孝)より

※福沢諭吉について


じっさい福澤の人生を見ていると、人は理性・知性の力によって、これほどまでに精神を安定させられるのかと驚嘆させられるところがあります。


福澤は安政6(1859)年、 24 歳のときに重大な挫折を経験しています。

横浜に外国人居留区ができたと聞き見物に行きました。
しかし行ってみると、そこで使われているのは英語ばかりで、オランダ語など誰も使っていない現実を目のあたりにするのです。

適塾では塾頭まで務めていましたから、この時の福澤には、オランダ語は完璧に習熟した自信があったはずです。
しかしそれが無駄な努力だったと突きつけられては、さすがの福澤も失望せざるを得ませんでした。

福澤は違いました。
「絶望するだけ時間のムダ」といわんばかりに、横浜から帰った翌日には、英語の勉強をゼロから始める決意を固めているのです。

<この後は英語を読むより外に仕方がないと、横浜から帰った翌日だ、一度は落胆したが同時にまた新たに志を発して、それから以来は一切万事英語と覚悟を 極めて……>

福澤がこの覚悟を決めたのは、結果的に大正解でした。
実際に英語を学び始めてみると、英語とオランダ語の間には想像していたほどの差がなく、オランダ語を学んだことは無駄でもなんでもなかったこともわかったのです。

すぐにゼロからの再出発を決断できた福澤の覚悟の決め方は、やはり驚嘆すべきものだと思います。

福澤がオランダ語や英語に対し、「何が何でもやり遂げる」という 不退転 の決意をもって格闘した学び方、そうした学び方をすることで初めて鍛えられる「 前頭葉 の力」のようなものは確実に存在するからです。
「前頭葉の力」は、いい換えるなら「ものごとを整理する力」でもあります。

福澤がオランダ語から英語への転向を決断できたように、こうした人はどれほどの荒波に直面しようと処し方を自分で判断・決断できるでしょうし、それ以前に未来に起こることを予測・分析し、潮目の変化を感じれば軽やかに自らの立ち位置を変えていくことだってできるはずです。

※※※※※


【コメント】


考えを切り替えるその思考に感心させられます。


強い者が生き残るのではなく、変化に対応できた者が生き残った。
進化の過程から見れば、福沢諭吉の思考は間違っていません。


ちなみに福沢諭吉は、英語を学び始めた際、他の人と一緒に勉強したそうですよ。
他の人と学ぶことで挫折しにくくなりますし、学んだことを相手に説明すると記憶が強化されますしね。

Posted by kanzaki at 2025年08月25日 07:00