●『「異情」な人々』(和田秀樹 著)より
感情に振り回されていないように見えている人は、1つの知恵を持っています。
それは、「待つことができる」。
これだけで十分だと私は考えています。
「自己モニター」のスイッチを入れて、作動させるためには時間が必要です。
状況によっては、数秒、あるいは複雑な事象であれば、分単位が必要かもしれません。
いわゆるカッとなっているときにはこれが働かないのですが、待っていればこの作動が始まるのです。
「森田療法」は、ネガティブな感情は「放っておくこと」と述べています。
「心理面の悪玉菌」は時間の経過とともに、自然にそのパワーが低下します。
「自然治癒力」と言ってもいいでしょう。
ですから、「待つこと」は感情に振り回されないために有効です。
この「待つこと」は、「自己モニター」あるいは「メタ認知」の起動の時間にもなります。
こちらの機能が起動すると、理性的思考回路が立ち上がります。」(『「異情」な人々』(和田秀樹 著)より)
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では、実際の人間関係で「怒り」の感情が湧き上がってきたとき、どうすればいいのでしょうか。
たとえば、相手の主張に対しての「怒り」の場合です。
私は、そんなとき、即座に反論を加えるのではなく、少し沈黙します。
あるいは、判断留保を演じるために、こんな言葉を口にします。
◎「なるほど」
◎「おっしゃることはわかります」
◎「まあ、そうですね」
◎「その可能性は否定できませんね」
自分の中では、反論するスタンスが確定していても、とりあえずそんな言葉で主張を留保するのです。
いずれの言葉も、相手の感情を逆撫でする言葉ではありません。
これが大切です。
わずか数秒の時間に過ぎませんが、「待つ」のです。
その間に、「メタ認知」の起動を開始します。
そして、怒りの感情に振り回されない、合理的思考に基づいた論理、可能ならそれを裏付けるデータで反論します。
こういうスタンスでいれば、基本的に相手もまた理解しようというスタンスを整えます。
怒りに振り回されないために自分に課した「待つ」という時間が、同時に相手を冷静にさせることにもつながるのです。
怒っているときこそ、よく考えること。
そのためには「待つ」ことです。
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【コメント】
怒っているときこそ、よく考えること。
そのためには「待つ」こと。
これは今の私に一番必要な武器だと思います。
理解し合えないと判断した時こそ、これが必要なんでしょうね。
年齢を重ねた大人の方が、よほど子供のように思える時があります。
それは、反射的に感情を言葉にのせて仕事をする人です。
良い方向へ行けば、それはとても魅力的な人物なのでしょうが、大抵は距離を置きたくなります。
私は最近、この「待つ」という武器以外に、「逃げる」という武器も大切なんじゃないかなと思っています。
逃げることで、感情も落ち着きますしね。
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