●子どもが心配 人として大事な三つの力 (著:養老 孟司)より
※高橋孝雄医学博士(小児科)との対談
高橋:
昨今はますます、子どもの時代が「大人になるための準備期間」のように捉えられていますね。
そうして「幸せの先送り」が進んでいく。すると子どもたちは、自分がいつ幸せを享受できるのか、一向に実感できない。
若い世代の自殺が多いのは、幸せな瞬間が未来に回されるばかりで、「いま」を体感できていないからだと思います。
子どもの時代に幸福を味わっていれば、そう簡単には自殺に走らないのではないでしょうか。
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養老
現代は人生がカーナビに従う車のようになってしまった時代であると、しみじみ痛感しますね。
ナビの案内に従えば、目的地までは効率よくたどり着けるでしょう。
しかし、道中にこんな山があるとか、綺麗な花が咲いているといった道草を食う行為が忘れ去られてしまった。
目的に向かって最短距離で走り続ける人生は、まさしくカーナビそのものです。
よそ見をしたり、道草を食ったりしながら、カーナビには絶対に出てこないルートを進むなかで、さまざまな実体験を積み上げていくのが人生だと思うのですが。
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【コメント】
幸せの先送り。
就職氷河期世代は、学生時代、就職活動、就職後もすべて、「その時代が作った競争」に振り回されました。
結果はどうなったでしょう。
多くの企業の人員構成を見ると、この世代がぽっかり抜け落ちています。
年配と若い人しかいない。
いたとしても最少人数なので、激務を強いられます。
企業の不正がニュースになりますが、あれはまさしく上記が原因。
法律・規制は厳しくなる一方なのに、対応する人が少ないから無理が生じてくる。
それで不正をしてしまうのです。
一人の個人の判断ではなく、構成がそうさせるのです。
「幸せの先送り」の中で生きてきました。
近年は、大きな幸せ・・・・・・昔の人が描くような成功・・・・・・・昔だったら「いつかはクラウン」みたいな人の心をあおるものには興味がありません。
生き方の単位が、「年」ではなく「日」になりました。
「今を生きる」
その日を精一杯生きることで、先送り人生を脱却しようとしています。
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