2006年11月10日

11月11日に、悲しい出来事がありませんように

最近のニュースは、学校で巻き起こる悲しい出来事ばかりが報じられていますよね。
そして明日、11月11日に自殺すると云う予告の手紙。
どうか、何事も無く過ぎ去って欲しいと願うばかりです。

金八先生を演じている武田鉄矢さんが、昨今の問題について語られています。

●「死んじゃダメ!」武田鉄矢が中学生へ“金八流”メッセージ
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200611/gt2006111012.html

27年間にわたって金八先生役を務めた武田は、「27年で一番変わったのは日本の中学生」と指摘し、「中学生のみなさん、死んじゃダメ!」とメッセージ。深刻ないじめ問題について、「いじめる奴を説教しても変わらない。問題はいじめられる奴で、大事なのはいじめられる奴を鍛えること」と金八流の考えを示した。また、「教育に関する解決法は討論で生まれるものではない。現場の教師たちからいいアイデアが出てくると思うので、もう少し冷静に見守りましょう」と呼びかけた。

・金八先生が「いじめ問題」斬る
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2006/11/10/01.html

お昼のワイドショーでも、ご自身の言葉で切々と語られていました。
たまたま見ただけなので録画できなかったのが残念です。
学校と云うのは、自分と云うものを分かるための場所だそうです。
自分が他人と違って浮いた存在であると気付いたならば、それを卑下するんじゃなくて、むしろ個性だと思って欲しいみたいな事を云ってました。
そして堂々として、自分の進みたい道・・・例えば、音楽など芸術へ邁進すればいい。
そういう、自分がどういう人間かを見極める場所が学校なのだと。

私は小学校の頃、病弱だったし、運動神経も良くありませんでした。
普通だったら、いじめられる役回りだったでしょうね。
幸い、勉強は学年でトップだったおかげで、別格扱いされていました。
「バイオレンス」と云う古びた言葉が似合う学校だったので、勉強をする人間が不思議だったのでしょうね。
だから、リーダー格に可愛がられていたような。
特にいじめられずに済んで良かったと云うべきか。
それどころか父親が死んだ時、皆が励ましてくれたのが嬉しかったなあ。
葬式が終わって数日後、久しぶりに学校へ行った際、皆が学校の前で待っていてくれました。

中学の時も、割りと何事もなく済んだのですが、一人だけ嫌がらせをしてきた人がいました。
大人になってからその人のその後を聞いたら、高校を中退、その後は車で人をはねて殺してしまい、今じゃ行方知れずだそうです。

多分、攻撃してきているんだろうなあと云う人もいたような気はしますが、その人と同じ舞台に立ってやりあうつもりは毛頭ないので、気にせずに居たら、相手もそのうち何もしなくなりました。

大人になった今は、「世の中、大抵のことはなんとかなる」と云う精神になっているので、人間関係で自分を追い詰めることはまずありません。
それより何より、自分と係わり合いのある皆さんが本当に良い人ばかり。
人間関係で辛いと思わなくて済むのは、ある意味、財産なのでしょうね。

なんで人は、わざわざ「いじめる側」「いじめられる側」と云う役割分担をするのでしょうかね。
後になって見れば、ろくでもない思い出にしかならないのに。
そんな役割分担をして演じても、名作なんて生まれません。

自分の生き方を振り返って思うに、やはり武田鉄矢さんの云っている事は合っているかも。
私は本来、いじめられる側の人間のはずなのに、自分をそう思わず、自分なりの世界観を構築していました。
10代の頃、子供の世界が自分にとっては「本当にガキくさい」と思えていたんですよね。
だから、大人の人と接している機会が多かったですよ。

母親の妹さんが大学病院に勤めていたので、そこの人達と色んなところへ行って遊んでもらいました。
画家の先生に絵の書き方や遊びを教わりました。
東京で新聞記者をしていたのですが、新潟に戻って喫茶店を経営しながら、子供たちに勉強を教えてくれる先生と出会いました(そこで、コーヒーの味を覚えました)

・・・とにかく大人の世界が新鮮でした。
港町で、泥臭い人(良い意味も悪い意味も含めて)が多い場所で、そういった違う世界の大人と接していたのが功を奏したのかもしれません。
つまりね、世の中には色んな人や出来事で成り立っており、自分のいる学校だけが世界じゃないんだと。
だから、その狭い学校と云う場所が、自分にとって嫌な場所であったとしても、他にもいくらでも自分が楽しめて、自分を受け入れてくれる世界があることを知っていました。
だから、いじめから回避できたのかもしれませんね。

精神的に追い詰められても、その場所だけが全てじゃないと思うと、精神的にゆとりが出ますよ。

世界は自分が扉を開けば、幾らでも奥へと続いていくのです。
だから、自分で扉を閉めないでくださいね。

Posted by kanzaki at 2006年11月10日 23:07