2008年09月28日

効率が10倍アップする新・知的生産術、「頭がいい」と思わせる文章術

昨日、図書館から5冊借りて一通り読み終わり、先ほど返却してきました。
やはり連休だと時間に余裕があって、本をじっくりと読めるのは嬉しいです。
(まあ、天気がはっきりしないので、ロードバイクやカメラを持って出かけられなかったと言うのも、読書をしていた理由の一つですが・・・)

平日の夜はあまり読書をする時間が無いので、大抵は昼休みに読んでいます。
しかし、一冊の本を数日に渡って細切れに読むことになり、時間がかかるのが欠点です。

勝間和代さんの著書「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」と、竹内謙礼さんの著書「「頭がいい」と思わせる文章術 仕事で結果を出す“稼ぐ書き方”」を読んで思ったのは、本を書くというのはとても大変だと言う事です。

今は誰でも文章を書いてブログ等で情報を発信できる時代です。
マニアックだったり、ニッチな情報が沢山、ネットには存在しています。
しかし、それらの文章や内容というのは、必ずしも全てが上手で有用だとは言えません。
書籍の場合、本屋に陳列されるまでに多くの人が携わります。
編集者等が文章や内容についてチェックをするので、精度が非常に高くなります。

また、本を一冊書くのに、著者は自分の持っている情報の全てを引き出して書いています。
その努力たるや、印税ぐらいでは元が取れないそうです。
それだけ密度の高いものですから、読者は対価を払ってでも買う価値があります。

本を書く側というのは、お金儲けという観点から書いている人は少ないとか。
ある意味、目標の達成感とか、読者に喜んでもらう為とか、そういう意味合いの方が強いそうです。

勝間さんは著書の中で、本を沢山読むことを推奨しています。
なぜなら、本ほどコストパフォーマンスの良い情報源は無いからです。

勝間さんは多読でも知られており、一ヶ月に15万円ぐらい書籍代につぎ込んでいるそうです。
フォトリーディングという速読術や、仕事や家事の合間を有効活用して読んでいます。
そして、読んだら殆どはブックオフへ売るか、図書館へ寄付するそうです。
手元に置いておく程の価値のある書籍は一握りだとか。

勝間さんは多読で常に知識を吸収しているし、証券会社に在籍していた時にフレームワーク等について方法論を身につけているせいか、ご本人が書かれる文章は、非常に読みやすいです。

●フレームワークとは
http://allabout.co.jp/career/swengineer/closeup/CU20030525A/

フレームワークというのは思考法である点を理解して欲しい。
つまり、MECEになるような枠組みを決めておいて、そこに情報を落とし込んでいくための思考の枠組みである。マネジメントを知っている人なら、3Cとか、4Pといったフレームワークを思い浮かべるかもしれない。
もっとよく勉強している人なら、ポーターのバリューチェーンや、ポートフォリオが出てくるかもしれない。
これらはすべてものを考えるための枠組みである。


難しいことを難しく話すのなら誰でも出来ますが、話す内容を順序だてて、相手の理解度に合わせて少しずつ説明するのには技術がいります。
技術と言っても、そう難しく考える必要はありません。
「起承転結」とか「5W1H」みたいなものだと思ってください。

竹内謙礼さんも「「頭がいい」と思わせる文章術」の中で、同じような事を書いていました。
実際に書く前に下書き(何を書きたいかの洗い出し)をする。
相手が理解しやすいように、自分が伝えたい事を簡潔に書く。
そして必ず推敲をする。

竹内さんは出版社で雑誌の編集をしていたので、200文字以内で書くとか、制限のある枠の中で書き表す事について得意としています。
制限があるからこそ、伝えたい事を短く分かりやすく書くのです。
新人時代、先輩に何度も記事の書き直しをさせられて逆切れしたら、先輩が「お前の書く文章は金にならないんだよ!」と逆逆切れされたそうです。

プロが書く文章は、利益を生み出さなければいけないのです。
これは何も編集者だけの話しではありません。
我々ビジネスマンも同じです。
チラシ一つとっても、この商品を買ってもらえる最良のキャッチコピーを考えるのは、正に利益の為、金儲けの為の文章です。
事務員の場合、一般のお客様へ向けて文章を書く機会が無くても、上司へ稟議書を書くことってあるでしょ?
自分が必要としている備品は高価だけれど、それ以上のメリットがある事をアピールするには、上手に文章を書かなければいけません。

私自身、仕事柄、支店から上がってくる稟議書に目を通しますが、お世辞にも上手い文章の書き方をしている稟議書にお目にかかったことが殆どありません。
また、「これは!」と思う稟議書に限って、非常に簡潔に書かれているように思います。
そして、そういう稟議書は決裁になりやすいものです。

話しは、本屋に陳列される本を書く人達に戻しますが、彼らは知識が豊富ですが、更にそれを一般の読者に分かりやすく説明できる文章術が必要です。
本日、下記のニュースが掲載されていました。


●新書激戦 小学館参入が選別の火ダネに
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200809280004a.nwc

10月1日創刊の「小学館101(イチマルイチ)新書」。レーベル名は「100の上を目指す」という意味を込め、創刊ラインアップに経済評論家の勝間和代さん、ビートたけしさんら人気著者を並べた。マーケティング局の原本茂さんは「一刻も早くヒットを飛ばし、認知度を高めたい」と意気込む。
ただ、主なレーベルだけでも60以上あり、「狭き門」となっているのも現実。多くの書店では新書コーナーは満杯で、「売れない商品は新刊と入れ替えに、1カ月で返品する状態」(都内の書店)という。大手出版社の営業担当者は「定規を片手に数センチ単位で自社の棚を死守している」と明かす。新参の版元には、より状況は厳しく、06年創刊のソフトバンク新書の吉尾太一編集長は、「一目見ただけで買いたいと思わせる瞬発力が勝負」と話す。


書く側は非常に大変。
やっとこさ出版できても、更に過当競争の中で品定めされるのです。
まあ、そう考えると我々凡人は、著者にさほど利益を生み出さない書籍の執筆に力を入れるより、こうやってブログを使って無償で気軽に発信している方が良いのかもしれませんね。

Posted by kanzaki at 2008年09月28日 17:40